洗車場 キャメル
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洗車場
深夜ともなれば全く人気の無い、何ともうら寂しい畑地の一画にそびえ立つサインポール。
「洗車がラクだ」のキャッチフレーズを引っさげて相模平野に君臨するその洗車場の名は―
キャメル。
近隣住民にもあらゆる意味で有名なスポットとなっている当地はコインランドリーも併設しており、閑静な田園地帯に立地するにも関わらず、夜間帯になるとシャコタン系やVIP系など、どこからともなく品の良いカーマニア達があたかも誘蛾灯に群がるかの如く集まって来るという。
先人曰く、「悪の巣窟」。
このように評される当スポットは、路面の亀裂やそこから伸び放題の雑草を見るにつけ、殆ど廃墟なのではないかと見紛うまでに荒廃しており、敷地内の溝蓋が無くなっている、「お湯出ます」と表記されている温水が出る筈の水道(有料)が一向に冷水しか出て来ない、地べたに放置されている洗車スポンジが無料で使用出来る、或いは洗車グッズ自販機に肝心の値札が無い、そして―ダメ押しの如く、ナンバーをもぎ取られた廃車のクラウンアスリートワゴンが空気の抜けたテンパータイヤとともに放置されている、といった具合にとてつもなく治安の悪いクルマらのオアシスと化しているさまは、21世紀も四半世紀が過ぎた現在にあって今なお昭和時代、そして世紀末都市を連想させ、何から何までないない尽くしである事甚だしい。
このキャメルという洗車場、何と自前のホームページを有しており、それによればかつては芸能人も頻繁に訪れたようである。
そんなキャメルがこうなった要因のひとつとして決して無視できない存在が、近隣にもう一ヶ所存在するライバル洗車場である「ジャンボ」の存在であろう。
その敷地はもちろん、設備類も全て現代人の価値基準に合わせて大変綺麗に整備されており、休日ともなれば幸せそうな家族連れや健全なカップル達が洗車に精を出す光景が見られる。
そこに、キャメルのように退廃的な空気は一切見いだすことは出来ない。
キャメルが悪の巣窟であれば、こちらジャンボは善人の集まりといったところか。
この違いの成立要因として考えられる事は、ジャンボの敷地にはその出入口にシャコタン車では踏破出来ぬ逞しい勾配を設けてあり、この対策により悪人の侵入を強固に阻み、治安の悪化防止を図る事で至極健全な洗車場であることに成功しているという側面がある。
以上の事由により、キャメルが藤沢屈指の悪の巣窟へと変貌を遂げたものと小生は愚考する次第である。
この何とも冴えぬ昭和のヤンキー臭を色濃く遺すキャメルという洗車場。
真実を述べると、この洗車場が大のお気に入りなのである。
何故かは小生まさあべにも解らない。
むしろ本来洗車場というものはこういう殺伐とした場所であるべきだ、というステレオタイプから脱せぬノスタルジーに過ぎぬのかも知れない。
それでも、小生はキャメルに通う。
奈良からここまでの距離は少々遠いため、例えここで洗車をしても、奈良まで帰って来れば再び洗車を要する状態となっている事は残念であるが、洗車という行為よりもキャメルという洗車場に通い詰めることにこそ意味があるのである。
前述の洗車グッズ自販機により回数券プリペイドカードの購入も検討したものの、肝心の値段が表記されていないという致命的なアクシデントによりこの度は一旦購入を断念した次第であるが、今後この洗車場は先発ローテーション枠の有力な一角としてレギュラー入りして来る事は確実視されるものと思われる。
その意味では回数券プリペイドカードはキャメラー必携のアイテムとも断言出来よう。
是非とも入手しておきたいマストアイテムである。
キャメル。
大の男ですら危険を感じる人気の無い場所であるという事実にも一切動じず「女性に人気!」と断言する電光看板。
「アルカリイオン水使用!」と誇らしげに謳うものの真相は闇の中に葬られた水道設備類。
素人には決してお薦め出来ないとっておきの場所、キャメルは今日も我々の興味を惹き付けて止まない。
住所: 神奈川県藤沢市遠藤4628-7
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