
先日、
エアコン修理について書きましたが、
ポルシェ930のクーラーはきかないので有名です。
新車当時1千万円ぐらいしたのにです!
真夏の渋滞では、かなりききがわるくなります。
しかし、これは個体差があり、人によって感じ方はさまざまなようです。
まったくきかない、というひとから、私のように、真夏の渋滞でも汗をかかない程度きく。
とういように、意見はさまざまなようです。
私の個人的な感想では、空調屋さんがちゃんと整備したクーラーは、そこそこ使える、です。
しかし、どうやら、空調屋さんもポルシェと聞いただけで、対応してくれないところが多いみたいです。
そんなにむずかしくないのですが。昔の後付クーラーとまったく同じ仕組みですので、電装職人なら楽勝のはずなんですけど。
クーラーの仕組みを復習しましょう。家庭用のクーラーと同じです。

冷媒(フロン)をコンプレッサーが圧縮します。
圧縮されて高温になった冷媒を、コンデンサーが冷やすことで、冷媒が液体になります。
液体になった冷媒は、レシーバー・ドライヤーで水分や不純物が取り除かれます。
エキスパンション・バルブから、液体の冷媒をエバポレーターに噴射します。
エバポレーターで、冷媒が気化されて、エバポレーターが冷たくなります。
そこへ室内の空気をファンでおくって、空気を冷やし、室内に送風します。
室内の温度が下がります。
気化した冷媒は再びコンプレッサーで圧縮します。
以下繰り返しです。

930はこれらの部品の間の配管は、すべてホースです。964以降ですと、基本的に金属配管なんですが、930は昔の後付クーラーと同じで、ホースの配管なんです。
ゴム製品ですので、金属のカシメの部分から漏れることもあるようです。
もれたら、金属の部分だけ残して、新品のゴムホースでホースを作り直してくれる業者があります。

エバポレーターは、銅配管にアルミのフィンという、とても贅沢なつくりです。最近の車はコストダウンだとおもいますが、アルミ配管です。アルミだと結露でだんだん腐食して穴が開くことがありますが、銅配管では心配いりません。
なので、これは超高級なのでそのままつかえますし、機能的にも十分です。

コンプレッサーは30年前のままなら、オーバーホール、もしくはサンデン製に交換するといいでしょう。
ついでにレシーバー・ドライヤーも交換しましょう。安い部品ですし、中の除湿剤が古くなっていると思います。
930クーラーの最大の弱点は、コンデンサーです。

フロントに電動ファン付の小さなコンデンサーがついています。

リアにも小さなコンデンサーがついていますが、国産車のようにファンがついていません。
これは、エンジンを冷やすファンの吸気でついでに冷やす仕組みです。
なので、気温が高すぎると、あまり冷媒が冷えません。冷媒が冷えないので、冷媒が液体にならないため、エキスパンションバルブが液体のフロンを噴出できないので、きかなくなるのです。

アメリカ人にはユニークな人がおり、電動ファンを3つもつけて

大きなコンデンサーに交換して、四方を目張りしている例が紹介されています。
しかし、個人的には、リアコンデンサーにファンをつけて、劇的に冷えるようになったという話は聞いたことがありません。
ファンで送った空気が逃げる場所がないですよね?なのでファンは空回りじゃないでしょうか?

リアフェンダーに、電動ファン付コンデンサーを移設して、冷媒を冷やすと、ばっちりきくようになるそうです。
そういうキットがアメリカで売っています。
まあ、真夏は人間以上に空冷エンジンにとって厳しい環境ですので、梅雨明けからお盆明けぐらいは、運転を我慢するのがいちばん良いとおもいます。
でも5月6月の気温が低めで湿度が高い時期には、ばっちり除湿できるので、930のクーラーもバカにできませんね。
Posted at 2016/08/16 05:58:50 | |
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