<お詫び>
今回の記事はエラく冗長になってしまったため、1分で見終わる短縮版を整備手帳の方に公開いたします。お忙しい方、ホワイト・ウォール化する手順だけを知りたい方、あるいはそれ以外のすべての方は、そちらの閲読をお勧めいたします。
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ホワイト・ウォールというものに強く惹かれます。タイヤの側面を白く塗ってある、アレです。アレがあるだけで、車体の印象がクラシカルかつ高級感あふれる感じになるだけではなく、足元がなんかこう、引き締まったように見えるんであります。
そういえば、かの有名なモダンアートの巨匠、グレゴリー・J・ボイルストンも、晩年にこういっております。「白が、より白くいられるのは、そこに黒があるからである」。パステル調から打って変わって、木版画へ転向した彼の後期の作品は世界中でも高い評価を受け、特に『胡蝶のゆらめき』シリーズや、『二色による空間分離』は、美術の教科書に載せられているほどです。
また、中世の哲学者ハーベル・ミッヒェの『夜半過ぎ』にも「…人間とはいかに相対的思考を持った動物であろう。犬や猫は絶対的価値観に基づいて本能的に行動をするが、人間の価値判断基準は常に相対的である」と述べています。人は絶対的なものを持たず、常に潜在的に「アレよりもコレ」という考え方をしてしまうものです。
――ええと、何のハナシだっけ? そうそう、とにかく黒いタイヤに白があれば、それだけで、今風に言うならば「めっちゃバエるよね?(使い方あってるのだろうか)」という事です。ついでに言いますが、先ほどのグレゴリー・ナニガシだの、ハーベル・ソレガシだのはすべてデタラメです。そんな人この世にはいませんので、ご注意ください。知ったかぶりはできないものです。
私のチャーリー号のタイヤは只今絶賛劣化中で、遅かれ早かれ交換するべきなのですが、そこでカブ用のホワイト・ウォールタイヤに履き替えようか、と検討しております。しかし、そういったおしゃれアイテムは結構値が張るのです(他の車両に比べたら安い方ですが)。そのような高級品ゆえ、試しに買ってみてやっぱり似合わなかった、となったらシャレになりません。シャレにならないからして、とりあえずマイクロソフト・ペイントで実験してみました。
こんな感じでしょうか。うーむ、このままだと実感がわかないなあ。やっぱり写真の上にマル描いただけだと、そこだけ妙に浮き上がっちゃって、完成イメージととしてあまり役に立ちません。
そんな時にこんなページを発見しました。
エッ、マジですか? そんな事が出来るのであれば、もういっそ事ホワイト・ウォールにしちまいましょう。ナーニ、たとえ失敗しても、あるいはチャーリー号に似合わなくても、新しいフツーのタイヤ買えばいいだけです。よーし、そう来れば、さっそく実践です。情報元のdentaneさん、勝手にパクらせていただきます。お許しください。
使用いたしますのは、塗装のノリを良くするスプレー『ミッチャクロン』です。これは
以前の記事で探し求めていた『アレ』でございます。それに絵筆(「アレ用のアレ」)、マッキー(「アレの補修用のアレ」)、そして、タイヤを白くするための塗料、『アクリルガッシュ』です。噂によると、このアクリルガッシュはタイヤを塗る以外に、例えば絵を描くためにも用いられるそうです(ツッコミ待ち)。
まず、パーツクリーナーでタイヤを脱脂。
実はこの前にタイヤ全体をや掏摸掛けして表面を荒らしておいたのですが、写真に撮り忘れました。
次にミッチャクロンをブシュー。
似たような画像になってしまいました。こいつを手に入れるために東奔西走したので、ついつい愛着がわき、「ロバート君」と名前を付けてしまいました。「ロバート・ミッチャク」…くだらない。
ミッチャクロン…じゃなくてロバート君が乾くまでコーヒー・ブレイク。懐かしの
ハイマー号タンブラー。久々に使いました。
さて、一服終えて塗装に入るのですが、その方法が…。
まずアクリルガッシュをニョリーッと出して
恐怖の筆塗です。塗り方のコツとしては、真ん中に濃いめの塗料を出して、端の方は筆の穂先(という表現はちょっと違うかな)を寝かせて横に動かす感じです。画像ではガッツリはみ出したり、リムについていたりしますが、乾かないうちなら濡れたウェスでふき取れますし、後にサインペンではみだしを埋めるので気にしません(にしても雑過ぎたと反省してます)。
それにしても、かなり地味な作業です。15センチほどに区切って塗って、タイヤを回す…という工程。しかもタイヤを抱きかかえるように、ひたすら塗っていきます。
うーむ、しかし、ホワイト・ウォールは女子受けがいい、って聞きますからね(誰から?)。きっとホワイト・ウォールを見たら、世の容姿端麗なるご婦人方が集まってきて、「…抱いて♡」なんて(記事中に女性蔑視とも取れる表現があったことを深くお詫び申し上げます)…
バカなことを考えていたら雨が降り始めました。塗料は乾くまでは水に弱いので、カバーをかけて待機します。
シェーッ!! ツールボックスとして使ってる革製トランクが、水玉模様になってる!! 乾いてもこのシミは残ってしまいました。
雨が上がって塗装再開。駐車場の裏手には高校の体育館があるのですが、そちらからは女子生徒が準備体操をする声が聞こえてまいりました。ウーム、女子高生って、無条件にヤらしいよな…(記事中に女性蔑視とも取れる表現があったことを深くお詫び申し上げます)。きっとあの壁の向こうでは、容姿端麗なる女子生徒がピンクのレオタードなんか着て(何の為に?)柔軟体操であーんな姿勢やこーんな姿勢を…
ショエェェ!! バカなこと考えとったら、手に思いっきりアクリルガッシュが!! 仕方がないので一旦筆をくわえて、ウェスで拭きます。で筆を持ちなおそうとした時にあることに気づきました。
マテヨ、この唇に着く感触は…。急いでミラーを除くと、そこには恐怖のクチビル真っ白男が!! 唇にアクリルガッシュ心に拳銃…なんて言ってるバヤイじゃない!! す、すぐさま拭かないと。そーだ、このウェスで…ドワァッ!! 口の中に広がるピカールと錆落としと泥の豊潤なフレーバー。 ンもう人間やめたくなっちゃいます。
そんなこんなで後輪を塗り終え、前輪を塗り始めます。後ろの体育館からは、ダムダムとボールをつく音。なるほど、バスケットボールの授業か。そーか、バスケか。バスケと言えば走る、投げる、跳ねる…そーなると乳が…そう乳がッ!!
ダアアア!! バカなこと考えておったら、膝でアクリルガッシュのチューブ踏んでおった!! モッタイネエ!!
地面を天然のパレットと考えて、汚れていない部分を筆ですくってぬりぬり。
うーむ、塗り終わったはいいけど、ところどころ雑な仕上がり。こういったはみ出た部分は…
油性ペンでキュキュッと修正します。
キュッキュッキュッキュ…。気が付くと、授業の時間が変わったのか、後ろの体育館では何やらダンスをしているようです。そういえば、今は授業のカリキュラムで、体育が選択制になり、ダンスがその中に組み込まれている、と聞いたことがあります。そーか、ダンスか。このダンスっていうのも、所謂ポップ系の結構激しいものらしく、さっきから洋楽のポップスが聞こえていきます。曲名は分かりませんが、やたらとシェイキンシェイキン言ってます。
ふーん、シェイキンシェイキンか。シェイキンっつーことは当然飛んだり跳ねたり…。するってえと、乳が…そう、乳がッ!!
ダハーッ!! バカなことを考えとったら、モロに書き損じてもーた!! 仕方がないので、この上からさらにアクリルガッシュで補修の補修をすることに。これぞまさに「恥の上塗り」。
そんなこんなで、似非モノホワイト・ウォールが完成。気になる出来栄えは…。
ハイッ。なんとなくアメリカン。やっぱり白がキレイすぎて浮いてしまってますが、まあ、そのうち汚れてなじむでしょう。遠目で見る分にはいびつなところもあまり目立ちません。それに、タイヤってのはたいてい回転してるので、回ってしまえば歪んでいるのも関係ありません。
最後にローアングルから一枚。こうやってみると、なんだか原付には見えませんね。チャーリー号がますます正体不明になりました。
それにしても、今回の記事は下品な記述が多いな…。いったいどーしちまったんだろう。まあ、バイク乗りってのは、ブコツでガサツでなおかつゲヒンなものですから(決して本気で言ってるわけではないですからね。念のため)。ただ、私はまだバイク乗りではないんですけどね。