やってしまった。
完全にやってしまいました。今年最後のチキりとして、タイヤ、ブレーキ、ハブダンパーをすべて交換してしまおうと企てていました。しかし、その作業を半分、いや、半分にも満たない時点で諦めざるを得ない状況に陥ってしまいました。マズい、これは非常にマズい。
実は1月3日にチャーリー号を見せびらかしに行く、という非常に不純な予定があったのですが、それに間に合うのだろうか。今回の記事は、とっても残念な記録です。
冬はつとめて…とか抜かした間抜けはドコのドイツだ、責任者出て来い!! と叫びたくなっちゃうほど寒く、風の吹きすさぶ板橋。私は大荷物を抱えて駐車場へ行きました。
タイヤ交換。別に今のタイヤがダメになったわけじゃないけど、長い間放置され、空気が抜けた状態になっていたタイヤはところどころ劣化しており、ひび割れもありました。オシャレは足元から、というように、新品のタイヤを履かせて新年を迎えさせてあげよう、と思い、今回は行動を起こしました。
どうせタイヤ外すなら、とついでに足回りの消耗品も一新してしまいます。
タイヤはミシュランです。ミスター・ビバンダムも笑顔で手を振っています。タイヤ屋さんのキャラクターがタイヤのお化けってのも安直ですが、輪っかをいくつも連結させたこの大入道、フランス人のセンスは外角高めのボール球の様な気がします。
因みにコレは初期のポスター。
「僕の下腹部を使ってよ!」
困っている人にタイヤを与える、というアンパンマンのような心優しい怪物です。生意気に葉巻咥えてます。
…やっぱり変態です。
ハナシを戻しましょう。さらに、足回りのパーツですが、ブレーキはあの「デイトナ」のものを使います。
なんたってデイトナであるからして、きっといいものに違いないのです。だってデイトナなんですよ。ホラ、フェラーリとかロレックスにも「デイトナ」ってあるじゃん。だからすごいんだよ。…詳しいことはよく判らんけど。
それからハブダンパー。
このゴムの塊は、加減速時に駆動輪にかかる衝撃を和らげてくれます。早い話が、ガックンガックンなるのを防ぐのです。
では早速、タイヤを外しましょう。まずは後輪からです。後輪は外すのが非常に面倒で、後回しにしたら組み付け時に厭ンなっちゃうだろうという事を見越して、先にやってしまいます。
コイツらがどのようについていたかを覚えてないと、恐ろしい事になります。まあ、見ればわかりそうなものですが。
とりあえず外しました。重心が前にあるため、メインスタンドで自立します。ただ、組み付け時にスタンドが押されて跳ね上がり、2度ほど潰されました。ンもう痛いのなんの。っていうか学習しない男です。
ブレーキドラム内はパーツクリーナーできれいにしておきます。ブレーキシューの削れたのが結構ついています。
ひっくり返すとハブダンパーがついています。結構劣化して割れていたりします。
ン? なぜこんなところにホイールの塗料が付いているのだ? 思えばこれは、後の悲劇の前奏曲でした。
予想外なことに純正のハブダンパーには突起がついていました。
ここの穴に差し込むことでしっかりとホールドされていたようです。うーむ、こうなっているからにはそれなりの理由があるのでしょうが、無視してもいいのだろうか。かといって、純正部品を買い直す気もないし、そもそもカブ用として売っていたのを買ったのだから、深刻な症状を引き起こすこともないでしょう。
見てない見てない、知らない知らない。あんな突起なんて最初ッから無かったんです。自分を納得させて装着。証拠隠滅です。
ブレーキもだいぶ汚いですね。
こちらも全部外して清掃。
で、組み付け。バネに若干てこずりましたが、この後の作業に比べたらまだまだかわいいものです。
さて、では本日のメインイベント。タイヤの卒業式です。
まずはタイヤレバーを差し込んで、一気に行きます。
それでは、ホワイトリボンタイヤの退場です、ご列席の皆様、拍手でお見送りください。
3
2
1
せーのっ
エイ!!
ヘニョッ!!
エェェェェーーーーーッ!!
タイヤレバー弱ッ!!
結局ここまでヘナッヘナになりながら、1時間かけてタイヤを外しました。とんだ粗悪品をつかまされたものだ。っていうかどう見てもこれ、100円ショップで売ってる自転車用でしょ。くそー気付くべきだった。
しかしもっと信じられない、奇跡体験アンビリーバボーな光景がそこにはありました。
…何故リムバンドが塗料で着色されているのだ?
チャーリー号に手を入れているうちに、薄々感じていたのですが、前のオーナー殿は発想力と度胸と溶接技術はかなり素晴らしいのですが、
それ以外の要素に関してはあまり頓着しない性格だったのかもしれません。
なんにしても、リムバンドくらい外して塗装しましょうよ…。一反木綿がC-3POのコスプレしたみたいになってるし。
で、最初の悲劇。塗料のせいなのか何なのか判りませんが、リムバンドを触ると、劣化というよりも風化していたのか、ボロッと切れてしまいました。誰がこんな事態予想できたでしょうか。私は予算をケチって、タイヤをちょっといい奴にする代わりにチューブとリムバンドは使いまわそうと考えていたので(アレ、最初にカッコつけて「足回りの消耗品も一新」とか言ってなかったっけ)、替えなんてありません。こいつは一体どうしたものか…。
また、ホイールの塗装が案外弱く、レバーを当てたところが剥げてしまったので、リム側面を剥離することにしました。恐怖の剥離セット(剥離剤&ハサミ)です。
金のホイール(しかもラメ入り!!)は少々下品であまり気に行ってなかったのですが、リム側面を剥がすことで、クロームと金ラメのツートンに。より下品度が増してしまいました。
なんだかんだで作業開始から2時間半。ようやくタイヤをリムに嵌めていきます。この時点で寒さと疲れが限界です。ずっとしゃがんで作業していたので腰がもう…。
曲がったタイヤレバーで悪戦苦闘すること数十分。うわさに聞いた結束バンドを使った嵌め込み法なども試しつつ、ようやくハマりました。
削った塗料の粉で随分と汚れてしまいましたね。
やっぱりホワイトリボンは無い方がすっきりしますね。特にビンテージ・スポーツを目指すのであればなおさら。
さて、こうして後輪が完成、かと思いきや、空気を入れる際に最大の悲劇が発覚します。何故か空気がスッコンスッコン入っていくのです。不思議です。やっていれば無限に入ります。きっとこのチューブは四次元に繋がっているんでしょう。そうとしか考えられません。この秘密を解明して来年はノーベル物理学賞をとります。もう一つの可能性は考えたくありません。でも認めないわけにはいかないのかもしれません。
…パンクしとる。
ぬおおおおお!! 今までの作業は一体何だったのだあ!!
くそ忌々しいタイヤレバーとリムバンドめ!! 貴様らのせいに間違いない!! 私のノーベル賞をどうしてくれる!!
しかし困った。新しいチューブとリムバンドを手に入れられるお店なんか近くにないし、タイヤレバーもちゃんとしたの買わないといけないし…
「いやー、困ったぁ…」
などと御前様になっているバヤイでもないぞ!! これはマズい。とりあえずタイヤレバー3本とリムバンド、チューブをそれぞれ2本ずつ、Amazonで注文しました。明日(12月29日)中に届くそうですが、実は私、12月30日から1月2日までの4日間はお仕事なのです。なので、仕事前に急いでやらねばならんのです。
なんだか、毎年年末になると厄介ごとに見舞われる気がします。なんにしても3日には間に合わせないと!!