
最近はすっかり自動車雑誌を買わなくなりました。
新車の試乗記事とか立ち読みしますが、面白いとは思えない内容ばかり。それはクルマ自体がつまらなくなったせいなのか、それとも書いてる人がつまらないのか・・・どちらにせよ昔は発売日を心待ちにしていたのが嘘のようです。
売れっ子の五味康隆さんもカービューで書いてますね。別に好きでも嫌いでもなかったのですが、特集ページの「五味康隆GT-Rを売る」を読んでから不信感があります。
買取金額を競合させて釣り上げるのは合理的なんでしょうけど、企画だからといって相場以上で買わせて自動車業界を薄利多売に貶めるのはやめていただきたい。
ジャーナリストという立場ならば、きっちりとメーカーに戻すなりして、ちゃんと中古GT-Rの現状を確認して(素人では分かりえない所まで詳しく)それを記事にするべきです。その後はメーカー直系の会社に買い取ってもらい価格などは伏せれば良いと思います。
(実に下世話な企画で品性を疑われますよ五味さん。)
そんな自動車ジャーナリストの中には、専門知識がなくては読み解けないほど詳しくマニアックな内容で、なぜそんなに良くわかってるの?と聞きたくなるほど内容の濃いおもしろい文章を書くジャーナリストさんもいるというご紹介になります。
沢村慎太郎さんの「午前零時の自動車評論」です。
メールマガジンをまとめたもので、現在パート4まで刊行されています。(読んだのはパート1)
その筋では有名な方らしいです。失礼ながらこの本を読むまで知りませんでした。
(様々な雑誌で書いていらっしゃるので文章自体はどこかで読んでいるとは思います。)
有名な著書は「スーパーカー誕生」「巨匠が愛したフェラーリ女優が恋したモーガン」などがあります。鋭いメカニズム評価や試乗テストにはエアゲージやノギスなど7つ道具を持参する実証派で理論派の自動車評論家です。福野礼一郎さんの一派などともいわれています。辛口な評論でも有名みたいです。
世界観に共感できればグイグイと内容に引きずりこまれます。かなり内容にバラエティーがありますので普通に読める物もありますが、深く楽しむにはかなりの専門知識が必要と思われます。
例えば「フランス人は心を入れ替えたか?」の章ではシトロエンC4のサスペンションの考察がそれはもう詳細に書かれています。私は足回りが好きなので理解できましたが普通の人だと「知識の羅列」「見せびらかし」に感じるかもしれません。理解できるとシトロエン特有のハイドロニューマチックの概念も勉強できるし、C4を頭の中で走らせてその曲がり方を動画でイメージ出来るかもしれません。(自分は日々みなさんの車載動画で妄想試乗してますので結構得意です。)
ここまで面白い試乗記事を自分は読んだことがありませんでした。
その他にも目からウロコがおちる内容も沢山あり、
知識欲にとりつかれ「もっと読みたい!」という衝動に駆られました。
昔、自分の愛読雑誌はすでに休刊した「NAVI」でした。毎月心待ちにして読む程にクルマが好きになっていったのを思い出します。沢村さんの文章には「NAVI」を読んでワクワクしていたのと同じパッションを感じます。
クルマ雑誌を買わなくなった人や、ジャーナリストを信用できない人に是非オススメの一冊です。
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くるま | 日記
Posted at
2013/05/29 13:50:27