数年前から、パリ市の大気汚染が問題になっていてその理由の一つに車の台数が多すぎるということが言われてきた。
そんな最中、VWのディーゼル車の不正スキャンダルが発覚して世界的に大騒ぎになりましたが、それが引き金になってパリでもディーゼル車に槍玉が上がった。ディーゼルは悪みたいな。
フランスでは(おそらく欧州のほとんど)一般的に普及してるのはディーゼル車。パリだとおよそ7割近くがディーゼル。そんなのもあって排気ガスで汚れまくってるという。
実際にどうなのかというと、春先など風のふかない大気が停滞してる気候のときやっぱり空が霞んでる。喉もイガイガする感じがあります。車だけじゃなく工場の噴煙などもあるのでしょうね。
ここで登場するのがパリの女性市長さん。車嫌いで有名です。
市内の中心部には車は入れなくする、その他市内は30km/h制限、大きな通りは全てトラムか電気バスにするなどの提案をしています。実現するかは不明。
環境問題は大事なことですが、世界一の観光都市。他所から入ってくるバスや車両がどれだけあるか想像してみてください。タクシーの数も異常です。都心部は常に渋滞で排気ガスもすごいので本来は美しいクリーム色の建物も黄ばんだり黒ずんでます。。まず一般市民の車に制限をつけるより商業車、観光バスなどをどうにかして欲しいんですけどね。
2024年にパリはオリンピックの開催地に立候補してるので、そういう政治的パフォーマンスも見え隠れする。
テロで観光客も激減し、治安の悪いイメージ+空気の汚い環境も悪いイメージを払拭させないと開催地に選ばれない。
昨年あたりから気まぐれのように月に1回か数ヶ月に1回、ナンバープレートの下一桁が奇数の車だけ市内に入れるとかそういう試みが何度かありましたがほとんど効果なし。そういう日は公共交通機関が無料になり、郊外に住んでる人も車やバイクを使わずに電車で通勤を奨励してるのだが逆に混雑が半端なく、トラブルが相次ぎ結局電車が止まってしまったり運休になったり散々。よく考えて実施しないからそうなる。まさに「フランスあるある」。
そんな中、政府もいよいよ本腰を入れて、車のクラス分けをすることにした。今年の1月16日から施行で遵守しないと罰金。
インターネットでお金を払って登録します。
1月に入ってすぐ登録したのに証明書がぜんぜんこない。16日からって言ってるのに、サイト上には
「登録してから1ヶ月内に届きます。」って書いてある。どんだけ時間がかかるんだ?
車のクラス分けシール(フロントガラスに貼る)
緑は100%電気もしくは水素
1の紫はガソリン車とハイブリッドの新しいの
2の黄色は新しいディーゼル車。
等々
うちのは新しいディーゼルなので黄色の2です。
2020年までに2010年以前の車は撤廃とかって言ってるけどどうなんだろうか。またすごいデモが開催されるでしょうか。
この条例、パリとリヨンとグルノーブルで16日から施行。という割には特に取り締まりなどやってなくて。。
昨日テレビを見ていたら「今日(23日)から5の黒は市内乗り入れ禁止です」のアナウンスが。いきなりの通達。
今日は出かける用事があったので、シールがまだ届いてなくて取り締まりしてたら嫌だなと思い、先日添付ファイルで送られてきた証明書をプリントアウトして携帯しておいた。
しかし、ぜんぜん取り締まってない。
家に帰ると郵便ポストに封書が届いてました。
シールがやっと来た。
あんまりフロントにベタベタ貼るの好きじゃないんだ。。ってかまだ貼ってる車がほとんどない。フランスだもん、全員が守ってやるとは到底思えない。
ちなみに、古い車の乗り入れ禁止は平日の日中のみで週末はOKです。
クラシックカーの愛好家もたくさんいるし20年選手の車もまだまだ現役でたくさん走ってます。
今後何かと揉めるだろうなぁ。。
Posted at 2017/01/24 07:17:01 | |
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