毎年この時期になると普段の仕事は有給を取り、都会から離れて山ごもり生活を1〜2週間します。
「11月第3週木曜日に解禁される日本向けワイン」の出荷のお手伝いです。もう5年ほどやっているので慣れたかなぁ。。でもまだまだだなぁ。
いつもお世話になっている醸造所へパリからは私が一人で現地入り。日本から担当の方が毎年2名から3名。現場に近いところに住むバイリンガルの女性がちょこちょこと手伝いに来てくれたり。今年はその方が全日程滞在されるとのことで心強かったです。
私たちが関わるのはボトリング〜出荷まで。検品等の作業が主です。
何万本という莫大な量を載せる飛行機の便はすでに早い段階で抑えてあるので、それに間に合うようにボトリングからパレット積みまで完了しなくてはなりません。何日かに分かれて10tトラックが集荷に来るのでそれまでには必ず間に合うようにれぞれ役割分担して作業に追われます。当然いろんな問題も起こります。細かいトラブルは日常茶飯事。トラックの最終集荷が来るまで現場は本当にバタバタと慌ただしいです。
ヌーヴォーの輸入で一番有名な会社であれば多分現地に全て任せているんだろうけど、私が携わってる会社は品質管理が結構厳しく不具合がないか常に日本人のチェックが入ります。
「ボジョレーヌーヴォー」という言葉だけが一人歩きしていて実態はよくわからずになんとなくお祭り気分で買う人も多いと思います。
どんな土地で育ったぶどうか?
この辺り、ブルゴーニュの最南端、ソーヌ川の西側の丘陵地にボジョレー地区があります。日当たりの良い斜面は全てぶどう畑。ガメイという品種のぶどうです。葡萄棚に吊り下がってるわけじゃなく、かなり背の低い木なんです。↓
古木であれば膝丈ほどの高さしかありません。↓

そこを、ヴァンダンジュと呼ばれる収穫にはかごを背負って手で摘み取るというかなり大変な作業があるのです。最大60kgにもなるカゴを背負って斜面を行ったり来たり。。(一部平らな地域で機械が入れれば機械で摘み取る場所もあるそうですが)
実際にそういうのを見聞きすると大事に育てられて、丁寧に摘み取られて手間のかかったワインが愛おしく感じます。
ヌーヴォーだけ作ってるんではなく、むしろそれは一部であってAOP指定されている「フルーリー」「モルゴン」「サンタムール」等々のボジョレークリュ銘柄のワインが素晴らしく美味しいので飲む機会があればそちらがオススメです。(新酒じゃないです)
この土地の自然、空気、匂い、癒されます。

夜には満天の星空。素敵な場所なんですよ〜。
続く
Posted at 2016/11/02 21:33:11 | |
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