2024年03月04日
e-power と e:HEV、THS の違い論考
T33/e-powerに乗り始めて1年経とうとしてます。
このところはエンジン車という認識は全くなく、発電機が常備され電欠の心配がない「電気自動車」だと思って乗ってる感覚です。
発進時や加速時のトルク感はホント気持ちいいし、普段Bレンジで走ってるのでアクセルワーク時の減速感(回生ブレーキ)も、MT車の3速でエンブレ利かせながらキビキビ走っているような昔味わった感覚があり、これもまた楽しいです。
e-power車に乗るようになり、日本の優れたHVシステム、① e-power/日産、② e:HEV/ホンダ、③ THS/トヨタ、の違いをメカニズム的に興味を持って色々調べています。自分なりの感想をつらつらと…
① e-power/日産
・発電機が常備されてる「電気自動車」
・加速フィーリングの気持ち良さ、スムーズさを最優先
・BEV全盛時代を見越して、駆動系、四輪制御系、回生系の技術蓄積狙い
・発電専用エンジンの開発。熱効率50%、エンジン密閉、静粛性と小型化を追い求める
・高速燃費が悪い。駆動バッテリーが大きく車重があるので全体燃費も悪くなる
・高速走行を割り切ってる(エンジン直結すると駆動系が複雑になり、将来を見据えた駆動系の電動化と戦略がブレてしまう)
→ 将来を見た電動化に振り切った戦略はお見事
→ ただ、燃費が犠牲。そのイメージが付いてしまって他の良いところが評価されてないのも残念。
② e:HEV/ホンダ
・現行のエンジンラインナップを使っての電動化(新開発はしない)
・市街地走行は電気自動車感を楽しめる。スムーズで力強い走り
・高速燃費を稼ぐためエンジン駆動の直結機構を組み込む
・高速時はエンジンで走るので、大容量な駆動バッテリーは不要。半面、容量が小さく頻繁に発電用にエンジンが回る。騒音と振動が常時発生
・エンジンで高速走行するためのトルクが必要。熱効率は上げられない
・エンジンの駆動直結が必要になり密閉型にできず。騒音と振動が発生
→ 現行のエンジンを生かす作り。静粛性や振動、騒音は割り切る
→ 良いとこどりともいえるが、裏返すと中途半端ともいえる
③ THS/トヨタ
・エンジンの効率が発揮できる部分は、最大限エンジンを使う
・モーターは発進時と加速時のアシストに専念
・他のHVを引き離す燃費の良さが最大の特徴
・複雑な機構ゆえ電動部分とエンジン部分が切り離せない。将来電動化一本になった時にTHSのノウハウがほぼ活きてこない(BEVは別物)
・エンジン走行での効率最重視のため、電動走行のスムーズ感や静粛性、力づよさは得られない
・エンジン自体も効率重視のため、伸びやかさがなく息切れ感も多い
→ とにかく燃費が最重視。燃費気にする顧客層/マーケットにはウケが良い
→ 走りのスムーズさや静粛性、振動は二の次。良くも悪くもトヨタ車
T33はVCターボであり、V6/3000cc クラスのパワーと滑らかさを得られます。それだけでも低速から高速まで力強く走れるので、エンジン直結モードがあってもよさそうですが、結局のところ、複雑な機構が増える上に、静粛性も振動も犠牲になり、得られる燃費効果はわずか、と判断しているのかもですね。
気になるのは、モーター走行専用の変速機が付くかどうか。欧州だと200km/h走行も必要になるので、2速DCT とか付けるようにならないでしょうか?
高速域に対応できれば、欧州用には200km/h 速度域も対応しつつ、日本国内には100-120km/h時の高燃費が実現できそうですけど。
また、Sパッケージは e-power を全廃して、北米ROGUEで採用されてる2WD エンジン車(VCターボ専用)の設定にしてしまえば面白いのに。
X と G パッケージが e-power/4WD 専用。
Sパッケージは重たい駆動バッテリ、発電機、インバータ、モーターをすべて外して車重を300kgほど軽くし、VCターボエンジン車にしてしまえば、290万円くらいで販売できそうですけど (笑)
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Posted at
2024/03/04 19:31:21
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