
RX-7 FD3Sの整備書から拾ってきました。
ロータリーエンジンのポートタイミングです。
吸気 :
プライマリー : 開き 45°BTDC ~ 閉じ 50°ABDC
セカンダリー : 開き 32°BTDC ~ 閉じ 50°ABDC
排気 : 開き 75°BBDC ~ 閉じ 48°ATDC
マツダさん!
間違ってますよ!(´Д`;)
本当は
吸気 :
プライマリー : 開き 45°ATDC ~ 閉じ 50°ABDC
セカンダリー : 開き 32°ATDC ~ 閉じ 50°ABDC
排気 : 開き 75°BBDC ~ 閉じ 48°ATDC
でつwww
基本的用語として
TDC :
上死点 (Top Dead Center),
BDC :
下死点 (Bottom Dead Center)
BTDC :
上死点前 (Before Top Dead Center),
ATDC :
上死点後 (After Top Dead Center)
BBDC :
下死点前 (Before Bottom Dead Center),
ABDC :
下死点後 (After Bottom Dead Center)
です。
レシプロエンジンでは上死点と下死点はそれぞれ2つずつあり,上死点と下死点の差は180°です。
一方,ロータリーエンジンでも上死点と下死点はそれぞれ2つずつありますが,燃焼室が移動するためいつが上死点でいつが下死点なのかちょっとわかりにくいですねw
レシプロエンジンと違い,上死点と下死点の差は270°です。
なので,プライマリーポートが開いているのは
-45+270+50=
275°
・・・3/4回転以上,約76%開いていますw
セカンダリーポートは
-32+270+50=
288°
・・・3/4回転ちょっと,80%開いてます。
排気ポートは
75+270+48=
393°
・・・これは1回転以上,約109%開いているんですね。
時間にすると,
600rpmでは1回転0.1秒の間にプライマリーポートは0.0763889秒,セカンダリーポートは0.08秒の吸気時間があり,排気ポートは0.1091667秒の排気時間があるということです。
6000rpmでは1回転0.01秒の間にプライマリーポートは0.00763889秒,セカンダリーポートは0.008秒の吸気時間があり,排気ポートは0.01091667秒の排気時間があるということです。
わかりにくい数字www
実はロータリーエンジンの吸気ポートはエンジンの回転の76~80%は開きっぱなしで,排気ポートにいたってはエンジン1回転以上・・・つまり完全に開きっぱなしということです。
ポート加工するとタイミングが変化しますから,ブリッジポートなんか作ると吸気も開きっぱなしになります。
ペリ吸気も開きっぱなしですねw
ブリッジポートやペリフェラルポートの話はここでは割愛しましょうwww
イメージとして捉えにくいでしょうから,こちらをご覧ください。
13B-REWポートタイミング ノーマル編① 膨張行程~排気行程
13B-REWポートタイミング ノーマル編② 排気行程~吸気行程
13B-REWポートタイミング ノーマル編③ 排気行程~圧縮行程
排気ポートが開きっぱなしということは・・・あれっ?排気管効果はどうなってるの?
実はこの状態でも排気管効果は発揮されています。
でもこの疑問についてはまた今度考えましょうw
1つのハウジングに3つの燃焼室がありますが,前の燃焼室の排気ポートが閉じる前に次の燃焼室の排気ポートが開いています。
隣り合った燃焼室は排気ポートを通じて繋がる一瞬があるということです。
その間約33°・・・時間にすると,600rpmでは0.0091667秒,6000rpmでは0.00091667秒です。
この時に,どこからどこにガスの流れているかは,そこにある空間の形状,各空間内の圧の差,その瞬間のガスの慣性,そしてあいている時間の長さによります。
そしてその間に実は・・・吸気ポートが開き始めます。
吸排気のオーバーラップとは,レシプロエンジンでは1つの燃焼室で排気ポートが閉じる前に吸気ポートを開いて,排気の慣性によって吸気を引き込み,それによって吸気を促進するとともに燃焼室内に残った排ガスの掃気を行うことができる・・・と理解していますが,ロータリーエンジンではそれに+αがあると思われます。
吸排気のオーバーラップが生じるのは排気の上死点を過ぎてからです。
つまり,燃焼室内の排ガスの能動的排気はほぼ終了しており,排気管内の排ガスの慣性による受動的排気しか起こっていません。
上死点を過ぎれば燃焼室の容積は拡大していきますから,これは排気を抑制する力になります。
15°進んだ時点で,排気ポートが閉じ始めると同時に,次の燃焼室の排気ポートが開き始めます。
次の燃焼室内の内圧は非常に高く,排気ポートが開くと同時に一気に排ガスが排気ポート内に噴出してきます。
この時の速い流れが,前の燃焼室内に残った排ガスの排出を促す流れとなります。
これが+αです。
そこから17°進んだところでセカンダリーポートが開き始め(プライマリーポートはさらに+13°),吸排気のオーバーラップが生じます。
そして16°(プライマリーポートでは3°)進む間,オーバーラップによる吸気の促進と掃気が行われます。
ところで,プライマリーポートはずっと開いているけど,セカンダリーポートはずっと開いているわけじゃないよね。
セカンダリーポートが開くタイミング(回転数)はいつなの?(・Д・;)
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RX-7 FD3S の お勉強 | クルマ
Posted at
2009/07/25 13:32:49