人がまず来ることもない林道から外れた沢の中に、コンクリートの構造物の破片があるのに気付いた。
向かって右に、川の流れを分岐させていた?
少しだけ水が出ていた。
このへんは人家も畑も一切無い斜面なので、水を引く理由が無い。
40m位先に、水路の出口らしき構造物が残っていて、よどんだ水がたまっていた。
ここでまた川へ合流する構造だった。
おそらくここは、娯楽のための場所だったのだと思われる。
というのも、この自治体は一時期ものすごく栄えた時期があって、近くの他の沢でも
「沢をせき止めて船を浮かべて、お大臣遊びしていた」
という話を聞いていたことがあるからだ。
60年少し前のことらしい。
他の沢でも似たような場所を見たことがあった。
おそらく当時は町内ごとに張り合うように、こういった施設を作っていたのではないかと思う。
ここはその中で一番山奥の場所だ。
そして、船を浮かべるような遊び方が出来る場所ではなかったはずだ。
何をして楽しんだのか?
「ただ水を流して、眺めて楽しんだのさ」
という声がした。
それを体験してみたくなった。
ゴミを取り除き、水路の詰りもとる。
流れは割とすぐに復活した。
ほどほどに除草し、最低限の剪定もする。
水路も掘り直し、中から次々出てくる小石をまた並べ直した。
沢ガニも集まって来た。
沢沿いの石垣も、掃除すると明らかに人が積んだものだと分かった。
飛び石は対岸に渡る橋にもなっていた。
対岸の山中にも何かあるのかもしれない。
水路の出口を流れる水も、設計時の曲線を描くようになった。
何と静かな楽しみ方だったのだろうか。
1ヶ月くらいかかった。
さぁ、また自然に帰れ。
Posted at 2018/08/08 01:25:45 |
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自然 | 日記