IBI仙人のブログ一覧

　今年は、近年まれな｢たけのこ｣の豊作年である。その理由は、例年必ずやってくる先客がまったく姿を見せないからである。先客とは、｢いのしし｣様。今年、来ないのは、CSF（豚熱）一般には豚コレラが蔓延して、野生猪の相当数が死滅したためかと思われる。記憶されている方も多いであろう。
　昨年度、国内で発生したCSFは中部日本に広まり、養豚場では多数の豚が殺処分された。現時点において野生猪のCSFは完全には収束していない。最初に発見された岐阜県の令和２年４月に捕獲された猪のPCR検査結果をみると、陽性反応が見られた個体が５件あった。
　CSFは、その発生が確認された後、豚肉の輸出規制がかかることを恐れたためか、ワクチンの使用までかなりの時間を要した。その結果、CSFは日本の広範囲に蔓延することになってしまった。
　この流れと同じものが思い浮かばないだろうか。他のことを心配するあまり、病気の蔓延を防ぐという事態の本質を見極められなかったことはないか。このつけが大きくならないことを願うばかりである。

　ハリガネムシという生物をご存知だろうか。ミミズをうんと細くしたような、名前のとおり｢針金｣のような生物である。うごめいている様は大変不気味である。
　ハリガネムシはカマキリやカマドウマに寄生する。成虫になると宿主の脳にある種のたんぱく質を注入して、入水自殺をさせる。その際、水中に脱出して、交尾の相手を見つけるということである。
　今まで、まれに見かけることがあった。しかし、この冬は自宅周りに硬化したハリガネムシの死体がごろごろと見つかり、とても異常な状況である。例年にない暖冬のせいなのか、それとも別の要因があるのか。自然界の調和がどこかで狂っているのではないかと心配をしている。

　最近にしては珍しく、天気予報がはずれた。秋晴れの一日となった。夜になって星見をした。口径８ｃｍの屈折天体望遠鏡を使った。架台(望遠鏡を載せる三脚とその上の台)のうんと軽いやつ。大きな望遠鏡は良く見えるが、準備が大変だから。
　星見といっても観測や写真撮影はしない。ぼんやりと眺める観望といったところが妥当だろう。
　今夜のお目当ては、Mの字が横向きになって昇ってくるカシオペヤ座の右斜め下にある二重星団。星座の区分けではペルセウス座に所属するらしい。hとx(エイチとカイ)といった呼び方もする。月も下弦となり空は暗い。星が２か所に密集している。
色の異なる大小の星が瞬いている様は、音を出して鈴のように鳴り響いているように感じる。実際は、大気の揺らぎで瞬いて見えるらしいが、そんなことはどうでもよい。
　ものすごく遠くにある星たち。自分のいる地球は、暗い宇宙に浮かぶ太陽というひとつの星を回っている、ほんのちっぽけな岩石の塊。そう想いながら星を眺めていると日々の煩わしさも少しは忘れられる。

　翡翠（かわせみ）という鳥の名前の由来については、ふたつの説があるという。ひとつは、かわせみの古称である『ソニ』ドリから『ソビ』、『セビ』、『セミ』へと呼び方が変わっていったのではないかという説。もうひとつは、その美しい背中から川『背美』という意味があるのではないかという説である。
　先日、渓流沿いをバイクツーリングした。かわせみのことなど、全く頭になかった。きれいな流れを見ていて、川の瀬を眺めて獲物を狙っている鳥が思い浮かんだ。
たぶん、それは青い背をした美しい鳥。川の瀬をじっと見つめる「川瀬見」。きっと、昔のひとは、その姿から名付けたとひとり思っている。

　バイク用にポータブルナビを購入した。試験運用のツーリングをしてみた。何かが違う。楽しくない。
　理由を考えた。バイクでは、カーブひとつひとつで走り方を考え、ギアを選択してスピードやトレースするラインをきめる。音を聞き、空気を感じて走る。今なら、きんもくせいの匂いにいたるところで出会う。
　車の運転があまりにも快適になっため、忘れそうになっていた運転する楽しみを思い出すことができた。