2017年01月26日
動力伝達装置 " LSD " - カーメカノート41 -
こんにちは!
今日も、お元気でしょうか?
今回のメカ勉は、" LSD " ですっ ^^
□LSD ( limited slip differetial gear )
◇LSD ( limited slip differetial gear ) とは・・
差動制限装置のこと。 " リミテッドスリップデフ " ともいう。
車はカーブを曲がる時に内側の車輪と外側の車輪の軌跡の長さに
差(内輪差)が発生する。
外側の方が長い距離を回るから、外側の車輪の方が回転数が多くなる。
この回転数の差を吸収するために " デフ "
( Defferential Gear:デファレンシャルギア ) と呼ばれる
差動ギアが、どんな車にも、もれなく付いているんだ。
このデフの働きで、内側よりも回転数の多い外側の駆動輪に、
駆動力を多く配分し、スムーズにカーブを曲がれるようにしている。

画像の出典:差動装置 - Wikipedia
だけど、スポーツ走行やカーレースなどでは、コーナリングや
悪路を走行する時などで、片側の駆動輪が宙に浮いてしまうことが。。
この場合、デフの働きで、接地している方の駆動輪よりも、
宙に浮いている方の駆動輪に駆動力が配分されてしまうこともある。
とすれば、浮いた駆動輪が空転し、地に付いた駆動輪が回転しない!
前に進まない! という現象だって起きる。
これじゃ、コーナリング速度は低下し、悪路ではスタックする!( 汗 )
こんな現象を改善するためにも・・
デフの動作を制限( 作動制限力 )して、
駆動輪の空転を抑えようと装備されたのが、LSD なんだ。。
画像の出典:http://car-moby.jp/78069
LSDには複数の方式があるよ。
車の特徴や目的によって採用されるLSDの種類が異なってる。
まず、以下の2種類に分類。
○回転感応式
○ギアやクラッチを使う摩擦式
そして、回転感応式と摩擦式の中にもそれぞれ複数の種類が存在。
回転感応式は主に以下の2種類。
◎ビスカスLSD
◎多板クラッチLSD(機械式)
摩擦式には主に以下の2種類。
◎トルセンLSD(トルクセンシングLSD)
◎ヘリカルLSD
一般走行向けのクルマではビスカスLSD、
高性能なスポーツ車でトルセンLSDやヘリカルLSDが、
多く採用されている。
- トルセンLSD -
トルセンLSDはトルク感応式のリミテッドスリップデフ。
アメリカのグリーソン社の商品名となっている。
トルセンとは 、" トルクセンシング " の略語で、トルクを
センシング ( 検知、判別する ) が由来だ。
現在、ボッシュオートモーティブシステム社が技術提携して
生産している。
トルセンLSDの構造は、複数のギアを組み合わせて
各ギアの噛みあわせの抵抗と、デフケースとの摩擦力を
利用した仕組み。

画像の出典:http://car-moby.jp/78069
機械式LSDには劣るとされているけど、強い差動制限力を発揮し、
メンテナンスもほとんど不要というのはメリット!
トルセンLSDには、差動制限力の強い「タイプA」、
差動制限力の設定可能幅が広い「タイプB」、
センターデフ用の不等トルク分配式の「タイプC」、
オープンデフの内部にタイプCを内蔵したツインデフ
(フロントデフとセンターデフの機能の両方)などがある。
- ヘリカルLSD -
トルセンLSD「タイプB」に似た形式となるリミテッドスリップデフ。
すべて " ヘリカルギア " と呼ばれる形状のギアで構成。

画像の出典:http://car-moby.jp/78069
プラネタリーギアを左右不等形状として、
プラネタリーギアが、デフケースに不均等に押しつけられる力を
利用して、差動制限力を向上させる仕組みだ。
ヘリカルLSDの構造は、4個のロングピニオンギアと、
4個のショートピニオンギアと、2個のサイドギアで構成されている。
デフケースに組み込まれているピニオンギアは、常に噛み合っていて、
サイドギアの上を自転しながら公転する構造だ。
- ビスカスLSD ( ビスカスカップリング ) -
ビスカスカップリングの仕組みは、速度感応式で、
スリップする回転数に対応してトルクを配分するもの。
構造は、密閉された容器の中にドライブプレートとドリブンプレート
と呼ばれる板が、交互に組み合わされ、そこにシリコーンオイルを
容積の75~85%程度封入している。残りは空気。

画像の出典:ビスカスカップリング - Wikipedia
粘度の高いシリコーンオイルをせん断し、引きずる力を利用して
伝達トルクを生じさせる構造となっている。
ビスカスカップリングは、シリコーンオイルの粘性トルクを利用した
速度感応式カップリングクラッチなんだね。
スリップ速度が小さい時は、トルクが強くなり、
タイヤのスリップ感が少なくなる。
スリップ速度が大きい時は、トルク上昇が少なくて、
急な坂道だと、スリップが大きくなる現象が起きる。
ビスカスカップリング内部の温度が上昇すると
" ハンプ現象 " と呼ばれる、ドライブプレートとドリブンプレート
がロックして、トルクが大きくなるという特徴がある。
最近、ビスカスLSD式の4WDでは、通常は前輪か後輪かの、
どちらか強い方の駆動を配分して走行でき、滑りやすい雪道などを
走る場合は、前後輪に最適な駆動を自動配分するような
" ビスカスカップリング式 " が主流となってきている。
- 多板クラッチ式LSD ( 機械式LSD ) -
多板クラッチ式LSDは、リミテッドスリップデフに、
多板クラッチを内蔵した仕組み。

画像の出典:www.weblio.jp/content/カム式多板LSD
大きな差動制限力を発揮できるというメリットがあるけれど、
定期的なメンテナンスが必要というデメリットもあるんだ。
最近の車では、トルセン式LSD、ヘリカル式LSD、
ビスカスカップリングが多く採用されていて、
多板クラッチ式LSDは、旧式のものとなってしまい、
現在販売中の国産車で、搭載されている車はなくなってしまった・・。
**記事めも**
今回、学ばせていただいたウェブサイト様(記事の情報源)
" 自動車の役立つ知識 " by MOBY
B-Flora
1月26日 ( 木 )
おつかれさまでした。。
ブレイクしよ(=∵=)
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Posted at
2017/01/26 16:37:37
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