続・24年前のCG

さて、約四半世紀の間に自動車のパフォーマンスはどれくらい上がっているのでしょう？

84年5月号のCGテストデータ中、最もパフォーマンスに優れた車は意外にもフェラーリではなく、78年にデビューしたBMW M1でした。3.5Lの直6エンジンは277馬力。それをミドに搭載し、1300kgの車体を下記の数値まで引っ張ります。

BMW M1（81年）　0-400m　13.4秒　0-100km/h　5.4秒　最高速260.5km/h　燃費4.7km/l

M1は当時のまさにスーパーカーなわけで、わずか3.5Lでこの加速力は対したものですが、その分ガソリン消費もまたすごい。一方、今のテクノロジーをもってすれば3Lのツインターボでそれ以上の性能が手に入れられます。同じBMWの335iクーペは306馬力。ただし1600キロを超える車重が災いし、加速性能ではM1に幾分及ばないもののこのテストデータが6ATであることを考えますに、7DCTであればM1を超えられるかもしれませんね。ちなみにV8の4.0LになったM3クーペの場合、M1とほぼ同一の加速データ（0-400mは0.1秒遅い）を叩き出します。

BMW 335iクーペ（06年）　0-400m　13.8秒　0-100km/h　5.7秒　最高速250+km/h　燃費7.9km/l

ではフェラーリはどうかというと、最新のデータはBB512iと308GTBクワトロヴァルヴォーレのものでした。

フェラーリBB512i（84年）　0-400m　14.3秒　0-100km/h　6.3秒　最高速266.1km/h　燃費4.0km/l
フェラーリ308GTB4v（84年）　0-400m　15.3秒　0-100km/h　7.5秒　最高速240.5km/h　燃費5.6km/l

このBB512iの数字。じつはZ33とどっこいどっこいなんですね。その下に84年のZ31のデータも載せておきます。BB512Iは車名のとおり、5Lの水平対向12気筒エンジンを積み、出力は340馬力。一方、Z33は3.5LのV6で280馬力にすぎません。

フェアレディＺ Ver T（03年）　0-400m　14.4秒　0-100km/h　6.3秒　最高速-km/h　燃費6.6km/l
フェアレディＺ300ZX（84年）　0-400m　15.5秒　0-100km/h　7.9秒　最高速-km/h　燃費5.2km/l

そしてもっと驚かされるのが308GTBクワトロヴァルヴォーレ。加速性能ではなんと、われらのR56型クーパーＳがほぼ互角の勝負を挑みます（残念ながらR53はちょっと及ばない）。フェラーリのエンジンは3LのV8で出力245馬力。車重も軽いはずなのに何ででしょうね。

ミニ・クーパーＳ（07年）　0-400m　15.2秒　0-100km/h　7.5秒　最高速223km/h　燃費10.3km/l

とまあ、25年の間に量産クーペやホットハッチがスーパーカー並みの性能を持ってしまったんですね。しかも燃費性能を上げながら。これってすごいことですね。