
新しい生活を軌道に乗せるまでの間に、カーデザイナーの碇穹一さんが亡くなった。
久しぶりに、誰かが亡くなったんだなという気持ちになった。
それから数か月して今年の春。
塾の駐車場で車の写真を撮っている青年がいるなと思ったら、その彼が少し前に来ると聞かされていた、カーデザイナー志望の美大を目指す学生だった。
薬学部を中退してカーデザイナーを目指すのだという。
凄い勇気だ。
明るい目的のために勇気を奮う奴は好きだ。
それからしっかり勉強し、公立の美大にAO入試でもう受かってしまった。
1次の学科が通れば、2次の実技は必ず通るだろうと思っていた。
夏に 「日頃のお礼に」 といってくれた。
キャリパー・ワイパー・バンパー内まで立体、図面から完全自作。
高速有鉛の付録とは関係無い。
停めてあるのを眺めて作ってしまったのだ。
彼は自分が紹介した碇さんのつながりで、すでに元カーデザイナーの人達からの教えも受けられるようになっている。
彼のことは、きっと碇さんが導いているのに違いない。
彼は本当にカーデザイナーになるだろう。
それも勇気を奮った賜物だ。
まだ世界に無いものを、新しい価値観を提案すること、作り出そうとすること、形にすること、それも制限された様々な条件の中で。
それは、いつの時代も必ず批判を受けることだ。
それでも、新しい世界へ踏み出そうとする勇気を感じさせるところ。
碇さんの作品は、そういったところが自分にとってなにより美しく、格好良い。
眺めるたびに「勇気」をもらう。
碇穹一さんは、自分にとって「勇気」を形にした人でした。
Posted at 2017/10/24 02:57:12 |
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SUBARU XT-6 | 日記