最近、真空管をネトで物色してたりしますが。
中々面白そうなのを見かけたので。
コレはNutube 6p1と言うれっきとした双三極管なんですよね。
古い電卓なんかに使われていた蛍光表示管の技術を使って開発された様子。
一般真空管を車載使用しようとすると結構振動対策が必要なんですが*注1:、コレはその手の心配は無さそうですね。
*注1:ゲインの高い(増幅率の高い)真空管増幅回路では、構造上稼働中に真空管を爪で弾いたりすると音が出てしまう(機械的振動がノイズとして出力されてしまう)。
消費電力も少ないし、発熱も大した事は無いらしいしで素晴らしい...風に見えますが。
大抵のモノは、[あっちが良ければこっちがダメというトレード・オフ関係]が存在していて、この真空管も例外では無いようで。
①:低電圧駆動
これにより低消費電力となっている訳ですが、逆に言えば回路的に一般真空管ほど懐が深くないって事です。
真空管サウンドの醍醐味は[オーバー・ドライブ時の2次高調波歪み*注2:&音のガッツ感]に在ると個人的には思っていますが、この素子のデータシート的には半導体的歪み上昇カーブを見せる模様。
まあそこらはギター・エフェクタのように回路定数である程度制御可能ですけど、ガッツ感の方は低電圧駆動が故どうしようも無い。
*注2:一般的に真空管素子は2次高調波歪みの発生が多く(暖かい音化)、半導体素子は3次高調波歪みの発生が多い(耳障りな硬質音化)。
これは、真空管での歪みが元波形に対し角が無いなだらかな波形の潰れ方をするのに対し半導体では角が立ったスッパリと切り取ったような波形となるが故。
判り易く言えばソフト・ディストーションとハード・ディストーションの違い。
一般真空管には高電圧がかかっているが、その恩恵とも言える。
②:ゲイン(素子増幅率)がかなり低い
パッド・アンプとして使うには高い入力電圧を入れれないし(車載で使うならカロ辺りのヘッドで最大4Vp-p)、そうなると1度アッテネートしてからコレに入力する事になりますがここでゲインが取れないのが問題になって来る訳ですね。
とりま微量でも負帰還かけてやらないと[真空管アンプの悪い点である締りの無い音/素子のバラつきもモロに音へ影響]になりかねないので、更にゲインは下がり実際の所この素子は扱いが結構厄介と言えます。
機会があれば入手して、DAコンバータ→6p1パッド・アンプ→デジタル・パワーアンプみたいな構成で実験して見ようとは思いますが、アナログ+デジタルの良い所取りとなるか悪い所取りとなるかはやって見ないと読めないですねぇ...。
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Posted at
2018/05/24 21:51:42