2012年12月06日
前回に引き続き、代車ADのインプレ。前編に続き後編です。
【運転席にアクセス】エンジンを掛けてみると?
まず、キーレスでロック解除。うん、さすが国産車。感度も良いし、アンサーバックも付いて便利。おまけに施錠・解錠ボタンが押しやすい。ホント、ルノージャポン謹製のコブラキーから見ると羨ましい限りですね。。
で、キーをひねって始動。そこでメーター周りに目をやると、、あまりに質素でビックリ。提供される情報が、警告系を除けば「速度」「オドメーター/トリップメーター」「燃料計」だけとは。
それにしても、何かが足りないような…あっ、ATであればシフトポジションインジケータ(P/R/N/D/2/1のどこに入っているか)が無い。
さすがにそこはケチらないで欲しいな…4速ATなのでO/DのON/OFFだけはさすがにメーター内に表示されますし、Rに入れたときはチャイムが鳴るのですが、とはいえ、Dか2か一瞬どちらだっけ?という時こそセレクタレバーを目視しないといけないのは安全性としてどうなの?
あと、声を大にして言いたいのはパーキングブレーキ。
ADにもついに足踏み式パーキングブレーキの波が押し寄せました。これもセンターコンソール部分の前半分にはドリンクホルダー、後ろ半分にはビジネスバッグが置けるように、という機能を優先した結果なのでしょうか。
ミニバン全盛のご時勢、収納スペース確保を優先した結果、パーキングブレーキも足踏み式という車種が多いですが、この傾向は残念ですね。それに足踏み式を採用する以上、MTの設定が無くなるのも頷けます。
北海道に住んでる方ならご存知の通り、この寒い時期は駐車時にパーキングブレーキは使いませんよね。長時間引いておくと凍結して出発時にも解除できなくなりますので。
「それなら、別にパーキングブレーキを使う機会が無いのなら、特に問題ないんじゃないの?」と思ったアナタ、それは早計です。その解説は後程。。
【ドライブフィール】運転すると?
実はお借りした際に「ウインカーとワイパーが逆になりますので気を付けて下さいね」と言われました。輸入車オーナーであれば同意いただけると思うのですが、既に「左:ウィンカー/右:ワイパー」に慣れている状態でも、いきなり国産車に乗り換えても、意外とすぐ「右:ウィンカー/左:ワイパー」に順応できてたので、今回もタカを括っていたのですが、実は何回か間違えてウィンカーの代わりにワイパー動かしてしまいました(汗
まだ街乗りしかできていませんが、まず感じたのが、意外と乗り心地が良いこと。商用車は荷物を積んだ状態に照準を合わせる分、空荷だとポンポンとリアが跳ねるのかと思ってましたが、そうでもないです。
あと、エンジン音が静かで加速性能も十分。とはいえ、リアタイヤ周りからのノイズ侵入は大きめなので全体的な静粛性はそれなりかな。そして、ATのフィールは国産車にありがちな、巡航時には殆どエンブレが利かない、という嬉しくないセッティングです。ここはチョイ古ルノーにありがちな、引張り気味のセッティングがありがたい。
そして、ルーテシアさんとの違いを強く感じたのが、パワステのフィーリング。
ルーテシアさんも日産から電動パワステの技術を取り込んだおかげで、操舵力は相当軽いです。片手でもクルクルとステアリングを回せるくらい。そして、このADもこれまた相当軽いです。ルーテシアさん以上かも?しかし、両者には決定的にフィーリングが違いました。それは直進安定性。
ルーテシアさんの場合、直進時には指を軽く添えていれば変な遊び無しに勝手にまっすぐ進んでいく感覚なのですが、ADだと直進してても、いま前輪がまっすぐなのかちょっと左右に振れているのかの感覚がヒジョーに掴みにくい。その結果、私はステアリングを微妙に左右に振っては微修正を繰り返してしまい、落ち着きの無い感じになってしまいました。あと、右左折時のステアリングの戻りが、ルーテシアさん以上に弱く感じました。この辺はいずれも慣れの問題なのかも知れませんが。。
そして翌日。ちょうど、札幌市内は大雪に見舞われた後でした。
どうでしょう、新川通のツルツさルピカピカに磨かれたこの路面状態!!一年のうち最も路面が滑りやすい時期になってしまいました。
新川通と北24条通りとの交差点は軽くアップダウンしてますが、行き帰り共にそれぞれ大型トラックが斜面を登れなくて立ち往生してしまい、渋滞を引き起こしてましたね。。。
でも、、さすが4WDだけあって発進時はスリップせずに余裕余裕。この瞬間だけは4WDのオートマは楽で良いな、と気の迷いが生じます(笑
しかし、住宅街の細い路地に入ろうと左折を試みた瞬間、ちょうどその場所に限ってツルツルMAXの状態だったらしく、ステアリングを切ってもノーズが全然左を向いてくれない。
そこで私は反射的に左手をセンターコンソールに持って行き、サイドブレーキを引こうとしましたが、その場所にサイドブレーキはありません。と気付いて、アクセルをちょっと踏み増ししました。4WDなので後輪が駆動してくれることで、何とかしてノーズの向きをINすることができました。
…私が先ほど、足踏み式パーキングブレーキを懸念していたのはこういう状況を想定してたからです。
手で引くタイプであれば微妙な利き加減が調整できるので、サイドターン(※参照)として使えるのですが、足踏み式だとON/OFFしかできないので、使えないんですよね。
そういう意味において、もしセンターコンソール部分の収納を確保したいなら、せめてサイドブレーキが無理にせよ、足踏み式ではなく、昔のトラックや1BOXにあった「ステッキ式」(懐かしい...)の方が100倍有りがたいです。
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【※雪道におけるサイドターン=サイドブレーキを使用したターン】
私は決してアスファルト路面でドリフトするテクは持ってません。
しかし、雪道においては狭い路地でのUターンなどでサイドブレーキを引くことで回転半径を小さくするテクは持ってます。これはノーズをINに向けやすくするためのテクです。
コンフォートやクルーといったFRのタクシーであれば、アクセルをあおるだけでも簡単にクルンと向きを変えますが、これと併用されることもあります。
ただ、それって安全運転のテクニックとは違うんじゃないの?と言われると反論できません。基本はあくまで「速度を可能な限り落としてステアリング操作もゆっくり」が肝要と思います。
なので、この運転方法が万人向けというわけではないです。
Posted at 2012/12/06 03:35:32 | |
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