約1ヶ月を少し過ぎて、依頼していた財布の修理が完了して上がってきました。
CORBO.のSLATEというシリーズの革財布です。
カード入れの内張が破れてしまったのと、外周のステッチが切れてしまったので修理を依頼しました。
あわせて革のメンテナンスもしていただけることになっていました。
カード入れ部分の内張だけを直しても、比較部分が薄いため縫い直しに伴って強度が下がり、さらなる破損につながるリスクがあるとのことで、その部分はアセンブリーで交換修理対応になりました。20年来使ってきた財布の一部に新品パーツを使うことにある種の抵抗がありましたが、他の方法は考えにくいとの事でした。
新品のカード入れに移植され、機能面では完璧に治りました。
全体の雰囲気はこんな感じ。
まあ、風合いに明らかな差が生じましたがこれも暫くすれば馴染む事でしょう。
その他、外周ステッチも補修いただいたほか、ボロボロになりかけていた磨きコバを整えていただけました。
オイルアップもして頂き、見違える様な姿で帰ってきた財布に、さらなる深い愛着を感じました。今回の一連のサービスについては、もちろん有償なのですが、これでは割に合わないだろうと思うくらいの良心的なサービス価格です。ユーザーを大切にしたいという思い、産み出した製品も大切にしたいという気持ちが伝わってきます。今回の修理内容を決めるにあたっては、代表の古瀬様が直接質問に答えて頂きました。不躾ながらメールのやり取りでは理解が覚束ない際には、お電話で直接のアドバイスも頂け、バダラッシュ・カルロ社に対しての気持ちや製作者としての想いに触れる事ができました。作り手と話してみる、ということはその製品を更に深く理解することにつながると思いました。手作りの品には設計者の思想と宇宙があるので、単なるプロダクツとして平面的にみるのではなく、もっと奥行きのある3次元的な対象物として見ていきたいなと思いました。
改めてコロニルのシュプリームクリームで艶を加えると、恐ろしいほどの風合いを醸し出す様になりました。惚れ惚れしてしまうのはオーナー故の心理的作用ですね。
10年使えるというコンセプトのCORBO.の財布ですが、すでに20余年を使い抜き、さらに少なくとも後10年は使えそうです。
こちらの
ブログは経年変化の観点で皮革製品についての洞察や知識も深くCORBO.製品を理解するのに大変参考になりましたが、もしかしたら、メンテナンスを加えれば求めていた深い味わいに到達できたのではないかな?などと思ってしまいました。要らぬお世話ですね。でも、5年も大事にされていたCORBO.なのでたまには触れて頂けたら嬉しいななどと思った次第です。
さて、CORBO.のSLATE製品をもう少し買い足そうと思います。
札ばさみとコインケース、ペンケースあたりを狙っています。
ホーウィン社のシェル・コードバンもとても良い風合いを楽しめるのですが、いかんせん水に対して気を使うのが煩わしい。
こうしたオイルドレザーの方が、ガンガン使えてメンテナンスも楽しめ、良い風合いも作り出せるのではと思いました。
Posted at 2022/10/08 18:05:13 | |
トラックバック(0) |
ブーツ・革製品