ハイマー号のブレーキがイカレたことは
先日の記事にて報告いたしました。その原因が判明したのでご報告。
本格的な原因の究明にかかったのは先週の土曜日。取り敢えずジャッキアップ(ホントは油圧ジャッキとしっかりとしたウマが欲しいのだけど、金欠ゆえに車載ジャッキで行いました。でも、オークションを見ると富士重工純正の車載ジャッキの方が高かったりします。売っちまおうかな)し、フロントをばらす。しかし、こちらには特に異変は見られませんでした。すると原因はリアと言う事になります。
で、リアをばらそうとしたのですが、ドラムがナカナカ外れない。ものすごく頑固なのです。オヤジと協力して何とか小一時間奮闘しましたが、外れる兆しナシ。もしかしたらリアだけは何か特殊な組み込みをしているのかもしれん、と言う事でこの日はいったん撤収して、いろいろと調べてみる事にしました。
構造が同じであろうスバル360の整備をしていらっしゃる方のブログを拝見するに、つまりはドラムが固着しているだけである、という至極単純な答えを導き出した我々は、次の土曜日に再び『リアドラムブレーキばらし大作戦』を展開しました。タイヤを手で空転させたときの抵抗の大きさから、リア右側にアタリを付け、バラシにかかります。
前回は「ドラムが外れないのはきっと、特殊な取付金具によって強固に固定されているからだ」とビビッて途中で諦めたのですが、今回は違います。「固着してるだけじゃねぇか、バカヤロウ」と立川談志的な意気込みで気合を込めて引っ張ります。引っ張ったんです。引っ張ったのですがやっぱり抜けない。さてどうしましょう。ブッ叩きましょう。
つー事で、CRCスプレーを注入しつつ、シャフトの部分にゴムハンマーでシャフト部分にゴンゴンと振動を与えながら、引っ張ること3分、段々とドラムが浮いていき、ようやくに外すことができました。それにしても、スペアタイヤをウマにしてるとはいえ、車載ジャッキで支えているだけなのにこんなに振動を与えるのは自殺行為ですね、ハイ。
さて、ドラムが外れたと思ったらそのまま目が点、でした。ドラムを抜いたとたんにブレーキシューがバラバラ。それだけならまだしも、ついでにライニングまでポロリ。どうなっとるんじゃ、このクルマ。
でもこれですべての合点が行きます。先日の記事で書いたように症状としては、ブレーキの踏み込み具合のムラ、タイヤ回転数に合わせてフットペダルが振動、と言ったものが挙げられますが、これは想像するに、ライニングがドラム内で剥がれ落ちたことが原因でしょう。これによってブレーキを踏んだ時に、シューとドラムの間にライニングが噛んだり噛まなかったり、さらには遠心力や熱によってドラム内側にライニングが張り付いてシューが不安定になったりしていたのでしょう。
原因が判ってひとまず安心…ってワケにはいかないわな、コレは。こんな古い車のブレーキシューなんて交換が効くモノなんか? もしかしたら「この規格のシューは生産が終了云々…」でどうしようもないんじゃないのか? 汎用品ってのがあるのか?
調べるのも面倒なので、専門家に聞きに行くことにしました。実は近所の町工場で、ドラムブレーキのシューをやたらと積み上げている所があります。前々から気になっていたのですが、今回ワラにもすがる思いで(失礼だっつーの)訪ねてみました。
工場の目の前まで来るとさすがに緊張しまして、「もしも作業中のおじさんがコワい人だったらどうしよう」とか、「声かけたら怒られないだろうか」とか、「噛み付いてこないだろうか」などという考えが去来しましたが、勇気を出して「すみませ~ん」と声をかけました。
土曜日と言う事もあって作業をしていたのは50代(の気がしたけど60代かもしれない)のおじさん一人だけで、彼はよく判らん機械を止めてこちらに応じてくれました。そこでバラけたブレーキシューの現物を見せ
「ドラムブレーキのシューなんですけど、ライニングが剥がれちゃって…。これって、貼りなおすにはどういった所に行けばいいんでしょうか…?」
「・・・。」
沈黙。おじさんはジッとこちらとシューを見比べている様子。ヤバイか、ヤバイのか? やっぱり噛み付いてくる方の人だったのか? 若干後ずさりし、逃げる準備に取り掛かろうとしたところで彼は口を開いた。
「・・・んとね、ライニングを新しく貼り付ける事は出来るけど、剥がれちゃった方のライニングはどうにもならないよ。やっぱり、シューに焼き付けるんで新しいのをつけないと」
「そそそそそうですか!! はい、じゃあ、ドコの何処がどういった所でその作業をやってもらえるんでしょうか?」
「んと、ウチでもやることはできるんですが、今日は土曜日なんでね…。やっぱり平日じゃないとそういった作業はやらないんですよ、やっぱり」
「そうですか、やっぱりそうだったんですね!? じゃあ、やっぱり平日にまた来ます」
「…んと、もしくはお預かり、という事になるんですが、それでもよろしければ、やっぱりその、こちらで預かって後日お渡しと言う事になりますが」
「それでしたらぜひお願いします!!」
「・・・んでも、やっぱり時間の方が少々かかってしまって…」
「構いませんですぅ!! 因みにどれくらいかかるので?」
「窯に火を入れないといけないから…大体早くて2,3時間…」
「早いッ!!」
「それとやっぱり費用の方なんですが…」
「どどどどれくらい、おいくら万円かかるんで――」
「…一つにつき…せんえん――」
「安ッ!!」
「――ですから二つで…やっぱり2,000円、に消費税が付きます」
「でしたらぜひ、ぜひお願いします!! ええと、何かその、注文受付表のようなものは…?」
「んでしたら、やっぱり…えぇと、こちらのノートにお名前をお書きください。そして出来上がりは…やっぱり月曜の昼過ぎになりますので、またお越しください」
「おおおおお、お願いしますッ!!」
と、いう事で近所の町工場の「ヤッパリおじさん」にブレーキシューを託して帰ってきたのでありますが、やっぱり話してみるモンですな(おじさんの喋りがうつったか、やっぱり)。
で、本日昼過ぎにオミヤゲ持って出来上がった(筈の)現物を受け取りに行くのですが、その出来栄えは如何に!?
後日報告いたします。
Posted at 2016/09/12 10:27:53 | |
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R-2(ハイマー号) | 日記