
天気予報によると今夏の猛暑日は9月中旬まで、真夏日は10月中旬まで続くそうです。
ノーマルシートのロードスター(俗に言う ND6.5の ND5RC)に乗っていますが背中の蒸れ・暑さを何とかするために昨年9月から取り組んできました。
このたび完成し、昨年バージョンよりも数倍涼しくなったのでここにまとめます。
(整備手帳は下書き保存ができないのでとりあえずブログにまとめ、整備手帳には後日載せる予定です)
1 ロードスターのシート
ノーマルシートはけっこう気に入っていて、1日700kmぐらい走っても腰痛にならないしサーキットに行くわけでもないのでホールド性能も自分には十分。
唯一の弱点は背中の通気性と思います。
通常走行では、暑くなるにしたがって 幌だけオープン → 窓もオープン → 窓を上げてエアコン使用 → 幌を閉めてエアコン使用 の順に対応していますが、外気温が30℃台後半になってくると幌を閉めてエアコンを入れても背中は蒸れてしまいます。
2 背中への送風 Ver.1
昨年9月にブロアからチューブで背中に送風するものを作りました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/260936/car/3246732/7943496/note.aspx
しかし風量に満足できず今夏になって大型のファンに換えたり(5V 75mmΦ → 12V 97mmΦ)、チューブを換えたりしました。
それでも結果は期待したほどではありませんでした。
3 背中の空気を抜く
他の方の「背中に人工芝マットを敷く」というアイデアを見て送風だけでなく排気にも配慮したシステムに換えたところ劇的に快適になりました。
もちろんチューブ類の口径の最大化をふくむ風量の確保にも留意しました。
構成は ダクト付きシロッコファン → 25mmΦホース →(接合用に32mmΦホースと25mmΦホースを10cmほど使用)→ 6mmΦストロー → 6mmΦチューブ → 6mmΦストロー + 人工芝 です。
以下に製作手順やポイントを記していきます。
4 製作記 -1 ファンの選定
ファンはamazonで購入したバーベキューの火起こし用のもの。
電源は USB 5V。
先端の丸いダクトと風量コントロールスイッチが付属することが重要です。
1,000円台からあります。
97mmΦだとダクト外径が33mm前後になるので、ダクト外径が26mm前後となる75mmΦファンが扱いやすいと思いました。
電源は助手席後方のリアストレージボックスに設置した自作フューズボックス内の12V-5V変換素子(アマゾンで購入)から取っています。
動作時の電流は 0.62Aでした。
今回使用したファンはやや特殊で、USBの5Vをスイッチ部で 12Vに昇圧しているらしく、ファン本体には 12Vの表示があります。
5 製作記 -2 ファンからの導風
ファンは運転席後ろの床に置くので、ファンのダクトには60cmほどの耐寒透明ホースをつなげました。

巻きぐせは約 80℃の湯に浸けてから逆向きに反らせるとほぼ取れます。
ダクト外径が26mmならホースの内径は25mm、ダクト外径が33mmならホース内径は32mmです。
緩い場合にはダクト側にテープ類を巻いて調節します。
これはホースどうしを接続するときも同様です。
ホースは10cm単位の切り売りで、Φ25が本体@35円、Φ32が本体@45円前後でしょう。
このホースは、ロードスターの場合シートバックのファスナーを開いてシートバックの中を通します。

なお、透明ホースは接続部でも使うので長めに購入しておきました。
6 製作記 -3 ホースの先~シート
Ver.1 ではホースの先に観賞魚の水槽用チューブ(たぶん内径 4mm)を、75cmを7本、95cmを8本の計15本入れていました。
これだと空気の通り道に対してチューブの肉厚が暑い - 送風抵抗が大きいと考え、ダクトには 6mmΦのストロー12本をマステでまとめたものを差し込むようにしました。
Φ6mmのストローを10cmずつ12本用意します。
飲み口の蛇腹部分は使いません。
3本で三角形を作りその外側に3本ずつ並べ全体をマステでまとめておきます。

(ここに写っている白いマステはすべて剥がしています)
今回使用したチューブは内径6mm 外径8mmの灌水チューブ(黒色)です。
近隣ではカインズ、DCM、ロイヤル、コメリにはなくスーパービバホームで購入。
(コーナンはノーチェック)
これを 3m購入し(10cmで 本体@15円)25cmずつ12本に切り分けます。
似たものには耐寒透明ホースの内径 6mm(三洋化工製は外径 9mm、旭化成製は外径 8mm)があり、多くのホームセンターで扱っています。
巻きぐせがついていたので、ハリオの耐熱ポット(夏の麦茶用)に入れて80℃の湯に浸けてから逆向きに反らせました。
表面処理がとれて滑りが悪くなるのでベビーパウダーやファンデーションなどを軽く馴染ませると扱いやすくなります。
今回は片栗粉で代用しました(笑。
ストローをチューブに差し込み、さらに32mmΦホース(10cm程度)に差し込んで空気の漏れ防止のためにアクリル両面テープと不織布(コンビニのおしぼりを活用)で巻きました。
テープ類は暑さで粘着材がべとつくことを考える必要があります。
チューブ側をシートバックの背面側から入れると同時に前(運転席)側から首の部分の穴に手を入れて引き出します。
この穴が狭く、内部の曲がりがきついので太いホースのままでは無理なのです。

(この写真は昨年バージョンのもの)
出てきたチューブの先端は向きがばらつくので、適当なPPシートなどで挟んでおきます。
今回は6列 x 2段にしました。
チューブは長さも揃っていないので、先ほどとは別に用意したストロー12本をそれぞれ差し込み、10cmぐらいに揃えて切ります。
7 製作記 -4 排気のための人工芝
人工芝はホームセンターの園芸コーナーではなくカーペット・タイルコーナーにあります。
ウォームグレーのものは近隣ではロイヤルとカインズにあり、1枚 150円前後でした。
先端が曲がっているためチクチク感はまったくなし。
2枚つなげてシート形状に合わせて整形すれば座面に置くだけで大丈夫そうだし、1枚をヒモなどでシートバックから吊る方法もありそうですが、位置調整をしやすいように今回は乗るときに背中に挟むだけにしました。
ただこの状態だと乗降する際に煩わしいのでそのうち緩く固定するつもりです。
横幅は背もたれ上部の幅に合わせてカットしたので長方形。
走行中に人工芝を背中に挟んで窓を開けると風が抜けて涼しく(特に右側)感じます。
ただし窓を閉めてエアコンを入れたときは風が抜けません。
また、人工芝の厚さが運転中の違和感につながることは否めません。
そこで裏側の突起のほとんどをニッパで切り落としました。
ストローを人工芝の下に入れるか上に出すかで実際に違いを試したところ、上に出すとストロー周辺の狭い範囲しか涼しくないと感じたので、ストローの上に人工芝を載せています。

人工芝の裏側の突起を一部残したのはストローが少しでもつぶれないようにするためです。
8 製作記 -5 スイッチの固定
今回使用したシロッコファンの中間スイッチが固定しにくい形状だったので手持ちの金属板を加工してスイッチホルダーを作りました。
ケーブルを挟む部分の切り欠きが広すぎたのでマステを巻いて調整するなど、とにかく適当ですがあとで上からカーボン風シートを貼ったりするので今回はこれでいきます。
9 概算費用など
・シロッコファン本体 1,200円(現在は値上がりしているようです)
・ホース Φ25mm x 1m 400円
・チューブ 6x8 25cm x 12本 500円
・ストロー 24本 110円
・人工芝 1枚 150円
・USB-A延長ケーブル 110円 計 2,500円
・その他 両面テープ、マスキングテープ、養生テープ、ギボシ、圧着スリーブ、熱収縮チューブ、金属板などは手持ちのもの。
・使用工具 ハサミ、カッター、ニッパ、ラジオペンチ、電工ペンチ、コンベックス、定規、ライターなど一般的なもの。
ロードスターと違って後席がある車両ではホース部分をチューブに置き換えたり、そもそもシートの構造によってチューブの取り回しが変わってくるでしょうが、シロッコファン + 人工芝 は背中の蒸れ対策としてかなり有効だと思います。