悲しき水中翼船　ロータス ホンダ99T　と雨の中嶋伝説

ウイリアムズホンダを紹介したら、ロータス・ホンダも紹介せねばなりません。
10年以上前に作ったタミヤのプラモデルです。
1987年。中嶋悟氏がドライブ。ホンダ1.5Lターボエンジン搭載。キャメルイエローが鮮やかですね。タバコメーカーのスポンサーがまだ良かった時代の産物です。車体には車載カメラがついていて、お茶の間でドライバーの目線の画像が見れたのが画期的でした。
F1通でなくても、このマシンは知っているでしょう。


コンパクトに良くまとまってきれいな形だと思います。次の年にレギュレーションに変更があり、ドライバーの足が前輪車軸より後ろになければならなくなり、ホイルベースとノーズが長くなりました。
油圧のアクティブサスペンションは時代を先取りしていましたが、うまく機能しなかったようです。空力にも問題があった様子。
しかし、そんなの関係ない、モナコやデトロイトの市街地コースでは、セナが2連勝していますね。


第7戦イギリスGPではウィリアムズとロータスでホンダエンジンの1-2-3-4フィニッシュも果たした。
中嶋氏は、このデビュー年が一番成績が良かった。4回入賞しグレーデッド・ドライバーの仲間入りをはたしました。ランキングも12位と、ルーキーとしては良かったのではないでしょか。

ただ、ルーキーといっても、もうすでに34歳でしたので、アスリートとしては絶頂期をとうに過ぎていたと思います。あと、5歳若ければ。
しかし、すべてはこの方から始まりました。中嶋氏がF1への扉を開けたことで、他の日本人F1選手が続くことが出来たのは間違いの無いことです。
偉業を成し遂げたのです。


二年後1989年、同じキャメル・ロータス101、雨のオーストラリアGP市街地コース。
予選23位でスタートでしたが、ファステストラップをたたき出し、4位入賞を果たしたのは覚えている人多いですね。
私もテレビでドキドキしながら見ていました。雨の市街地コースで、よくあんなたくさん追い抜き出来るな！雨のナカジマ伝説です。

↑6分30秒過ぎから「ナカジマ」を連呼しています。

雨のレースは体に負担のかからないので、体力のハンデがありません。そして、マシンの性能差も出にくいので、純粋にドライブテクニックが一流だった証拠です。

3位のウイリアムズの直後まで迫ったけど、抜けなかった。レース直後のインタビューで「ウイリアムズの跳ね上げる水しぶきが、エンジンに入ってふけなくなった」といっていた覚えがあります。もう少しだったのに残念。
このロータス101は町田のコーナーストーンズにあるみたいです。


当時最強のホンダ1.5リッターV6ターボエンジンです。
過給圧制限があるので、エアインテークにポップオフバルブが見えます。
燃料制限もありましたが、まだタンクが大きいですね。逆にエンジンが小さい。


模型としてはとても作りやすかったです。99Tの塊感もよく表現されていると思います。
素組でここまでの完成度は、さすが世界のタミヤです。
しかも30年前の模型キットですよ！オドロキです。


フジテレビでF1中継も始まり、中嶋悟氏のフル参戦で日本でのF1ブームが始まりました。


電光石火のギアダウンです。ブリッフィンフしながら、1段づつ落とすのですね。
バイクならできるけど、車は無理だなぁ、911はペダルもヒールアンドトゥに向いていないし。
飛ばしシフトしている自分が情けないです。