HR12DEエンジン備忘録2(日産ノート編)
①→
1,198cc 直列3気筒 DOHC 12バルブ CVTC
内径×行程 : 78.0mm×83.6mm
最高出力 : 58kW(79PS) /6,000rpm
最大トルク:106N·m(10.8kg·m) /4,400rpm
スーパーチャージャー仕様ではない方のグレードX。→
エンジンが始動してアイドリング中の音や振動は、
何故か同じエンジンHR12DEを搭載しているマーチが3気筒丸出しの音と振動を感じるのに対して、
ノートは
意識していなければ振動も気が付かない程度。
セレクターをDに入れて駐車場内を移動するときに、
低速でも結構トルク感を感じたが、国道に出て3分の2程度スロットルを踏むと、
やはりマーチよりもトルク感、加速感ともに優っているように感じるのは何故か。
その後一般道を40~50km/h程度で巡航すると、
慣性にまかせて、ほとんどスロットルを踏まずに流している時には1,500rpmくらいだが、
少しでも右足に力をいれると、回転計は即座に2,000rpm位まで跳ね上がる。
今度はフルスロットルを踏んでみると、今まで静かだったエンジンは
いかにも3気筒らしい安っぽい音とともに加速を始めるが、
この加速も
同じエンジンを搭載しているマーチよりも勝るように感じるのは気のせいか。
ノートについても、マーチの良い所を引き継いでいて、
自然吸気の言ってみれば下位グレードにしては走行時の安定性も十分あるし、
操舵性だって価格帯を考えれば十分なものだ。
それにしても全く期待していなかったグレードXが意外にも悪くないという結果であり、
何より不思議なのはマーチと同じエンジンを搭載しているにも関わらず、
フィーリングではマーチよりも明らかにパワフルに感じたというとこだ。
もしかして、自分自身の体調などの関係でそう感じたのかとも思って、
日産のセールスマンに聞いてみたらば、やはり同じ意見で、
本当にマーチと同じエンジンなのだろうか、という疑問が出る程だというから、やっぱりそうなのだ。
本来ターボに比べて低回転側でもトルクが立ち上がりやすいはずの
スーパーチャージャーではあるが、
ノートの場合は何故か自然吸気のグレードXの方が低速でのトルク感がある。
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まずはNAのグレードX。→
冷間始動直後に3気筒を感じさせる乱れや振動はなかった。
K13マーチのエンジンの印象はもはや記憶にないが、
こんなにも滑らかに回るエンジンだったのか。
トヨタ3気筒とは大違いだ。
セレクタをDに入れ道路へと出ると、アクセルペダルの操作に対してすっと
車速が乗る感触が良かった。
スロットルバルブはある程度の早開きになっていると思われるが、
敏感だと感じないレベルにうまくセットされている。
車速が高まってトルコンのロックアップクラッチが作動すると、
エンジンはとても静かになった。
瞬間燃費計ばかり見ていて、回転計を見ていなかったのでエンジンが
どれほど回っていたのかは分からない。
新型ノートのNAエンジンを積んだモデル(SとX)は、マーチ用のエンジンを
流用しただけの安物で、購入時の一時的な出費を抑えたい人に向けた
グレードであると予想していた。
しかし、それは完全に私の思い違いであった。
静粛性については、
意外にもNAエンジンモデルのほうが断然優れていた。
ともかく、Xは上品でまともな乗り味を持っており、私はそれを気に入った。
自然吸気(NA)エンジンの実力を試すため、Xにもう一度乗ってみた。
今回のコースは山奥へと向かう道を選び、様々なスロットル開度での
パワーの出方を確認してやろうと考えた。
店を出て、まずは緩やかな斜度で上りながら左右に何度も切り返すパートを
走らせると、アクセルペダルの微妙な操作によってうまく速度を
コントロールすることが可能であり、とても走らせ易いクルマであることに
感心した。
普通にスムーズに走ってくれるだけと言えばそうなのだが、
そんな「普通」になかなか巡り合えないものなのだ。
いつもBL5レガシィで通るときにはギアが合わず、
うまくリズムに乗れないことから、今日はノートの乗り味を良いと感じたわけである。
それから、遅い前走車に続いて上ったり下ったりを繰り返していくと、
エンジン回転数は1500~3000rpmで推移した。変速比がどのような条件で
変化するのかつかみきれない所はあったが、総じて嫌味なところはなく、
うまくセットされていることが分かった。
普通に走らせている限り、上り坂でも燃費は10km/Lを割り込むことは、
ほとんどなく、なかなか良い燃費が出るものと思われた。
前走車がなくなったのを機にアクセルペダルを半分程度まで踏んでみたところ、
このNAのXはあまり走らないクルマだと感じられた。
スロットルバルブはそれなりに開いているのであろうが、
CVTが低いギア比にならないため、加速感が充分に得られなかったのだ。
さらにアクセルペダルを深く踏み込んでいくと、CVTが変速をし始め、
エンジン回転数が高まり、走りに活気が出た。
そのときの感触は1.2Lという排気量からイメージするものよりも
やや良い のではないかというレベルで、
山道走行でも他車に多大な迷惑を掛けるほどではないと思われた。