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半振暮銀のブログ一覧

2016年11月29日 イイね!

富士重工ステッカー

 お台場旧車天国の前売り券に付いてきた金券。コイツを何に使おうかと思っていると、グッズショップのテントに『金券使えます』の文字を見つけました。
 その店に、「ブリヂストン」だとか「プリンス自動車」と言った類のステッカーが売られているのが見えたので早速入店。

――で…



 買ってきました。いくら探しても「丸フ」マークはありませんでした。しかし、こんなステッカーが1,200円もするなんて…。幸いにも金券が2枚、1,000円分あったので200円で買えましたが、フツー定価じゃ買わないよな。せいぜいが500円と言ったところ。

 なーんて愚痴っていても仕方がないので早速ぺたりんこ。


 リア・ウインドウに素敵なアクセント。ホントはこの位置に『スバルR-2』のステッカーを貼りたいのですが、中々売ってないので我慢。
Posted at 2016/11/29 22:43:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | R-2(ハイマー号) | 日記
2016年11月28日 イイね!

クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑

 また旧車イベントに行ってきました。この日は夕刻から用事があった為、昼間の時間帯に写真だけ撮りに行った様なものでしが、中々に面白いものでした。



 真っ先に写真を撮ったのは、シトロエン2CV。実は近所に2CVに乗っておられる方がいるのですが、その方の所有する個体はかなり後期の方のチャールストン。しかし、今回出展されていたのは1955年製のモノ。 何が違うって、内装がまったく違う。チャールストンはモケット張りのしっかりしたシートがついていますが、こちらのシートは鉄パイプにハンモックです。確かクッションは輪ゴムじゃなかったかな。
 ただ、その内装を撮ろうとしたら中でオーナー様のお子さんがエクレアか何かを頬張っていたので撮影を断念。ダッシュボードからニョキッと生えてるシフトノブも見ものでした。



古いアルファはまさに芸術品。「ALFA-ROMEO MILANO」のエンブレムが輝いております。




この車を見ると無条件にサイモン&ガーファンクルの『サウンド・オブ・サイレンス』です。



 サンビーム。ベル・エア風のテールフィンが素敵。


 フィアット600が居ました。R-2の父親違いの異母兄弟...って、まったくの他人じゃないか。他人の空似ってヤツですかね。まさかパクリ、じゃ無いよね、ウン。


 フォード・エドセル。『アメリカン・グラフィティ』に登場しましたが、個人的にはロバート・ゼメキスとスピルバーグのコンビが『Back To The Future』の前に撮ったコメディ『Used Cars』に登場したものがツボ。
 確か、車屋のオーナーと共に土葬に臥された後に掘り起こされて、無理矢理(オーナーの死体を乗せて)変電機に突っ込ませて大破、荼毘に付されるという散々な役目でした。
 ちなみに、このクルマは本日の目玉で、コックピットに乗って写真撮影ができる、と言うものでした。エドセルの他に、三代目T-バード(4人乗りセダンがタルガトップを格納する事で2人乗りオープンになるヤツ)、そしてディーノ246といったラインナップがありましたが、生憎行った時には「一時休止」状態でした。こっそりディーノのクラッチの重さを確かめようと思ったのに、ちぇっ!



 乗ったら間違い無しにモテるコルベット。やっぱり、3代目までは文句なしにカッコイイ。4代目は…『特攻野郎 Aチーム』のテンプルトン・ペック(フェイスマン)が乗ってたから許す。



 ベレGは国産車の中でもかなりランクが高いです。やっぱりお尻が良い!! (←どこのヒヒオヤジだッ)

 さて、一通り見たかな…ん!?
 ムムム!! あそこに何か怨念のようなものを感じるぞ!! ワシの妖怪アンテナがビンビンに立っておる!! (←場所が違えば大変なシモネタです)



 おお、アレは!!



 R-2よ、こんなとこにも来ておったか!! それにしても何でイベントに来るのは決まってSSなんでしょう。やっぱりハイマー号で乗り付ければよかったか。



――さて、そんなこんなで展示を抜粋しましたが、このイベントにはもうひとつのアトラクション『CCC(=Classic Car Circuit)』があります。これは、一週100メートル程度の周回コースを展示車両が走る、というものですが、かなり近くをクルマが通り過ぎるため、元カメラ小僧たちが大興奮の趣でご自慢の一眼レフを構えます。
 そんなCCCの第一走目は、『同時代コレクション』的な趣向で、'59年式キャデラック・エルドラド、ミニMk-1、そしてどういう訳かホンダN360でした。
 時代的に揃えるならば、スバル360が妥当な線です。なのに何故か10歳も若いNコロ。コレには裏がある!!
 勝手な妄想を巡らすに...2ストエンジンはうるさい上に煙モクモク→そんなら4ストのほうが上品→欧米の完成された車と並べるに遜色ないのはやっぱりホンダでしょ!!→だったらミニっぽいからN360にしましょう…という流れがあったに相違あるまい!! うぬ、許せん!!

 そんなこんなでCCCスタート。



 エルドラドはフレームに収めるのが精一杯。本当はコーナーのアウト側から撮りたかったけど、イン側の展示車両を見てる間に閉じ込められました。



 スライド・ウィンドウ&外ヒンジのミニ。可愛さを超えた風格があります。英国人に長年に渡って愛されてきたこのシェイプ。リンボウ先生がべた褒めしてました。



 我が永遠のライバル、N360。R-2の本来のターゲットはコイツでした。しかも憎い事に音も静かで、ケムリも出ない。クソゥ、お上品にスまして走りやがって、たかが360の分際でッ!! (←自爆)
 しかーし、なんとこのNコロ、走行中にハプニング!! ずーっと低速、低回転で走っていたのが祟ったのか、周回ラスト2週目でカブらせた模様。
「ザマーミロ、上品ぶってシズシズ走るからイカンのだ、サブロクはサブロクらしくバタバタ走っておればいいのじゃ、ザマーカンカン河童の屁ッてんだ!!」
 と、下品なことを思いつつ、途中リタイアしたNを見送ります。で、何食わぬ顔をしてコッソリ展示ブースに戻った所で
「アレレ、N先輩、もう帰ってきちゃったんですかぁ? ボンネット開けてプラグ磨かなくて良いんですかぁ?」
 と心の中で追い討ち。訳の判らん所で「勝った」気になってしまうスバルオーナーの巻。


 まあ、こんな感じで今回のイベントも楽しく過ごしました。カメラのデータを見てみると、色んなクラシック・カーや高級車があった中で、写真を撮っていたのは一部の大衆車ばかり。こんな所にもワタクシの性癖が如実に浮かび出るのです。
Posted at 2016/11/28 11:24:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | R-2(ハイマー号) | 日記
2016年11月26日 イイね!

ザ・ライバルス

 SMAP終焉のカウントダウンが迫っておりますが、ちょっとした危惧があります。
 仲居=オンチ=正広や、夜闇のチン座男チョ・ナンカン別名:草薙剛、そしてマヨチュッチュ香取慎吾といった面々はバラエティの司会をやっているし、森君はバイクに乗っているし、で安定しておるのですが、SMAPの裏番長こと木村拓也氏は、あまりバラエティに単独で出ているイメージがありません。専らドラマ方面で頑張っておられるのですが、そのクールかつ一部謎に包まれた性質…コレって、福山雅治で代用が利くんじゃないかと思うのです。そう考えると、『Mr.Brain』<『探偵ガリレオ』と云う例も想起出来ます。
――と、全く関係ない話を挟みつつ、また「旧車天国」のお話。

 このイベントには、ほかの車イベントにありがちな、高級車、スーパーカー、珍車、と言ったいわゆるキワモノの他に、見る者のノスタルジーを搔き立てる『昔の大衆車』が多く出展されております。50年前の資料映像や、『三丁目の夕日』に出てくるような車です。
 中でもワタクシが惹かれるのがサブロク車。やっぱりサブロク乗りとしては気になる所。つー事で、ポンコツカメラのデータに残っていたサブロク車を一挙公開。前回の記事と被る物があるのですがご了承くだせぇ。




 先ず外せないのが、我がハイマー号の姉貴分、スバル360です。デメキン、ポルシェ356風(多分)、ヤングSS、と言った面々がおりました。R-2と360が同じ店で同じ値段、同じコンディションで売ってたら、迷うことなく360を買ってたことでしょう(コラコラ)。
 なんたって『前開きドア』が魅力。某“熱中”ドラマの『刑事編』で水谷豊が乗ってた、あの感じが好きです。ホラ、あのドアが閉まらない~、ってヤツです。ジグザグ~気取った~…俺は一体何歳なんだッ!!



 同時代からは前開きドアの三菱ミニカ。この車は地味なテールフィンが好きです。そして、リアタイアがややタイアハウスに隠れているところ、プレスラインがリアで分岐しているところにベタ惚れ。実は北海道に良い出物があったのですが、何しろ海を挟んでいますからして諦めました。欲しかったなー。



 シングルナンバーのフェロー。きっと大事に乗られてたんだろうなー。
 コレも静岡に良い出物が。確かコラムシフトでもって、パネルが鉄板。そしてどことなくフレンチなデザインが素敵。コレの一個後のモデルのデッカイ『Hi-Custom』エンブレムがついたやつも狙っていましたが、先に売られてしまいました。R-2と比べてミラーが前方にあるので視認性が良さそうだぞ!!



 永遠のライバル、NⅢ。ホンダのNに対抗してR-2が生まれたと言っても過言ではない!! 福岡に良い出物が…それ以外のことが言えんのかッ!! コレを買った暁には、綺麗にカスタマイズして「ふっふっふ、コレは君たちの知らないミニなのだー」と威張ろうかと思ってました。



 マツダ・キャロル。結構手が入れられています。そういえばだいぶ前のノスタルジックヒーローに、キャロルとフロンテSSをシャコタン+鬼キャン仕様にしたものが載ってましたが、ソレと似たテイスト。個人的にはキャロルは4ドアが欲しいです。なんか無理やり頑張っちゃいました、ってな感じが素晴らしいと思うのです。ちなみにこの個体は、ナンバーを隠すためにピンナップ写真(死語)が貼られてました。



 ワタクシの大好物、二代目サンバー。しかも前開き。近寄って頬ずりしたかったけど、ツイッターで呟かれたら怖いので止めました。オヤジ曰く、「ドーベルマン刑事で、警官が手錠掛けられた上で閉じ込められて、更に火炎瓶で丸焼けにされたのはこのサンバーじゃなかったっけ?」。何でそんな事を覚えているんだ!!
 ※ クチビル・サンバー(初代)も撮った筈でしたが、データ保存されていませんでした。無念。


 忘れちゃいけない(実際忘れてて、投稿後あわてて追記しました)、フロンテ・クーペのお出ましだィ!! たしか、フロンテ・クーペ自体は二台出場しておりまして、もう一台は赤茶色の純正色でした(写真を撮ったはずなのに残っていませんでした)。で、フロンテ・クーペの周辺での会話。

老人A「このクルマって確か…ウンと…そうだ、なんか別の名前でカッコ悪くなって売ってたんだよな」
老人B「カッコ悪いって、そんな話あるか」
老人A「ホラ、あれだ、何つったっけ…センボだ」
老人B「あぁ、センボね。あったあった」
――無ぇよッ!! セルボだよッ!! カッコ悪いとか言うなよッ!!

 更に、赤茶色の個体の前では、イカにもなオタク族少年たちが
「おお、フロンテじゃんか」
「うっはー、ずいぶん小さくまとめて!!」
「おお、コレってフロンテ・チャンバーじゃんか」
「実際付けてんのかな」
――などと、文字起こししたら文節ごとに『w』が3つほど連なりそうなテンションで盛り上がってました。 
 サブロクじゃないけど、アバルト695。実物見るとカッチョイイ。「フィアットのX1/9はスーパーカーであるか、否か」、と言う議論は聞くけど、実は695もスーパーカーなんじゃないか、と個人的には思います。だって、速く走りたいなら別のクルマを造れば良いのに、わざわざチンクをベースに造るところにロマンを感じます。同じことはミニにも言えるけれども。
 ちなみに、ワタクシはR-2を買った当時、『Subarth 360』というステッカーを作って貼ろうと思ってたのですが、プラモデルで同じ事をしてる方がいたので止めました。

 やっぱり、クルマを愛する人ってのは、『必要最低限』若しくは『非実用的』なものに『夢』を乗せて走っているんだなぁ、等と柄にも無い事を考えていました。うーむ、ワタクシもこんな車が欲しいなぁ…あ、ハイマー号が居たか。

~おまけ~
 ついでにメガウェブのヒストリックガレージに酔って…じゃなかった、寄ってきました。

 こちらには4ドアのキャロルがありました。乗ってみたいなぁ。
Posted at 2016/11/26 02:16:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | R-2(ハイマー号) | 日記
2016年11月25日 イイね!

お台場旧車天国2016

お台場の旧車イベントに行ってきたので、少々遅くなりましたがご報告。
 本当はハイマー号で乗り付けたかったのですが、前日に親父が「実はアサリの佃煮とアンキモを買ってあるんだよねぇ~、こいつでもって海を眺めながら一杯…なかなかオツなもんじゃないかねぇ」などと悪魔のような囁きをした為、三田まで電車で行ってそこからは徒歩、という最もお金のかからないルートで会場へ。

 会場の目の前まで来ると、親父が「おお、あそこに変な車があるぞい」と言う。何かと思って見てみると…

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 おお、あれはマサシク!! っていうか、「変な車」って何だよ!! 
 
 ――それにしても、このイベントの前売り券は当日の12:00まで、コンビニで購入できました。会場で販売される当日券よりも300円安い上に、500円分の金券がついてきます。で、我々は前売り券を持って会場前にたどり着いたのですが、入り口へは長蛇の列ができておりました。

「コレってみんな入場待ちで並んでおるのかね?」
「そうでないのかえ? イベント会場に沿って回り込むように並んでおるし」
「さらば仕方があるまい、ここはひとつ、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び…」
「ン!? あそこでアホ面こいて突っ立っておるアンちゃんが持ってる、あのプラカードを見よ!」
「ウム、なるほど。あれには『←前売り券 | 当日券→』などと書いておる。つまりは、前売りを持っている者はこの列をスルーして、駿馬天を駆けるが如く会場まで入れると云う事か」
「よし、それでは余が聞いてまいろう。 ――もし、ソチにお尋ね申すが、おぬしが持っておられるそのプラカードを拝見するに、コレはもしやすると前売り券を持ちし者は、並ばずして中に入れると言う、そういうことと見て間違いはあるまいか?」
「はぁ、トージツケンのオキャクサマはこちらに並んでいただいて、マエウリケンのオキャクサマはそんまま入っちゃってください」
 だったら先に言えよ!! 何か声出して客を誘導するのがお前の役目だろうが、ただ突っ立てるだけだったらパイロン置いときゃいいんだよ!!
 と言いたいのを堪えつつ、会場へと入る。忍び難きを忍び、耐え難きを耐え。

 さて、会場に入ったらそこは、マサシク「旧車天国」でありました(一部除く)。まずは今回の目玉の一つ、「ダイハツ・ビー」の写真をば…写真を…写真がないっ!! どうやらカメラの不調で撮れていなかったらしいです。確かに頻繁に電源が落ちたり、シャッターが切れなかったり、と色々トラブルがありましたが。
 唯一残っていたのがこちら。

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 言われなきゃ判らない部分。何でコレだけ残っていたのか、謎です。

 さて、コレ以降写真中心にします。
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 「くろがね四起」のエンブレム。この車は景山民夫の小説、『野鼠戦線』で大活躍する、と言ったマイナーな印象しか持っていませんでしたが、実物を見るとやっぱりカッチョイイ。
※この写真を見てオヤジは「なんかヒワイな形やね」と言ったが、何を考えてるんだか。

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 「オートサンダル」はエンジン掛けをしたとたんに黒山の人だかりに。ボディ右側にはキック・スターターが着いてます。ハイマー号にも、何かあったときに強制的にエンジンをかける機関――クランク棒とかキック・スターターとかロードパルのゼンマイ式クイックスターターとか――がほしいもんです。押し掛けは辛い。

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 コックピットやホイールには三角形のエンブレム。よく見ると「Autoサンダル」ってカタカナで書いてある。中々にシブい。

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 こんなスバルがいました。横に所ジョージの「コポルシェ」が居たら完璧なのに。
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 スバル勢は中々がんばってます。サンバーは二代目が一番好きです。何となく「日本のVW Type2」みたいな雰囲気ありません?
そして、本日の目玉(!?)

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 「スバルR-2 SS」です。この広い会場で唯一のR-2。あの「ナッシュ」ですら2台居たのに、R-2は一台。だから何だ!!

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 人気投票をやっていたので迷わずR-2に1票。サンバーが意外と人気あります。この結果はどうなったのか…。

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 三輪トラックは一度運転してみたいです。実を言うと、「車を買う」という時に数々の候補を挙げて悩んだうちに、「輸入物のトゥクトゥク」という選択肢もありました。しかしあまりにも周りの反応が怖かったので…。

altalt
 初代、二代目のシルビア。この2台で、今の相場だといくらになるんだ? ちょっと前まではそんなに高くなかったのに…。

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 「Z31」の前期型にはかなり思い入れがあります。と言うのも、この車が「本気で買おうと思った車」の第1号だからです。こちらの個体は輸出仕様で左ハンドルの「300ZX」ですが、私が欲しかったのは、無理やり直六エンジン「RB20DET」を積んだ200ZRでして…長い話になるのでコレくらいにしておきますが、それにしてもこの個体、みんカラで見たような気がします。

11/26追記:やっぱりみんカラにいらっしゃいました。https://minkara.carview.co.jp/userid/422125/blog/38894372/

 ほかにもいい車がたくさんあったのですが、と言うよりも、ありすぎたのでここら辺にしておきます。

~おまけ~
 こういうイベントのビジターには、やはりすごい車に乗っている方が多くて、
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 「ナイト2000」がフツーに駐まっていたり、

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 一体幾らするんだッ!! と言うくらいのコンディションでフェアレディが鎮座在していたりします。
 やっぱり旧車イベントは楽しい。そういえば、何となく鴻巣のイベントのエントリーシートを配ってたので貰って来ましたが、ホントに出ようかしら。
Posted at 2016/11/25 14:09:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | R-2(ハイマー号) | 日記
2016年11月17日 イイね!

坂の下に見えたあの町に

「先生、オザキユタカってこの街の出身だそうですけど、本当ですか?」
 これは私が小学生だった時分、教頭先生に訊いた質問である。
「そうだよ。私は彼が学校にいた頃の教師をしていてね。君は尾崎豊が好きなのかい?」
 その問いに私は肯定の返事をした。教頭はその時意外そうな眼をしたが、その裏側にあったものは一人の少年の将来に対する不安だったのかもしれない。


  まとまった金を貯め 一人町飛び出して行くことが
  新しい夢の中 歩いて行くことだから


 尾崎豊。彼は「十代の教祖」「心の代弁者」として人気を博した。そして、波乱万丈たる青春を過ごしたのち、酒と薬に溺れて26歳にして急死した。「彼は若者たちを虜にした偉大なるミュージシャンであった」。
――違う。そんな安っぽい修辞句で片付けないでくれ。誰かが叫んでいた。


 八月某日、私はとある坂の上に車を停めた。埼玉県朝霞市の溝沼という地区である。近隣には「滝の根公園」がある。公園内には湧水の池があり、そこをアクリル製の窓が付いた木製の柵が囲っている。ホタルの生息地なのだ。しかし私の目的地はこの公園ではない。「この坂」に来ることが目的だったのだ。


 彼はこの坂の下の町に住んでいた。そして、彼はこの町を飛び出した。この町は彼を縛り付けるあらゆるものの象徴であった。彼にとってこの街を出る事は大人になるための第一歩であった。それは『スタンド・バイ・ミー』のゴードン少年の奪われた野球帽であり、『さらば青春の光』のジミーが崖下に落としたベスパであった。彼はこの街を捨てなければならなかったのだ。

  でも 寂しそうに 見送りに立ち尽くす母親にさえ
  サヨナラが 言えず仕舞いでアクセル踏みこんでいた

 
 私は漠然とした不安を抱えていた。それがなんなのか判らない。――これでいいのだろうか。誰ともなしに問いかける。主語のない問いである。つかみどころのない漠然とした、それでいて何か重大であるような、そんな疑問であった。


 彼は理由を求めた。なぜ従うのか? 自分はどうあるべきなのか? 押し付けられた理想像は、自分にとって理想的なものなのか? 何処へ行き、何処に安らぐのだろう? 「シェリー、どこに行けば俺は這い上がれるだろう」


 私は5歳から17歳までの約12年間を朝霞の街で過ごした。周りを畑に囲まれた集合住宅であった。風の強い日は畑のホコリが吹き付け、黄色い砂が路肩に山を作った。近所に住む友人のN君の家は農家で、外のトイレは「雪隠」と呼ぶにふさわしく、汲み取り式であった。近所には狸が出た。
 駅へと続くメインストリートもまた畑に囲まれ、アスファルトは風に運ばれた砂で薄く黄色掛かっていた。その道から分岐する新興住宅予定地への通りは、途中で土地買収に失敗し、分断されていた。何処へも通じる事のない、しかし道幅だけは十分なこの新道は、子供たちの遊び場となった。


 彼の父は自衛官であった。自衛隊という理不尽な立ち位置の職業が身近にあったところに、彼の世間に対する猜疑心が芽生えた一つの要因があるのかもしれない。
「君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい」
 これは、自衛隊発足時に吉田茂が行った演説である。「正しい」とは何なのか? 理不尽に押し付けられた自己犠牲の美徳にを垣間見ていたのかもしれない。


  あなたの夢に育まれて その夢奪っていく訳じゃない
  小さな俺を眠らせた 壊れちまったオルゴールが
  バッグの中で時を奏でている


 彼の歌には実在場所をモデルにしたものが多い。『17歳の地図』で振り返って夕日を眺めた歩道橋は青山通りに存在する。『米軍キャンプ』は光が丘を歌ったと言う事だそうな(彼は田柄にも住んだ時期がある)。しかし私はこの歌詞を、市役所前にある「キャンプ・ドレイク」と重ねてみる。
 この基地はリトル・ペンタゴンと呼ばれる施設があり、マッカーサーが駐留したこともある。朝鮮戦争時にはジャミング攻撃の基地局となり、ベトナム戦争時には重症を負った兵士が療養の為に送られ、ここで多くの命が絶たれた。大戦時は大日本帝国陸軍の被服廟であったが、戦後、米軍に接収されてからは周辺で無秩序的な事件が多発し、「リトル上海」と呼ばれた。これは朝霞警察が置かれる原因ともなった。その名残から、この周辺には嘗て、米兵目当ての売春宿まがいの店が立ち並んだ。
 『米軍キャンプ』は、水商売をする恋人を持つ男の葛藤を描いた歌だ。彼女に自分に対する愛、そして自分の彼女に対する愛は本物なのか? いつ終わるともしれない関係に焦燥を感じている。 「大切なものを引き裂く何かに 二人が気付くまで」。


 私がこの場所を訪れたのは何も、郷愁によるものではない。その理由は私自身にもわからないが、どうしてもここに来たかったのだ。ここに来れば何かをつかめる気がしていた。


 彼が歌手となったのは偶然に偶然が重なったからだ。卒業を前にして高校を退学した彼は、一縷の望みをかけてレコード会社にカセットテープを送りつけた。もう後へは引けなかった。「従うとは負ける事、と言い聞かせた」。
 そのテープは「新人発掘」をしていたSプロデューサーの手に渡った無数のテープの中の一本となり、Sが手にした最初のテープとなった。Sはランダムに手に取った最初のテープしか聞かない事にしていたという。
「最初に聴いた時はヒドい歌だと思った。しかし良い声をしていた」
 後にSが語った言葉である。こうして彼はその後の運命を決定づけた。


 彼が私に語りかけたようだ。どんなコンプレックス・劣等感も結局は乗り切っていかなければならないんだ、と。逃げてはならない、決して負けてはならない、と。「受け止めよう 自分らしさに打ちのめされても あるがままを受け止めながら 目に映るものすべてを 愛したい」。
 私は深呼吸を一つし、この街に再びの別れを告げた――彼の家の目の前を通るような無粋な真似はしなかった。結局なんだったのかは判らない。これからも判る事はないだろう。何かまた躓くことがあればまたここに戻ってくるつもりだ。そんな場所があってもいいじゃないか。


  俺は車を停めて手を振っていたよ
  ――坂の下暮れてゆく町に
  
  
Posted at 2016/11/17 03:14:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 世迷言 | 日記

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「ぼくの失敗たち http://cvw.jp/b/2652204/48540902/
何シテル?   07/13 18:48
 スバルR-2(ハイマー号)が退院し、ビンビン走る様になりました。コイツが入院中に浮気した妙なカブ(チャーリー号)も、概ね元気です。いつかこの2台でイベントに出...
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