
もう最近は何が目的で、何が手段がわからなくなってきました。元々はコロナウィルスの蔓延に伴って自粛生活を送るにあたり、何か身近な暇つぶしを模索していたことから、フィルム写真に行き着いたのでした。写真を撮るというよりは、現像を楽しむアプローチです。
デジタルからの脱却という副次的なテーマもあったかもしれません。
あくまで暇つぶしなのであまりお金をかけずに遊ぼうと思っていたのですが、ちょっと良からぬ嵌り方をしてる気がします。
そもそもは安く買ったつもりのカメラの調子が悪かったことから始まってます。安いカメラをヤフオクで何個か落札しても、盡く不具合。一台は修理業者さんに送りましたが、およそ2万円の修理費がかかります。しかも仕上がりは7月。
本末転倒です。
その間写真を撮るための安い中古品を求めましたが、何しろRICOHの古いカメラ、チープな作りのためどこかしら壊れかけてます。
そして最悪なのはピントがうまく合わない個体が多いことと、フィルム室に光が漏れてしまうこと。
いろいろトラブル続きだったので、しばらくは機械式カメラでお茶を濁そうと考えてます。
これまたRICOHのXR500です。
先日ジャンク品を2個購入しバラしてみたりしました。この型はその昔、格安一眼としてサンキュッパで知られた超廉価のフルマニュアル機です。安かったので球数が多く、もちろん中古市場でもジャンク品並みに安い。その中でまともそうなものを一台、標準レンズ付きでゲットしました。この安いレンズは意外に評判の良いレンズで、遊ぶには最高の材料です。
そして「ジャンクカメラの分解と組み立てに挑戦!」という本まで見つけました。この本には当該XR500の分解手順が記載されているので、実用的おもちゃとして遊ぶための禁断の手引きとなります。
手引きに従って分解をします。先日のジャンク品の分解・プリズム抜き出し・組立を経験しているので、答え合せをしているようなもので非常にスムーズです。
しかし、何が大事で何が大事でないのか当たりをつけて取り組めるのは心理的に大きなアドバンテージです。
今回の目的は、
・ファインダー内の清掃
・モルト張替え
です。
ファインダー内の清掃に伴ってプリズム清掃もしますが、ガイドがあると捗ります。
入念に清掃しました。
ファインダーの窓の内側も汚れていたものをしっかりと拭き取りました。
カメラのファインダーの内側って拭きたくても拭けない場所でした。長年の鬱憤を晴らす如く、丁寧に入念に拭き取りましたので気持ちの良い仕上がりです。
さらに加水分解でグサグサになったモルトの張替えです。
触るだけでモロモロと崩れ落ちてきます。表面にはカビみたいな様相もあり、非常に汚らしい。
これらを取り除き、新しいモルトを切っては貼り、切っては貼りして再生しました。
ミラー室のモルトはミラーが上がると緩衝材の役割をしますが、劣化しているとその衝撃でポロポロと崩れ落ちてスクリーンを汚します。不意に触るとざらついたスクリーンの目につまり落ちにくい汚れになります。
ここを見よう見まねで張り替えました。
簡単な作業かもしれませんが、ベタつくモルトを適切な位置に貼り付けるのは意外に難しい。
そのあとフィルム室のモルト交換です。
何しろフィルムに光が漏れてしまうと台無しなので、ここは確実に遮光をしなければなりません。
1mm幅に細長く切っては、溝に落とし込んで貼り付ける作業も含みます。モルトの両面テープは結構粘着力があり、モルトそのものはコシのないヘニャヘニャ素材のため、その1mm幅の溝に落とし込む途中で溝の壁面に粘着剤が纏わり付いてなかなかうまくいきません。
数時間格闘し、裏蓋周りにも大きめの遮光モルトを貼り付けて完了です。
この後、しっかりと清掃し次回のテスト撮影に備えます。
初歩的な整備とはいえ、機構の奥まで触れることができ非常に有意義でした。まさに機械です。デバイスではなくメカです。時代錯誤かもしれませんが、ブラックボックスなど皆無のこのシンプルで古典的な機械に愛着を感じます。小さなピタゴラスイッチです。
そろそろ写真を撮りに出かけて行きたい気分です。
フィルムは何を使おうかな。
Posted at 2020/06/02 00:45:16 | |
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