もうすぐ平成も30年目を迎えるが、昭和のまま時を止めたB級スポットを訪問。
ちなみに10年振りの再訪で、予想以上の劣化にワクテカが止まらない、珍スポ脳のブログなのを先に断っておく。

正面入り口からこのインパクト。
筑波山なのにナゼかべらんめえな江戸ッ子気質。
願いガマと名付けられちゃいるが、素直に願いを叶えてくれる気はさらさら無さそうだ。
人(蛙)相も態度も極上の造形で、GAMA-ISMは最初からクライマックスだゼ🎵

このインパクトに対抗できる建物は、世界中にきっとここしかないと思われる。
電波ユンユンの看板。

言葉の意味は分からないが、考えて分かろうとしなくても良い。
考えるな感じるんだ、何故ならそれがロックだからだ。
そしてこの看板こそ声に出して読みたくなる日本語だ。
そもそもなんで背中にシマウマが乗ってるのか❔
そして誰に会えというのか❔
全てがロックなのだ。
奥に見える『筑波を走ろう』は元々『SLに乗って筑波を走ろう』だったのだが、何かの理由で半分が無くなって、電波度MAXな状態に。
園内には開業時から未更新だったり、大破したまま放置された看板だらけ。
大恋愛の末に結婚して今やすっかり冷めきった夫婦関係を見るようで、開業時の情熱と現在の温度差に身悶えしてしまう。
四六のガマ棲息池。

四六のガマにルビで点をふるのは、ガマガエルが筑波山のキラーコンテンツだからなのか。

そのくせ覗いてみても生き物の姿は1㎜も無し。
『知ってたわ~、たぶん何も居ないってオレ知ってたわ~🎵』とセルフ突っ込みもしたくなる。
他にも金網でガッチガチにガードされて、動物と1㎜もふれ合えない動物ふれ合いコーナーなど、突っ込んでも突っ込みきれないネタのオンパレード。
神秘ガマの滝。

神秘というか残念ガマの滝。
水は青いペンキ、水しぶきは白いペンキで『描かれた』滝は、緑化と称してハゲ山を緑のペンキで塗ったどこぞの国のよう。
ガマランドはこれから四千年の歴史を刻もうというのか❔
脇には椅子も用意されて、いつか流れるかも知れない滝を、ジックリと観察できるホスピタリティーも忘れていない。
設備充実のプレイコーナー。

当たり前だがSLも無ければマトモに動く遊具やゲーム機は何一つ無い。
例え有ったとしてもノーメンテの状態で、バイキンマンもノーサンキューの汚なさだろう。

無料スペースシャトルコーナーでは内部を惜しげもなく公開中だが、残念ながらアベノミクス効果も空しく宇宙への夢は散華してしまったようだ。
せめてもの良心なのか100円玉の投入口には溶接で封印してある。
これなら将来の宇宙を目指すキッズ達が、お金を飲まれたトラウマから非行に走るのも防げるだろう。
いよいよガマ洞窟に吶喊だ‼️

ガマランドのメインはやはりこのガマ洞窟だろう。
『ガマランドなのだからガマ推し』というのは素人の考えと言わんばかりに、ガマ以外をグイグイ推してくる統一感の無さ…だがそれが良い‼️

有料なのが分からず入る人がいるのか、入場券の購入にかなりナーバスらしい。
ガマの油売り。

自分の子供時代は近所の商店街で行われたホコテンにも、ガマの油売りが来ていた。
口上最中に『あの刀は赤いインクが塗ってある』と、空気の読めないオッサンがバラすのが毎度のお約束だった。
10年前に来たときは現役のガマの油売りが口上の実演をしてくれてたが、今はやってないのだろうか❔
白い歯を見せて妙にドヤ顔を決めた七人の侍をパクっ…オマージュした絵が、筑波山名物の『陣中膏』いわゆるガマの油をレコメンドしているが、ここでも容赦なくガマ以外推しは忘れない。
Wikipediaによるとガマの油の成分には止血、鎮痛の効果が本当にあるらしく、今では医薬品として指定されてるらしい。
ガマ洞窟の入場券。

500円を高いと思うか思わないかは、世界一周ぐらいの振り幅がある。
モギリのおばちゃん曰く『一人づつ入れば700円ぶん楽しめる』らしい。
コスト500円でプロパー700円とは、赤い彗星もビックリの利益還元率が通常の40%オーバーだ。

胸元のスマイルマークが彼の抱えた闇の深さを物語る。

人類60億人の中にはビーサンを怖がる人も一人ぐらいいる…かも知れない。

洞窟内は先に一組のカップルが入ったが、さっさと出口に向かったようで、後から入ってくる客も無かった。
他に客が居ないのでフラッシュで撮ってみたが、実際は灯りがほとんど無い真っ暗闇だ。
一応この洞窟はお化け屋敷の体なのだが、なぜか構成要素にやたら衣料品が目につく。
帽子、Tシャツ、サンダル、タオル…ご家庭で不要になった日用雑貨と、手描きのお化けの絵が織り成す、日常と非日常のアンビバレンスがここにはあるのだ。

唐突に現れる広告看板。
かつては旅の思ひ出に欠かせなかったフィルムや使いきりカメラも、携帯やスマホにカメラが当たり前の今では、お役御免になったのか…本社のエリートが僻地の支社に飛ばされたかのような、悲哀を感じずにはいられない。
むしろ怖がらせたいのか笑わせたいのか…この看板を見つめていると、ゲシュタルト崩壊を起こしそうな気分になってくる。

中には割りとマトモに怖がらせようとしてくるオブジェもあったりする。
しかしモチーフが『鍋島の化け猫』なのはナゼなのか❔
わざわざ他所の怪談を引っ張ってきて、茨城県内に怪談は無いのか…他人事ながら来年の県別魅力ランキングで、ワースト記録をまた更新しないかと本気で心配になってくる。
そしてまたもや衣料品が小道具なのも、もはや安定の仕様にさえ思えてくる。
マイルドヤンキーに人気のオシャンティなブランド物タオルケットも、ガマ洞窟の暗黒面に堕ちればホラーに転生する。
ちなみに人が通るとセンサーで動くギミックがあるが、動くタイミングがずれてるので残念な感じしかしない。

九州の次は東北から参加。
このお化け屋敷で一番の力作と言えるオブジェだが、安達ヶ原の伝承とほぼ無関係な見てくれなのがガマランドクオリティ…。
とりあえずお墓の上に豹柄の帽子を置くセンスには脱帽するしかない。
鬼女(というか幼女)の人形は『happy birthday』のロゴ入り帽子を被る猟奇的な演出で、恐らく映画『シャイニング』をオマージュしたものと思われる(嘘)。
以前はもう少しマトモな造りだったが、今ではあちこちに置かれた紅白の提灯が、いやが上にもお祭り気分を盛り上げる。

洞窟内である意味最恐のオブジェはこれだと思う。
無造作に捨てられた入場券の山に、内容を知らずにガマ洞窟に入ってしまった人々の、無言の怒りが込められているようだ。

外の看板にもあった『巨大イノシン』はここにいた。
剥製なのに檻に閉じ込められてしまって、大事にされてるのかそうでもないのか…。
猪明神の隣には以前『へびの谷』という、へびのへの字もいない謎のオブジェがあったが、今ではバキバキに壊れた看板だけが空しく残っていた。
それにしても入試や合格に猪突猛進で突き抜けるのは良いが、家内安全を突き抜けては家庭崩壊で裁判沙汰になりかねない…それでは猪明神も立つ瀬が無いと思われる。

洞窟のラスボスはやはりカエルでなくては❗❗
しかし緑色ではガマガエルではなくアマガエルじゃないのか❔
ずっと壁に張り付いてるせいか、眼が充血して鼻血も出ている。
『もう止めて❗ガマのHPはゼロよ❗』

RPGでラスボスを倒したら裏ボス登場はお約束。
洞窟の出口には立派なお社とガマの像が。
ガマランドでありながらガマを推さないツンデレを、最後まで貫くと思われたガマ洞窟…胸を張って『推しメンはガマ❗』そう言える日が訪れた事に感涙を禁じ得ない。
ただしガマガエル脇の土産屋で売ってそうな五重の塔が、勢いと思い付きでアイテムを投入し続けて、ごった煮のカオスとなった今のガマ洞窟を形作ったと言える。

ガマ洞窟の出口はちょっと以外な場所にある。
一瞬『ここはどこ?』と思うのでぜひ自分で確かめてみて欲しい。
珍スポット入門としてはお手ごろ物件のガマランド。
時代に取り残された郷愁と適度にやれた廃墟のテイスト。
平成の次の世代になってもこのままであり続けて欲しい、そんな愛すべき場所。
これからも珍スポットを目指す、全ての人がいる限り。
フォーエバー・ガマランド❗❗
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珍スポLv:★★★★☆
お勧めLv:★★★★☆
所在地:筑波山つつじヶ丘ロープウェイ駅(ニュー三井谷)
定休日:12月、2月、9月の木曜日
時 間:09:00~17:00(冬季は09:00~16:00)
入場料:大人500円、小人200円(ガマ洞窟)
駐車場:普通車500円(終日)