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ポルシェという車に対して、勝手なイメージを抱いていました。
ポルシェはスポーツカーというイメージがあり、SUVにしても俊敏なステアリングや、
思うがままに振り回せるライトウェイト的な乗り味の車だろうという印象を抱いて
いたのですが・・・。

実際に乗ってみると、上質な実用車という印象を受けました。

過敏な部分はひとつもなく、すべてが滑らかで穏やか。
ほんの少しアクセルを踏み、これくらい加速して欲しいと言う自分の感覚と、
車の反応にほとんどズレがなく、感覚に寄り添った反応が返ってきます。
1㎜単位でアクセルが反応するといわれるのはこのことでしょう。

アクセルだけでなく、ブレーキやハンドル操作、身のこなし、乗り味と全てに
渡って感覚に寄り添っていて、興を削ぐような反応は皆無。この自然な快適さ
に慣れてしまったら他の車に乗るのは難しいと感じます。

なるほど、ポルシェに乗った人はずっとポルシェに乗り続ける
というのはこういうことか、と納得してしまいました。

ただし、あまりに全てが良く出来すぎているので、短時間の試乗では
良さが見えにくく、拍子抜けするかもしれません。

あくまで外見が全て。オシャレな雑貨的なキャラクターで、
中身は最低限の機能を備えていれば良い、という商品企画が随所から
感じられます。

その割り切りのせいか、せいぜい30㎞圏内の日常の足として
は快適。それ以上の距離を走るのはパワーがないせいもあって
ともかく疲れるという印象でした。

見た目のキャラクター性は十分なので
マイルドなターボでパワーを補って、もう少し走りに振ったグレードがあると
男性でも欲しいと感じる車になるかもしれません。

一泊二日でモニターしました。
東京→山梨（市街地、中央道での高速道路含む）利用状況です。

急速充電30分-80％充電だと約200km程度走れます。
宣伝の400キロというのが頭にあったので、やや肩すかしでした。
（100％充電でも260km程度とのセールスさんの言葉あり）

とはいっても、初代よりも着実に進化、航続距離も向上しています。
感覚的には初代の三分の一程度の充電間隔でしょうか。
日常の足としてならば、この性能で十分。

進化の反面で、ややちぐはぐさを感じたのも事実。
マーチクラスのコンパクトカー（基本は町乗り、時々郊外へのドライブ
のような用途メイン）でこの性能ならば文句は出ません。

しかし、やや大柄なリーフの図体だと、普段は町乗りメインでも
高速を使って遠出したくなります。遠出の際はガソリンエンジン車を
借りれば良いのでしょうが、電気自動車の運転感覚や、低速から湧き出るパワー
感を味わってしまうと、高速も電気自動車で走りたくなるのがもどかしい。

80パーセントの充電で、高速道路でも最低300kmは走って欲しいという感想を持ちました。
（とはいうものの、それで充電時間が伸びるというのも考えものですが・・・
30分の充電で300kmなら文句はありません）

なんやかやと言われることの多い車なので、多少穿った気持ちで乗ってみました。
やはり車は自分で運転してみないと解らないモノ。ともかくすべてがスムーズです。運転感覚から、身のこなし、室内の気遣いまで含めて、ストレスフリーな感触で全てが貫かれているので驚きました。これは売れるはずだと納得してしまいました。

想像以上にオールマイティな車でした。通勤からデート、サーキットまで、適切な走行モードを選んでおけば、どんな場面でも文句は出ないのではないでしょうか。この多面性こそが昨今のスポーツカーに求められるモノなんでしょうね。