
この度、大雪時におけるチェーン装着が義務化された。高速では、全国で7区間が該当場所となる。昨年度、福井県の国道で大雪によって多くの車が数日にわたって身動きがとれなくなってしまったことが、今回の法改正につながったようだ。
年末年始に35年間以上、降雪地帯の高速道路(上記の区間が含まれる)を運転してきた経験から、少し思うところがあるので記しておきたい。ちなみに、車は、初め10年ほどはFF車(スパイクタイヤ時代からスダッドレスに移行)、次の20数年は、レガシーとエクシーガの四駆車(四輪スタッドレス)である。
この長い歳月の間、大雪によって一部区間が除雪できずに通行止めになったため、止むを得ず下道を走らざるを得なかったことも何度かあった。また、圧雪状態の道路を低速走行したことも数知れない。下道では、雪の峠越えで急坂を上ったり、下ったりしたこともある。
そうしたなかで、スリップし始めて、もしかすると坂が登れないかもしれないと不安に思い、チェーンを装着したのは、スパイクタイヤ装着のFF車で、斜度7%を超える坂において、圧雪路が深夜に氷点下でほぼアイスバーン状態になった時の1回のみである。スバルの四駆車になってかは、ラフなブレーキングをした制動時以外には、橋の上の路面が凍結していると予測せずに、かなりの速度で左折しながら侵入したときの1回のみしかスリップしたことはない。一般道の急坂を上るとき、登れないかもしれないと不安を感じたことはなく、まして高速の登坂路でスリップしたことは皆無である。
一方、FR車においては、一般道の急坂の上りでは、車がお尻を振り出すと同時にスリップし始めて、路肩に寄せて止まらざるを得なくなったという事例をたくさん見てきた。車種では、某社の高級車やまた別社のスポーツカーなどが多かった。
下り坂では、FFもFRも四駆も制動に関しては、皆同じであるにもかかわらず、上りと同様に四駆にアドバンテージがあると勘違いしている方が、止まりきれずに路肩に突っ込んだり、ひどい場合には、ガードレールを突き破って転落したりしているものも数多く見てきた。転落車には、車重が2tを終える先駆的な代表的SUV車が多かった。
こうした経験から考えるに、福井県の事案では、猛烈な降雪により、あっという間にたくさん積もってしまったということがあるにせよ、渋滞の原因は、上りでスリップする車が何台か出てきて、道路をふさいでしまったことによって、前に進めなくなったことが最大の理由であろう。
こうした状況を避けるため、法によって規制することには賛成である。しかし、全車チェーン装着させることで解決するかといえば、はなはだ疑わしいと感じる。四輪スタッドレスでスリップして走行できないような車と路面状況なら、慣れないチェーンを装着しているうちに積雪が進み、走行不能になってしまうだろう。
法では、車の駆動形式によって対応を変えるというような肌理細やかな措置を行うことが難しいだろう。そのため、全車チェーン装着義務化は仕方ないと思う。しかし、スタッドレス装着のスバル四輪駆動車で通行できない路面状況なら、「通行止め」しかないと思うのは、小生だけであろうか。
Posted at 2018/12/28 20:44:19 | |
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