2014年03月07日
サーキット走行などはしないのでごくごく一般的な用途でのドライバー視点での意見を書いてみたいと思います。
■エンジン
アルファ2.5リッターV6に比べて、上まで回して乗ろうという気持ちにさせられるタイプではないですが、
一応最大トルクは4500回転で発生するタイプ。
今時のドイツ車から考えれば回して乗る楽しみもある。
但し、回したとしても野太くノイジーな排気音が大きくなるだけで官能性を売りにしたサウンドではない。
V6の3000回転を超えたあたりから発生するトルクと天にも昇る鳴きを期待してはいけない。
所謂、排気を変えていけば楽しめそうなタイプ。
■街乗り
当初乗り始めから感じていたことですが、街乗りであればNモードだけでも何ら問題ないトルク感があります。
もっと上位の車に普段から乗っている人でなければNモードはバランスよく使いやすく、QVのパワー感を十二分に体感できます。
余談ですが、以前試乗したスプリントでNモードを試したときはたしかにパワー不足を感じ、
コレはDモード多用しないとちょっとしんどいかも…と思った記憶があります。
エンジンの差、ミッションの差、加えてアイドリングストップの有無の差もあるのでなんとも言えませんが…。
■乗りやすさ
実によく小回りが効きます。
156が5.8m(といわれているが、絶対もっとあったと思う。)、ジュリエッタが5.5m。
たった30cmの差で別世界です。
今まで諦めていた駐車場に停められ、今まで気を遣っていた狭い通路でのすれ違いや幅寄せ、Uターンなどが人並みにできます。
心なしか駐車が好きになった気がします。
156の純正スポーツサス入りよりも車高が高いので、段差に気を遣わなくて済む反面、QVはもう少し落としてもよいかな…と思う今日この頃です。
ここまで街乗りについて褒めることばかりなんですが、一つだけ気になる点があります。
我が家のある麻生区は、首都圏都市部の中でも名高い標高を誇る多摩丘陵にあります。
そんな坂だらけの道を走るに当たって、ギア比に難があることに気がついたのです。
それは一言で言ってしまうと、"1速と2速が離れすぎていて、坂道で1速を使い続けなければならない"という点です。
例によって156V6と比較してみましょう。
【156V6】 【ジュリエッタ1750QV】
第1速 3.500 第1速 3.900
第2速 2.235 第2速 2.118
第3速 1.520 第3速 1.484
第4速 1.161 第4速 1.116
第5速 0.971 第5速 0.897
第6速 0.816 第6速 0.767
後退 3.545 後退 4.000
エンジンの入力が1750QVの方がパワーはあるものの、
1速→2速のギア比がだいぶ離れているため、
2000回転で2速につないだ場合一気にトルクが落ちます。
我が家の近辺は本当に有名な急坂揃いで、1速3500回転〜4000回転を維持しないと登りづらい状況なのです。
この辺が実はちょびっとだけ使いにくく、実際は恐らくトルキーなはずなのに印象として
妙に細く感じてしまう原因なのではないかと思います。
※もしかすると、急坂でDモードを使うのも有効なのかもしれませんね。
■ブレーキ
QVはブレンボを履いているのできわめてタッチは良好です。
踏めば踏むほどよく止まるし、踏力もリニアです。
■高速道路
流れのよい道路はとても乗りやすい車だと思います。
3速から上のギアを選んだときのトルクカーブに息継ぎがない印象で、適当につないでいるだけでもめいっぱい延びて行く感じがあります。
これのおかげで一般道から高速道路への乗り入れに格差がなく、高速巡航もとても楽にこなします。
今までのアルファロメオの中でももっともGT性の高い車だなと感じます。
高速巡航に力を入れて開発されると言われる欧州車ですが、それはジュリエッタQVも例外ではありません。
先日、浜名湖から大雨の東名を高速で流していた時のことです。
豪雨で視界が悪い中、ハイスピードで流れる追い越し車線を巡航していました。
そこで、ここぞとばかりにAllWeatherモードをオンにして走ってみました。
AllWeatherモードにすると、ステアリングのマッピングが書き換わり、高速時にすこし重くなります。
さらに、ステアリングの遊びが大きくなり、直進安定性が増します。
VDCの介入がより積極的になり、足下がふわつくような極度のウェット路面のカーブでも、
脚ががっしりと路面を捉え、タイヤがグリップを失う気がしません。
156の頃は100kmを超えて大雨の日の運転をすると、グリップ感が乏しい感覚や、走行ラインが不安定に膨らんだりする感覚はありましたが、QVはそもそもNモードでも安定しており、AllWeatherモードであればそれ以上に安定感が増します。
破綻を一切見せないこの安定感は実に頼もしく、視界の悪さはあるものの、通常時と同じくらいの速度で安全に帰ってくることができました。
ちなみにペダルレイアウトで一つ気になることがあります。
それは、AとBペダルが近すぎるため、高速巡航時に長時間Aペダルだけを踏んでいると、
Bペダルのポジションが微妙にわかりにくく踏み間違えを起こしそうになったのですが、これはぼくだけでしょうか?
■燃費
156v6よりはマシです。
街乗りオンリーで8〜9km/l
品川〜浜名湖〜品川の旅行で高速巡航をメインとした場合は12km/l
くらいでしょうか?
エコカーとは呼べないですが、サンデードライバーが買い物やレジャーに使うのであればギリギリセーフなレベルかなと。
結論:
147、156が持っていた快適で元気がよくて速いというコンピタンスは、
バランスこそ変わったものの健在です。
アルファは新しい車がでるたびにドイツ車的になったと言われますが、
ぼくはあまりジュリエッタに対してそうは思いません。
ゴルフってもっといい子ですよ。(成績優秀な優等生だという意味)
ジュリエッタは大人っぽくなったなという印象なんです。
あまりわがままでヒステリックな女じゃない。
156や147よりアルファGTに乗ったときのような、
余裕?ゆとり?低いギアを使ってブン回すというよりも、高めのギアを下で回すようなツアラーっぽさ。
だって考えてみればそうですよね?
アルファにはいまmitoとコレしかラインナップにないんです。
大人っぽいクーペも、元気に走るスポーツセダンも、長距離を移動するユーティリティ性の高いスポーツワゴンの役割も全てこの一台が担うわけですから、そういういいとこ取りをした車に、
少し大人っぽく化粧をしたジュリエッタはほんの少し背伸びした感じで愛せる子だと思いますよ。
普段はNモードで大人を演じ、時々Dモードで元気に乗るってのはなかなかいい塩梅なのかもしれませんね。
Posted at 2014/03/07 00:10:45 | |
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Giulietta | 日記