
今日は長くて、理屈っぽくて、楽しい話ではありません。ごめんなさい。
みなさん、危険物は空輸できないと思っていますよね?
飛行機が爆発炎上したらこまるので、危険物は空輸できない。
一般常識です。
以下、ヤマト運輸のホームページから画像を借用しました。

航空貨物として運べない品目の例だそうです。
言われてみれば納得です。
でも、ちょっとまって、これから宅配便で沖縄に飛行機で送ろうとしているものが、危険物なのかどうなのか?ここに明記していない場合どうすればよいでしょう。
その場合、宅配業者のお客様相談窓口に電話して、品名を言えば危険物かどうか教えてくれます。
意外なものが危険物だったりするので、たぶん驚くと思います。そして、なぜそれが危険物なのかと聞けば、次のような回答が帰ってくると思います。
「お客様のお問い合わせのお荷物は、航空法で、危険物にあたるため、空輸できません」
「空輸できない危険物は、船便になり、1週間程度配達のお時間を頂戴いたします」
普通の人は、これを聞けば、そうですか。と言って電話を切って、荷物の送り先に1週間かかりますと連絡して、荷物を送るのでしょう。
ところが、世の中には、沖縄に困っている人がいて、今すぐにも荷物を送りたい、1週間もまっていられない、国鉄貨物か!こら!、と怒る人もいると思います。

そこで、輸送における危険物とはなにか、さらに航空危険物とは何か、調べてみました。
まず、輸送における危険物は国連番号というもので、危険物を詳細に分類しています。
vhttp://www.un-no-un-number.com/
これが、世界中の危険物輸送の基準になっているのは間違いありません。
そして、航空危険物ですが、
ICAO=国際民間航空機関が、危険物のルールを定めています。
日本の航空法は、このICAOの基準を取り入れているそうです。
さらに、航空会社は
IATA=民間航空業界団体が発行するICAOの基準とほぼ同じ内容の自主規制で危険物のルールを定めているそうです。
そして、航空会社の中での危険物のルールは、国内線と国際線で微妙に違うようです。
なお、宅配業者の危険物のルールは、航空会社のルールと同じ物と想像できます。
航空危険物は、航空法、ICAO、IATA、航空会社&宅配業者の順で厳しくなっていると予想されます。
なので、宅配業者の回答は、「航空法で空輸できません」は間違いで、社内規定で禁止、もしくは航空会社の規定で空輸できません。という回答がおおむね正解だと思います。
宅配業者の社員さんもこの辺は、全員が理解していないようです。

ちなみに、危険物は絶対に空輸できないのか?
というと、そうでもありません、一定のルールを守れば、一部の品物の空輸は可能です。
たとえば、車やバイクはIATAのルールでは危険物ですが、ガソリンを抜いて、決められた手法で固定して、危険物ラベルをはり、書類を提出すれば、空輸可能です。
それをANAがスカイツーリングというバイクをライダーと一緒に運んでくれるサービスとして提供しております。
バイクに少量のガソリンが残っていても、航空法にもIATAのルールにも抵触しないそうです。驚きですね!
じゃあ、航空法の危険物ってなんなのよ?って話になりますが、航空法は第86条で(爆発物等の輸送禁止)を明記しているだけです。
航空法施行規則第百九十四条でもう少し細かく定義していますが、かなり大雑把
航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示、というもので、さらに細かく定義していますが、それもまだゆるい

たとえば、出光の自動車用オイル、見るからに「危険物」ですよね!
ところが、安全データシートをご覧ください。
http://www.idemitsu.co.jp/lube/msds/dl/pdf/30180163.pdf
IATAでも航空法でも危険物に該当しないと発表されています。
この自動車用オイルは危険物ではありません、とメーカーが公式に発表しているのです。
ハァ??????????
じゃあなんで、宅配便で空輸出来ないの???
それは、オイルにもいろいろあって、いちいち現場で安全性を確認できないので、航空会社もしくは宅配業者が、自動車オイルは「危険物」とひとくくりに決めているでしょう。
最終的には、宅配会社か航空会社の検査員や機長が、安全性を確認できない!と搭載を拒否すれば、法律うんぬん抜きで空輸できないのじゃないですかね?
その辺どうなんでしょう、国内航空貨物の危険物の取り扱いについて、詳しい方コメントください。
Posted at 2016/08/31 00:00:34 | |
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