そろそろテスラで初めての車検を迎えます。
ここのところ、車検を通さずに車を乗り換えることが多かったので、車検にたどり着いたと言う時点で「とても気に入っている」と言うことなんだと思います。今のところ乗り換える気も全くないです。(2022.4追記:残念ながら雨漏り直らず乗り換えることになりました。)
テスラの電気自動車に約3年乗って思ったことを、つらつらと書き留めておこうと思います。
もともと自動車は好きなので、テスラに乗る前までも乗ってからも、車の運転が楽しくて好き!と言うところはなんら変わりません。電気自動車になったからといって、別に運転の楽しさが減ってしまった…などということは僕にはありませんでした。むしろ逆の印象。
テスラのADAS(敢えてAuto Pilotとは書かない)のおかげで運転で楽ができることは多くなったとは思います。特に疲れているときなど、注意力が散漫になったときにありがちな「ヒヤリ・ハッと」が激減しました。
エンジンの音や振動はとても楽しいものであり、吹き上がる咆哮は大好きでよく低速ギアで回転数上げて楽しんだりしたものでしたが、モーターの「フィ〜ン」という音もまたこれはこれで悪くはないなと。それから変速機がないので、変速時のショックもありません。それこそ離陸時の飛行機のように息継ぎなく加速していきます。
シフトショックや走行時の振動がないことによると思われる疲労感のなさは体感で明らかで、前述のADASによる負担軽減と相まって長距離ドライブが全く苦にならなくなりました。
テスラの青はとても綺麗なので、表面積が広いモデルXではよく映える色です。購入時にキーパーラボでダブルダイヤモンドキーパーを施工しましたが、これは良かったと思っています。よく水を弾くし青空駐車でも汚れや傷がつきにくい。そして綺麗な青がさらに深く綺麗になります。青に乗るなら、何かしらのコーティングはしておいた方がいいと思います。

内装に関しては、新型からは無くなってしまったオークデコールが特に気に入っています。クリームプレミアムに組み合わされたオーク材はとても質感が良く、リビングの中にいるような雰囲気です。大きなフロントウィンドシールドとあいまって、明るく広大な車内はとても気持ちがいいものです。

ネタと思われがちなファルコンウィングドアですが、これは使い始めの恥ずかしさを克服すれば、よく考えられた非常に使いやすいドアです。乗り降りはしやすいし、狭いところでもぶつからないように気をつけながら開けてくれる。そして何よりわが家の子供たちに人気。
ただし、送迎で路肩で開けて子供を下ろすときなどは、くれぐれも後屋前からくる自転車や歩行者に注意です。
EVなので当然ガソリンスタンドに行かなくなりました。日常使いであれば、自宅と職場の基礎充電で事足りるので、特に電欠を気にすることもありません。モバイルコネクターさえあれば、200Vコンセントのみならず100Vコンセントでも充電ができます。遅いですが…

しかしながら、長距離ドライブやキャンプの際には100kWhバッテリーにしておけばよかったな…と思うこともしばしば。特に車中泊でエアコンを使うことを想定すると、バッテリーは大きいに越したことはありません。そもそもモデルXはその巨体と重量から他のEVと比べて電費はかなり悪いので、もしモデルXを買おうと思ってバッテリーで悩んだなら、とりあえず大きなバッテリーを選択することを勧めます。

とはいえ、最近さらに増えてきたスーパーチャージャーネットワークのおかげで、75kWhバッテリーの75Dでも一応長距離移動は可能です。スーパーチャージャーネットワークの存在込みでテスラを選んだのですが、これは大きなアドバンテージだと感じます。
テスラオーナーにとっては当たり前すぎて忘れられがちですが、スーパーチャージャーで充電する際はカードをかざしたり、画面にカード番号を打ち込んだりなどの支払い情報の入力は全く必要なく、ただ着いたらプラグを差し込むだけで充電が始まり、あらかじめ登録してあるカードに課金請求がくる仕組みも、煩雑さがなくシンプルで素晴らしいと思います。
FWアップデートで加速性能が良くなったり、ADASの機能がどんどん改善されたり、元々なかったエンターテインメント機能が加わったりと、ほぼ毎月ワクワクが絶えない3年間でした。

いいことばかりだとアレなので、一応ネガティブな事も書いておきましょう。
現在は自宅と職場で基礎充電ができますが、購入当初はマンション住まいだったので、都内随所にある無料CHAdeMOには大変助けてもらいました。しかしやはり自宅での基礎充電ができないと「充電が面倒」になってくるとは思います。面倒なだけで、運用ができないとは言っていないので、そこは注意。実際2年間は運用できてましたので、経験者は語るです。
長距離移動の際の充電計画は、モデルXはその電費の悪さからロングレンジモデルであっても必要になってくると思います。75Dなら尚更です。さらに、冬場の移動にでもなればさらに航続距離は減るので注意が必要です。気をつけなければいけないのは表示されている航続距離は普通は「絶対に」走れないということです。100%→0%まで走って、カタログ値の航続距離が走れるのでしょうが、実際は100%→10%ぐらいにとどめておかないと見知らぬ土地で電欠の可能性が出てきて危険です。つまり、カタログ値より走らないのはガソリン車であっても同じことではありますが、さらに電気自動車の場合はガソリンスタンドのようにあちこちに公共の急速充電器があるわけではないので、次の充電までにどうしてもある程度はバッテリー残量を残しておかなければならないから、さらに航続距離は減るよ!ということです。ホテルや観光地の駐車場での目的地充電ができないなら尚更です。
ところでモデルX 75Dは購入当時の航続距離はカタログ値で417km (WLTP)でしたが、実際の航続距離により近いとされるEPAに換算すると383kmと400kmを切ってしまいます。さらに、日本での電費は本国のそれよりやや悪く(229Wh/kmぐらい?)設定されているようで、実際には購入初期の100%充電における実際の航続距離表示で325kmぐらいがせいぜいだと思います。そこから、実際にはその90%位しか走らせられないとなると、実際の航続距離は冬場を除いて292kmぐらいと300kmを切ってきます。しかもこれが冬場にはさらに悪くなる。これを購入前にわかっていたら迷わず100Dにしただろうな…というのが偽らざる感想です。
次に、以下に納車時からのトラブル一覧を列挙しておきます。3月末に購入して5月にはすでに長期入庫してますから、最初は流石に不安になりました。が、最終的には全てのトラブルを解決してもらっています。「3年かけて仕上がった」感があります(笑)。それが絶えられない人は、少なくとも昔のテスラ車には手を出さない方がいいと思います。きっとこれからは改善するでしょうから。
・ルームミラーが希望する位置で固定できない。クルッと動いてしまう→対策品交換対応済みも直らず、再度調整でようやく直った。
・右のリアのドアとボディーのチリがあっていない→修正ずみ。
・リアハッチのチリがあってない→修正不可能と言われたが2021年10月の追突事故でリアハッチ交換となった際に修正。
・ボンネット、リアハッチの塗装ムラ→ボディーショップで対応。ボンネットのエクボ1箇所のみ修正できず。
・ルーフアップリケのキズ→センサーなどが多数あるため交換不可と言われていたが、雨漏り修理の際にアップリケ交換。
・3列目背部を倒すと配線を巻き込んでシート背面がめくれる→接着剤で対策するも、配線を巻き込みの対策ができておらず改善せず諦めた。配線やサブトランクの荷物などをシートで巻き込まないように気をつけて運用。
・センターコンソール運転席側の歪み→サービスにてテープで対応。
・車内の「キュッ、キュッ」というきしみ音→乗っているうちにかなり減った。3列目が収納されている時に出るようだ。
・右フロントドアとボディーが当たる?スレ傷あり。→サービスにて対応済み。以降症状なし。
・右フロントドアが開かない。粘ったような音とともに開く。→サービスにて対応済み。以降症状なし。
・右ファルコンウィングドアとボディーが当たる?スレ傷あり。→特に問題なし。ファルコンウィングドアは比較的建て付けの良い個体とのこと。その後スレ傷再現せず。
・メーターパネルとコンソールパネルのフリーズ→FWアップデートで修正された。
・GPS関連機能が死んだ→サービス入庫も原因不明
・AP関連機能が死んだ→サービス入庫も原因不明
→GPS、APどちらもFSDオプション購入で直った。
・モバイルアプリで、自車の向きが180°逆向き→FW2019.24.4で修正
・GPSの自車位置がずれる→FWアップデートで修正
・FMラジオのブツブツ音(ノイズ)→FWアップデートでいつの間にか修正
・運転席下の謎の部品→運転席左側のシートレールのカバーだったようで自分で嵌めた。その後サービスで再固定。
・フロントの飛び石キズ→ボディーショップで補修。
・フロントグリルの浮き→仕様
・左サイドのカメラが白飛びしてみにくい→仕様
・雨漏り→3回にわたる修理でようやく完治。ルーフライニング洗浄するも雨ジミ取れず全交換。(2022.4追記: 4回目の雨漏り発生し修理不可と判断しました。)
・フロントサスペンションからのギシギシ音→フロントアッパーアームジョイントの再シーリング実施にて完治。
毎年なんだかんだで延べ2ヶ月間程度、3年間で延べ約半年間はサービス入庫していました…(苦笑)
これみてしまうとうんざりすると思いますが、本気でうんざりしたのは雨漏りぐらいで、あとはそれほど大変なものではなかったです。
モノ好きが買う車だと思われていた最末期に購入したので「まぁ…こんなものだろう」と思っていたこともあり特に腹も立ちませんでしたが、モデル3発売で普及期に入り、これからのオーナーにこんな体験をさせてしまうと間違いなくがっかりされるでしょうね…テスラには頑張って欲しいです。
とはいえ僕の場合、都内在住ということもありサービスセンターが近かったこともあってか、言われているほどテスラのサービス体制に悩まされたことはなく、しかも不具合そのものも自走できないような重症例は一切なかったので、そういう意味では比較的幸いな方だったのかもしれませんね。
今もどんどんサービスセンターが拡充されて、スーパーチャージャーも日本全国津々浦々に設置されてきていて、以前に比べて明らかに体制は良くなっています。モデルYがくる頃には製品品質も揃って不具合も減って、きっと普通になっているだろうと期待してます。
次ですか?そうですね、それでも僕は多分テスラに乗り換えます。タイミングとしては4680バッテリーを積んだモデルYのロングレンジが日本国内で安定供給されるようになったら、きっとモデルYに乗り換えます。もはや現行モデルXは手の届かない車になってしまいましたし、やはりこの大きさは時に持て余しますので…