そういえば前回の記事の最後に『次回は原状復帰編です』とか書いたっけ。
でもさ、よく考えたらその前の前の記事くらいで車検適合のためにパーツ戻してるんだから、わざわざ同じ工程を逆順序で書き直す必要ってないよね。
前の状態にしっかり戻しました。つまり、ヘッドランプとワイパーとミラーを交換して、フロントバンパー外しました。
フロントバンパーって、外すのは簡単なのね。2年後に泣きましょう。
で、前回の記事にもう一つ、なんだかワタクシの体に謎の『ビョーキ』が発覚したということを書きましたが、これについてはまだ詳しくは書けない(自主規制的な?)ので、別の話題。
実は、別の子にヒジョーにチメー的なビョーキが発覚しておりました。
なんだかここ数年くらい、話題に上らなかったカブのチャーリー君です。
じつは、電装系統がイカレて、そちらの記事になりようもない地味な作業(よーするに電線を外して新しいのをつなぐ作業。一番キライ)でかなり影が薄くなっとったんですが、急な仕事やら用事やらその他モロモロやらで、進捗に遅れが出ておりました。
でようやくバッテリー繋いですべての電気系統が復活した、と思ったら、コリャマタとんでもない事態が発生しました。
題して…
『カブ水没怪事件』
電装が生き返り、バッテリーも充電し、ガスも入れて、いざエンジンをかけようとしたら、なんということでしょう!!
キックが降りない!!!!
なぜだ!!
キミはサードに入れて地面を引きずるだけでも一発で押し掛けができたはずじゃないか!!
同じ手順を踏んでも、後輪はただロックするだけ。
ちなみに私よりも体重が20キロ重いオヤジにキックさせてみたけれども、「SR400(オヤジの愛車)よりも重い」と言われました。
何かがおかしい。
確実に。
キックが降りないということは、エンジンに何らかの瑕疵があるに違いない。
とりあえずプラグを外してみます。エンジンに一番近いのはプラグです。
プラグを見れば、エンジンやキャブの状態がわかるかもしれません。
プラグを見れば…。
水が出てきました。
…ああ、これは『水没』だ。
はっきり言って原因はわかりません。どうしてエンジン内に水が入り込んだのか。マフラーから入ったとすれば、スバル君に何の影響もないのは説明がつきません。
しかし、大雨でプールになったり、隣の家が全焼したり、どういうワケか汚泥と犬猫の糞と粗大ごみが集まってくるパラノーマルな駐車場では、何があってもおかしくないのです。
エンジンかあ…。
エンジンねえ…。
コワいよね、エンジン。
だって、なんかシロートが踏み入れちゃいけない領域って感じすんじゃんか。
だいたい、産業革命起こしたのだって、蒸気の力とはいえ、構造的にはやっぱり同じエンジンな訳で、ラッダイト運動とかで労働者が暴れてぶち壊して回ったって、世界史の先生が言ってたもん。
理論は何んとなーくわかるの。4ストロークの場合、吸気・圧縮・爆発・排気ってんでピストンが2往復するたんびにこのローテーションが行われてるらしい。つーことは、1分間に6,000回転(6,000r/pm)である場合、爆発の回数は1秒間に50回。
ヤバくね?
だって、これって4スト単気筒の計算だぜ?
かつて2ストローク2気筒で9,000回転くらいまで引っ張るバカみたいなバイクがあったと思うんですが、そうなってくると、爆発の回数は分間で9,000回×2の18,000回だから、1秒に300回。
ええと、しかも手元の資料によると、そのバイクは1気筒当たり125㏄の排気量があるわけだから、その時点でカブ君の2.5倍のパワーの爆発をやらかしとるワケだ。
さて、男性諸君。想像してみてくれたまえ。
あらゆるライディングポジションでも共通する(一部のサーカスやスタントを除く)股間とエンジンとの位置関係を。
よっぽど優れた整備士の手によるメインテナンスでない以上、はたして、諸君の股間の数十センチ下で行われる爆発運動に、運命を預ける気になるだろうか。
私はならない。
だってこわいもん。
テキトーな事やって男性的象徴を失いたくないもん。もっともっと使いたいことが(以下自粛)
でもさあ、なんかできそうな感じするんだよね(男性的象徴の可能性の話ではない)。
だってえ、カブってさあ、自転車屋のオヤジみたいなのが作ったバイクでしょ?
吊り下げ式エンジンだから、確かにエンジン買ってきて取り換えれば何とかなるでしょう。
でもさあ、それってつまらないじゃん。
っていうか、余ったもうひとつのエンジンって、さすがに不燃ごみの日に回収してもらえないでしょ。
じゃあ、バラすべ。
で、ダメだったらエンジン買えばいいんだし。
カブのエンジンって安いもんね。たぶん。
とりあえずカブ君の外装は可能な限り外します。寒そうです。
タンクとキャブも外しました。 ほぼチャリです。さすがチャーリー号。
『HONDA』とか書いてあるカバーの下にエンジンを止めているボルトが隠れているので、外します。ボルトとかナットとかが8ミリだったり10ミリだったり14ミリだったりするので、なんかイラつきます。
キックペダルの裏側にブレーキのバネがあるので、これも外します。
バネを外す作業は必ず何処かケガをするので、あまり好きではありません。

外れたのはいいんだけど、ブレーキのバネにはもう1本、ブレーキランプを点灯させる際にスイッチとなるバネが引っかかっていました。「バネonバネ」です。
ココに繋がるということを覚えておかねば。っていうか、塗料がいろんなところについていますね。さすがハケ塗り。
で、あとはこの2か所のボルトを外すとエンジンが外れてしまうんですが、ここで怖気づいた。
――もしかして、エンジンってすっげえ重いんではなかろうか…。
持ち上げられないような重量で取り返しのつかないことになったらどうしよう。
カブの総重量って70キロくらいだっけ。
じゃあエンジン50キロはないよなあ。
20キロくらい?
コメ2つかあ。
中腰でコメ2つはつらいなあ。
やだなあ。
辞めちゃおうかなあ。
いやいや、ここまでやったんだから、もう後へは引き返せないっしょ。
でも、ボルト2本を外しながら、エンジンを抑えるには腕が1本足りません。
どうしよっかあ。
つーことで、小一時間考えてできたのが次のような作戦。
エンジンの下にウマをかませる。
バカみたいな答えです。
まあ、よく考えたらたかだか50㏄のエンジン。アメリカのチェンソーだってもうちょっとデカイはず(偏見)。だから、エンジンの下になにかガラクタのようなものを置いて、落ち着いてボルトを外せば何とかなるでしょう。
図にするとこんな感じ。
うーむ、実にシンプル。
で、実際にやってみると…。
取れたわ。
すっげー軽かった。
なんか知らんけど5キロくらい?
フツーに持てます。
バカみたいな話だけど、バカなんだからしょうがない。
次回、エンジンをばらしてみます。
結構シャレにならん事態でした。