昭和6年に着工して、昭和10年に完成した旧3号館・・・
ケヤキ板の階段が微妙に角度を変えながら、実際は99段の「百段階段」。
この階段で結ばれた6部屋も現在、登録有形文化財(保存建築)です。
ここは、映画「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルになったそうです。
宮崎駿も作成中に何度も、この「百段階段」を訪れたそうですよ。
見学した6部屋はどれも魅力的でしたが、中でも圧巻なのが「漁樵の間」でした。
もう70年以上もの歳月が経っているのにもかかわらず、
天井や壁一面に描かれた絢爛豪華な色彩芸術、描かれている人物や動物、植物の生命感・・・
でも、ここは花嫁さんには不人気なお部屋だったそうで・・・
自分よりお部屋が目立っちゃう!?(笑)
また、創業者 細川力蔵の経営者ならではの素晴らしい、面白いお話を聞きました。
行人坂の傾斜を利用して造られた百段階段を目黒駅につなげたかったそうです。
電車を降りたら、もう雅叙園♪・・・粋な考えですね。
実際、行人坂の三分の二まで完成したのですが・・・残念ながら色々と難しかったそうです。
「百段階段」・・・あと、もう少しだったのに。
私がもうひとつ、とても残念に思った事が・・・
宿泊中、目黒雅叙園の建物の美術本を購入して見ていました。
コンシェルジュに「この本の、本館玄関や旅館玄関はどこにありますか?」と・・・
どうしても、見たくて尋ねてしまいましたが、旧館そのものは昭和63年に取り壊されたそうです。
旧館の装飾品を外し、そのまま飾られ・・・現在の豪華なホテルになったそうですよ。
美術本を見る限り、古い和室ばかりでお手入れや気候環境の面でも大変だったのでしょうね。
実際、見学した6室はエアコンで良かったのですが、「百段階段」は凍るほど寒かったです!!
旧3号館のトイレは、十二単を着た花嫁さん用に驚くほど、とても広い。
当時は、絢爛豪華な大きな百人風呂という浴場があったそう。
考えた細川力蔵、面白い!
神様をよんできて総合結婚式場を初めて造った細川力蔵のアイデア。
中国料理のターンテーブルは、中国でもなくここ目黒雅叙園が発祥の地。
戦前の記録で一日116組!の結婚式をしたほど、華やかに賑わった旧雅叙園。
大地震の被害から復興する庶民に夢を与える為に、雅叙園を造った創業者 細川力蔵氏。
目黒雅叙園・・・とても興味深い、創業者の想いが詰まった素晴らしいホテルでした。
※お写真は、購入した美術本のひとページと目黒雅叙園ブライダルの冊子です。
下記、URLは目黒雅叙園のHPです。
Posted at 2007/02/23 17:28:20 | |
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みくもも | 日記