さて、順調に進んでまいりました、スバルR-2「とりちぇんとせさんたえっせえっせ」計画ですが、かなりマズい事になってしまいました。
確か
前々回、車体にカッチョいい赤いストライプを入れたのですが、この記事の最後に、このストライプが
「思わぬ悲劇」を巻き起こすと書きました。今回はまず、そのお話。
あのストライプを入れたのは、まだ梅雨の真っただ中の6月。予想以上に派手な仕上がりに、道行く人に「えっせえっせだじょー」と自慢したい欲求を必死に抑えながらアホ面こいてハイマー号をバビーンと走らせておったのです。
そんなある日、洗車をするためにマグネットシートを剥がして、びっくり仰天、オノロイタ。
なんと、シートが貼られていた辺りの塗料が所々、まるで蚊に刺されたようにボコボコと浮き上がっているではありませんか!!
私のハイマー号は、以前のオーナーの一人が全塗装しなおしているようで、トランクルーム内部の色とボディカラーが違うのですが、この新しい方の塗料がやたらと厚塗りで、割れているような個所もあります。恐らく塗装の仕方としては褒められた仕上がりではないのでしょう。
で、そのあまりうまくない塗装と、梅雨の湿気と、気温と、さらに塗装内部の熱を逃がさないシート、といった要因が重なって、原理はよく判りませんが、錆だの細かな凹凸だので塗料が浮いていた部分の空気が膨張して、表面をボコボコにしてしまったのです。
はっきりいって、これを発見したときは目の前が真っ暗になりました。
あー、やっちまった、やっぱり金かけずに楽してストライプ入れようなんて考えるのがイカンかったんだ、キンカン塗ったら治るかな? いや、ムヒか? そーだ、ムヒだ。ン、マテヨ、傷にはマキロンか? それよりも爪で十字に印付けたら引っ込むかな? っていうか全塗装っていくらだ? いっそ全部剥がしてトリノレッドに塗るか? あるいはルパンのチンクみたいに褪せた黄色か? やすりで削ったら治るかな? あるいはもっと取り返しのつかん事になるんじゃないか? うーむ、もう一回上からシート貼って「無かった事」にしちまおうか。でもそれで状況が悪化したらシャレにならんし…そーだ、マッキーで丸く囲んで矢印引いて「シャレでーす」と書いてしまおう、そうすればシャレになる。よーし、マッキーは何処だ?
――などと物凄い勢いで頭が回転しておりましたが、結局「シート剥がして放置」という全く建設的じゃない措置を行いました。
数日後、塗料の浮きはウソのように引っ込みました。空気の熱膨張って怖いですね。
こう言った経緯から、短命でしたがストライプは撤去します。
で、ここからが本題。六月某日、こんなものが届きました。
相変わらずキッタネエ畳です事。
予てより欲しかった、アノ一品です。
そーです、パラレルワイパーです!!
――ン? ぱられるわいぱあ? ソレってのは例えば、街のパーマ屋行って「アイロンパーマ」頼んだら、店主が面倒がってカミソリでスキンヘッドにされた挙句に雑なモップみてえなカツラ持ってきてニカワで接着されるっていう…つまり「貼られるアイパー」――などとワケワカメな想像を逞しゅうしている皆様に説明いたします。
パラレルワイパーとは、ワイパーのブレードが直立しており、それらがシャフトによって連結されることで、運転席前方の雨水を効率的にぬぐう事が出来る…かどうかは別問題として、とにかく見た目がメカっぽくてカッチョいいワイパーなのである!!
ホラッ、こーゆーのですよ。
これが我がスバルについたら…うーん、カッコイイ!! 一気に戦闘的な見た目になるに違いない!!
しかし、問題がいくつか浮上します。以下列挙。
①パラレルワイパーが本来の動きをするためには、ワイパーの根元の感覚とシャフトの長さが等しく、平行四辺形を形作らなければならない。しかし、購入したものは飽くまでミニ用であり、当然ながら長さが合わない。
②ミニのワイパーアームとR-2のソレとは、取付方法が異なり、そなままポン付け、という訳にはいかない。
③ウチには切断、溶接、といった加工が可能な設備はおろか、そもそも技術がない。もっと言うならカネもない。ワイパー買っちゃったんだもん。
嗚呼、目の前が暗く…。
こういう時には!!
神よ、英知を!!
「愚かなる子羊よ…。汝は汝の持てるものすべてを用い、その問題に立ち向かうべきじゃ」
おお、カミサマ、イメチェンはやめたのですね!! で、よーするに何も考えが無いからとりあえずがんばれ、ってことですね。
つーことで頑張ります。
まず問題③は、行き当たりばったりで解決しましょう。まず立ちはだかるのは問題①です。どうやってピッチを合わせるのか…。
やっぱり、安物の金鋸で気合で切断して…いや、でも結構高かったんだよな、このワイパー。ミスったらヤだよな…。うーん、でも切らなきゃ始まらないし…。切るしかないのかなあ。
切ろう。
涙をのんでシャフトに歯を入れます。 ぎーこーぎーこー。
何度か長さを合わせて微調整して、よし、切れた!!
で、どうやって繋げようか。
ああぁッ!! 貧血ぅ…。
とりあえず近所のホームセンターに行って、何か都合のいいものを探すことに。そして奇跡は起きるのですが、コレは後述。
次に、問題②。これにはまたかなり悩まされた。電工用のロータリースイッチのつまみをスペーサー代わりに使う、という乱暴な手段も考えましたが、ここは思い切って、セット内容のメッキアームを捨てる、という我ながらに思い切った決断で解決。
しかし、R-2のアームは若干太いため、このままではシャフトが取り付けられない。かといって、原状復帰が可能なことを美徳とする(つまり不具合があったらすぐに戻したい)私にとって、純正のパーツを削る、というのはできない相談です。
そこで、純正アームの上にイイ感じの太さの金属棒を添わせ、こちらにシャフトを結合させる、という手法によってこの問題を打開しました。
今までにない壮絶な苦悩を乗り越えて着いたパラレルワイパー。結局構想に1か月かかってしまいました。
では、その感動の仕上がりをご覧あれ!!
好いッ!! 好いぞッ!! 素晴らしく、好いッ!!
ハッキリ言って、視界は悪くなったし、ふき取りの範囲は限定的だし、晴れてても結構目障りだし、でデメリットしかないような気もしますが、しかしそれらを犠牲にしてもなお余りあるくらいにカッチョ良くなりました。
では、気になる取付の詳細ですが…。
まず、シャフトとワイパーアームの連結方法はこんな感じ。シャフトに丸棒を添わせ、蝶ナットで固定。そしてその丸棒とシャフトを繋ぎました。
そして、ぶった切ったシャフトの方は…。
ホームセンターで見つけたイイ感じの内径の金属パイプに差し込んだら、イイ感じに固定できました。奇跡です。奇跡は起こるのです。ホントに上手くいくとは思わんかった。
さて、こうして躍起になって怒涛の仕上げをしたのには訳があります。実は去る7月某日にとあるイベントに出展したのですが、それに間に合わせたい、という魂胆があったのです。
つーことで、次回はそのイベントの模様をお伝えします。
~おまけ~
すっかり忘れていたけれど、後日、再度シャフトと丸棒の長さを調整して、向かって右側の「グニャリ感」を解消しました。