2016年03月07日
MT車で信号停止にシフトダウンは必要か?
たまに赤信号で停止する時に相手が初心者と見るや、MT車はシフトダウンをしたほうが良いと、(若干ありがた迷惑な?(^^;)アドバイスをされる方がおられるようですが、自分は公道で単に止まるだけならばフットブレーキで普通に止まったほうが良いと思っています:)
どうもMT車に乗るなら減速時にシフトダウンしてより強いエンジンブレーキを効かせるのが常識といった誤解があるのかもしれませんが、本来AT,MTを問わずシフトダウンは使うべきときに使うものであって、むやみに使えば良いというものでもないと思います。
信号停止程度でのシフトダウンはやらない方が良いと思う理由は以下のようなものです。
1.公道を走っている乗用車は圧倒的にAT車が多く、MT車の挙動を知らないドライバーも多い
AT車は基本高ギア状態でフットブレーキで止まるので、前を走るMT車がシフトダウンすれば変速のたびにブレーキランプがついたり、逆にいつまでもブレーキランプもつけずに変な減速をすると思われ、不要なブレーキを踏ませることになったり、いらいらさせたりと、車の流れのペースを乱す可能性があります。
MTに乗る機会の多いトラックドライバーもAT車の流れに合わせて負担になる発進・停止をできるだけ少なくする効率の良い運転をしているはずなので、MT車の挙動を理解はしてくれても褒めてはくれないでしょう:)
仮に、ブレーキランプの件にも配慮し、AT車のペースに合わせてシフトダウンできたとしても、それに何の意味があるのかよくわかりませんw
2.トランスミッション系を使う機会が多くなれば、それだけMT車の傷みが早くなる
フットブレーキのブレーキパッドは交換しても短時間で終わり、もともと一般的な消耗品ですから費用も安くすみます。一方、信号で止まるたびにシフトダウンするということは、(それがMT初心者であるならなおさら)そのたびにクラッチ板やシンクロメッシュ等が傷む機会を増やします。ミッションには自己修復機能は無いので、使うたびに傷みが蓄積され、ミッション系の交換時期が早まります。ミッション系パーツの交換は安くても数万円以上かかる大仕事なので、同じ車に長く乗ろうと思ったら、ブレーキパッドで十分な時はそちらにまかせるのがベストです。
3.シフトダウンすると乗り心地が悪くなる
3速や2速のようにエンジンブレーキが効くギアでは乗り心地が4速以上に比べて悪くなります。
同乗者がいる時など、赤信号のたびにシフトダウンしていては乗り心地が悪いので運転が下手だと思われるかもしれません:)
また、雑にシフトダウンすればエンジンの回転数が上がって五月蝿くなったりするので、同乗者はもちろん、まわりにとっても、できれば使わないほうが優しい運転になります。
4.エンブレを効かせ過ぎてアクセルを追加で踏む可能性もある
慣れている道で、赤信号丁度にシフトダウンして止まれても、初めての道でぱっと見わからない微妙な上り坂だったりすると、エンジンブレーキ過多で停止までの距離が足らずにアクセルを踏み足すことになるかもしれません。燃費にもよくないですね。自分の場合、特に後続車がいる場合など、アクセルを踏まずに早く停止位置まで行くためにエンジンブレーキを弱めるためのシフトアップをすることはあります。
まあ、大体以上のような理由で自分は公道の信号停止程度でのシフトダウンは全く意味が無いばかりか、デメリットも多いと思っています。
MT車で公道を走る時にシフトダウンが必要なケースは、例えば巡航状態で流れていた先が少し詰まってきて予めシフトダウンしておいたほうが運転しやすい時、先が上り坂でパワーが欲しいとき、先が長い下り坂でエンジンブレーキを効かせたい時、高速道路で車線変更したり、追い越しをしたい時、前の車が予想が立ちにくい挙動で走っている時、MT車の醍醐味を堪能できる山道、ワインディングロードなどで、こうしたケースではMT車の長所であるドライバーの意思によるシフトダウンを存分に使ってあげると良いと思います:)
もう一つ、エンジンブレーキをきかせて止まることは燃料カットが働く可能性が高くなるので、これ自体は利用しない手はありません。燃費を重要視するならフットブレーキはできるだけ踏まないほうが良いわけですが、問題は、そのためにシフトダウンをしたほうが良いのかどうかです。
燃料カットは一定回転数以上でアクセルが抜かれてエンジンブレーキが効いた状態で働くわけですが、これはアクセルを離してからエンジンブレーキで徐々に減速し、アイドリングが復活して車が自走する感覚が戻れば、そこまでの間燃料カットが効いていると思われます。
自分のムーヴの場合、燃料カットが働くのが1900回転くらいかららしく、時速40キロくらいで一番上の5速でも2000回転くらいで、そこでアクセルを抜くとゆるやかに減速し、やがてアイドリングの800回転くらいに落ちると自走する感覚が戻るので、そのあたりでフットブレーキを踏んで停止線前で止まるのが理想だと思われます。従って、燃費を気にするのであれば、できるだけアクセルを早めに抜いて惰性で走れるよう、先を見越した運転こそが重要で、予め適切なギアが選ばれていればそのまま止まり、予測と違ったら必要に応じてシフトダウンをすれば良いだけで、一律で必ずシフトダウンしなければならないわけでもないと思うわけです:)
まあ、車(エンジン)によってはシフトダウンして回転数を上げないと燃料カットが働きにくいものもあるかもしれないのでそういう場合は必要になるのかもしれませんが・・・
と、ここまで偉そうなことを述べてきた自分も公道で先が赤信号の時に無用なシフトダウンをしたりします(^^;
動機はヒールアンドトゥやダブルクラッチといったMT車特有の運転法の練習だとか、まわりに車や民家がなければ楽しいから・・・というわけで、できるだけ迷惑にならない範囲でMT車を楽しむためなら割とアリではないかと思います(^_^;
ですので、もし他人に赤信号でのシフトダウンを勧めるなら、MT車の練習になるし、楽しいから後続車がいない時にでもやってみたら?くらいのトーンにしていただけると良いかなーなんて思っています:)
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Posted at
2016/03/07 14:23:34
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