
インプレッサ スポーツ(GP7A)のエアコンスイッチが手に入りました。(72311FJ030 です。)
このエアコンスイッチは、レヴォーグに取り付けてもアイドリングストップしないということが、たくさんの方々から報告されています。
ちょうど車体側の配線コネクタが付いているものが手に入ったので、少し調べてみました。
車体側の配線を見ると、レヴォーグと配線色も全て同じ。
そして、青と赤のねじってある配線が出ています。これは間違いなく、CAN の配線です。
CAN のデータを見てみました。
このエアコンスイッチの CAN ID は、0x280 と 0x281 のようです。
これはレヴォーグと同じです。
0x281 の方は、各種スイッチやら風力設定やらモード設定やらのデータが CAN ネットワーク上に流れています。
そして 0x280 の方は、消費電力に関わるっぽいデータ(電熱線とファン?)と、エアコンスイッチそのものの状況データと思われます。こちらがアイドリングストップに関連していると思います。
このインプレッサスポーツのスイッチは、0x280 の3つ目のデータが 0x80 または 0x90 です。
これはビット(2進数)で表すと、0x80 = 1000 0000、0x90 = 1001 0000 となります。
一番左のビットと左から4番目のビットが使われています。
一番左のビットが1のときが電源ONの状態、左から4番目のビットが1のときが初期化が終了して稼働中の状態を表すと思われます。
「稼働中」をアイドリングストップコントローラが確認すると、アイドリング機能が動作し始めると考えられます。
(アイドリングストップコントローラは、アイドリングストップに関係するすべてのモジュールが稼働して初めてアイドリングストップ機能を動作させるのだと思います)
一方、レヴォーグのアエコンスイッチは、電源ONが左から4番目、稼働中が左から5番目と思われます(0x10 と 0x18)。
使われているビットの位置の違いから、このインプレッサスポーツのスイッチではレヴォーグでアイドリングストップ機能が動作開始しないと考えられます。
わざわざビットの位置を変えているのは、使い回しできないようにしているだけに思えます・・・。
ちなみに、私のレヴォーグは例のボンネットの塗装はげの不具合で現在修理中ですが、代車は XV(GP7D 2014年式)です。
当然ながら、CAN BUS のデータを取りました。
(実物で確認していませんが、おそらく 72311FJ800 と思います。)
XV は、0x10 のみでした。
XV のアイドリングストップコントローラは、この1ビットだけを見ているのでしょう。
(たまたまレヴォーグもこのビットを使っています。他のデータは 0x280, 0x281 とも、レヴォーグのエアコンスイッチと同じようですので、多分 XV GP7D にレヴォーグや S4 のエアコンスイッチを取り付けても、アイドリングストップするのではないかと思います。そしておそらく、今回調査した GP7A 用のスイッチも同じビットが 1 になるので使えます。)
さて、このインプレッサスポーツ用とレヴォーグ用のビット位置の違いは何とかできるのでしょうか?
とりあえず、このインプレッサスポーツ(GP7A)用のスイッチの中身を拝見。
基盤には、CAN のレシーバ(TJA1040)が載っています。
そして、ワンチップマイコン(ルネサス製の R8C/38C と思われます)も。
(CAN レシーバの上のチップは OP アンプ、右の方にある3つのチップは多分 RAM)
このワンチップマイコンに書き込まれたプログラムが違うということになるでしょう。
このマイコンはプログラムの上書きでの書き換えが可能ですが、元のプログラムがどんなプログラムかが分かりません。
世の中には、ルネサスのチップからプログラムを取り出す技術が存在するようですが、公式にはそんな方法はありません。ちょっとレベルが高すぎます。(多分、パッケージを破壊して内部のフラッシュメモリから直接取り出すんだと思います。)
マイコンのチップそのものをレヴォーグのものと交換すれば良い気もしますが、これもハンダ付けなどいろいろ面倒です。
結局、レヴォーグ用のスイッチと CAN の仕様が同じと思われる S4 用ぐらいしか、レヴォーグでアイドリングストップが動作するエアコンスイッチは無いのではないかと思われます。
おまけです。
このインプレッサスポーツのスイッチですが、ダイヤルを回したときにギヤが回って、ギヤとつながっている十字形のモノが回転します。(十字のモノの写真を撮り忘れました。裏側の基盤側にあります。)
十字形のモノが回転すると、スイッチに十字の先が当たってスイッチが一瞬入ります。
ギヤの1/4回転で一回スイッチが入り、回転が判別できます。(下の写真の黄色い十字が回転するのを想像してください。)
スイッチは、下の写真のようなモノで、右回転と左回転が判別できます。(黒い突起が左にも右にも倒れます。)

Posted at 2016/04/03 21:42:49 | |
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