実はランボルギーニミウラと共通部分がある!?
Simca1200Sのデザインをもう少し深掘りしたくなった。
フィアット、シムカの2つのメーカー。
ベルトーネ、ピニンファリーナの2つのカロッツェリア。
そしてG.ジウジアーロとM.ガンディーニの2人の巨匠。
これから書く事は全く確証があるものではなく、あくまで推測で…かもしれない…もしくはそうあったらいいなぁ…と言う妄想みたいなものです(^^)
当時1960年代後半、フィアットではフィアット124シリーズが発売されていた。
セダン、クーペ、そしてスパイダーがあった。フィアット124シリーズは社内デザインらしいが、124スポルトクーペはジウジアーロがいた時のベルトーネらしいデザインに見える。特にフロントボンネットからヘッドライトへのラインは117クーペやベルトーネデザインのフィアットディーノに通じる所がある。
フィアット124スポルトクーペ
フィアットディーノ
一方シムカではベルトーネ時代のジウジアーロがデザインしたSimca1000がある。
ボディラインがフィアットディーノと似ているように感じる。
この後ジウジアーロはベルトーネを離れ、ガンディーニが入ってくる。
そして、ベルトーネデザインのランボルギーニミウラが登場。

誰がミウラをデザインしたのか?と言う論争は有名だが、私はやはりベースはジウジアーロがデザインしたのでは、と思っている。ジウジアーロがベルトーネを去った後のガンディーニは、そのデザインを尊重してその後のミウラの開発をしたのではないだろうか。
話をフィアット124シリーズに戻して、今度は124スパイダーだが、このデザインはピニンファリーナが担当している。セダンやクーペに比べると明らかに違うデザインで、ディーノスパイダーでも同じ事が言えると思う。
フィアット124スパイダー

フロントグリルより一段後ろに下がったヘッドライトにより、特徴的なノーズになっている。
そして1968(1967)年にSimca1000から進化したSimca1200Sが登場した。
大きく進化したのはパワーアップしたエンジンのために、フロントにラジエターを持ってきた事。
そしたらこのようなデザインになったのである。
でもなんでこんなデザインになったのだろうか?
一目惚れしてしまったくらいに1200Sのデザインは大好きなんだけど、どうしてもフェイスがピニンファリーナがデザインした124スパイダーに似ているのだ。特にライト周りが。

このボンネット、ヘッドライト、フロントフェンダーが集まる先端の造形は、のちにやはりピニンファリーナがデザインした後期型アウトビアンキA112のヘッドライト周りにも見られ、ピニンファリーナの特徴と考えられる。
そのピニンファリーナの特徴をなぜベルトーネからの1200Sに取り入れられているのか?いったい誰がこのデザインをまとめ上げたのか?
更にこのボンネットに開けられたエアアウトレット。
このアウトレットの造形は

そう、ランボルギーニミウラと共通。
今までの情報と当時の時代背景を考慮して、以下の仮説を立ててみた。
シムカは1000クーペの性能向上を考えていた。ベースはフィアット850スポルトクーペから続くRRであり、パワーアップするためには排気量アップ、ツインキャブ化、そしてフロントラジエター化が不可欠であった。
エンジン排気量1204ccまで拡大し、ソレックスを2掛けとしアバルトに軽いチューンをお願いした。
熱量アップのためにフロントラジエター化したいのだが、どんなデザインがいいのか?シムカはフィアットに相談した。フィアットは124スパイダーを出しており、このフロントの造形ならフロントラジエター化してもデザインのまとまりがいいのでは?と。
そこでシムカは1000クーペをデザインしたベルトーネに1200Sのデザインを依頼、その時の若きチーフデザイナーのガンディーニは、フィアットとシムカの要望をまとめ上げ、更にフロントラジエターからの熱を上に逃がすなら、ちょうどランボルギーニミウラのボンネットエアアウトレットがあるからそれを採用しよう!と。
こうしてグリルが無いシンプルなフェイスのSimca1000から進化したSimca1200Sは
ベルトーネ、ピニンファリーナ、ジウジアーロ、ガンディーニの超豪華合作のシムカ最後のスポーツカー
としてこの世に生まれたのである…
と言う仮説を、夜な夜なジウジアーロやベルトーネが大好きで詳しい友人の方と考えておりました(^^)
個人的にはけっこういい線いってると思うのですが😅
続く
Posted at 2016/11/18 21:43:28 | |
トラックバック(0) |
simca | クルマ