前回のブログで終了したと思っている人は大損しましたねw
ここからがいいところなのに(´艸` )プ
前回までに書いたことは総論です。
言ってしまえば,当たり前の話です。
そこは,どんなショップでも,どんなチューナーでもやっていることと思います。
ですよね?www
中村屋の現車合わせは・・・ただ単にデータを打ち込んでいく,それだけの単純な仕事じゃありません。
車の仕様と,打ち込んだデータの整合性を確認していく作業です。
整合性が取れればそれで終わるんです。
何と簡単な話でしょう!・・・と思ってはいけません。
整合性が取れる場合ばかりじゃないのです。
整合性が取れなかった場合・・・ここからが本当の腕の見せ所。
が,それを書く前に,先日受けたセッティングのプロセスの続きを書いていきます。
整備手帳も参考にしてください。
一般的に,セッティングデータはチューナーそれぞれのノウハウが詰まったデータであり,極秘にされることが多いですが,中村屋ではそれを公開することを許可してくださいました。
感謝いたします。
ありがとうございますm(_ _)m
ここに挙げたのはメインマップのみで,これだけ見ただけではECO CPUの全てがわかるわけではなく,このデータをコピーしたらすぐに他の車両にも適合するというものでもありません。
間違ってもこのデータをコピーしたり,データをコピーしただけの偽ECO CPUを大ウソをついて販売しないように!!!
中村屋では業者やショップを通じてのECO CPUの販売は絶対に行っておりません。
ユーザーのみなさんもそういった業者に絶対に騙されないようにしてください!
まず,仕様から想定されるデータより濃い目の燃料噴射量からスタートしていきます。
ECO CPUでは純正のフェイルセーフ機能が活きていますが,いきなりドンピシャのデータ入力は,何かイレギュラーやトラブルがあった場合に危険だからです。
フェイルセーフ機能のないP-FCなどではさらに危険度MAXでつ(@~@;;)
その状態で,実走行を行ないます。
この時,ちゃんと温間モードになっていることを確認します。
(実は第1走目を始めようと思ったらまだ冷間モードでしたw)
つまり,冷却水の水温が80℃を超えていること・・・80℃未満では補正が入ります。
例えば,燃料も濃くなりますし,ブーストカットも入りますよね。
燃費も悪くなりますし,濃すぎる燃料でトルクも出なくなります。
無事暖気が終われば走行テストです。
データが適切に入力されていれば,発進時からトルク感が変わってきます。
坂道発進だって楽になります。
乗った瞬間に違いがわかるということです。
周囲の安全を確認して,アクセル全開!!!
NAなら3000rpmまでをじっくりつ詰めていきますが,FDはターボ車ですからブーストをかけずにセッティングしては意味がありませんw
全開走行でチェックするのは・・・
入れただけの燃料がちゃんと燃えてトルクになっているかどうか。。。
もちろん最初は濃すぎる量を入れていますから充分なトルクは出ていません。
薄める方向でセッティングしていきます。
どの辺がかったるいか,タコメーターとにらめっこです。
各ギアでのブーストコントロールの確認。。。
狙い通りの回転数でブーストが切り替わるかどうか。
プライマリーセカンダリーとも,狙い通りの最大ブースト圧になるかどうか。
狙い通りのオーバーシュートができるかどうか。
それらを2速3速で確認し,どのギアのどの回転数の時に狙いとずれているかをチェックします。
もしずれがあればそれも修正です。
この時,僕のFDはDefiのブースト計なのでデータのロギングができます。
走行後にもそれをチェックして,そのブーストの変化をチェックします。
もしここでブーストの変化に不審な点があれば,なぜそれが起きるのかも考えなければなりません。
タービンやアクチュエーターがちゃんと機能しているかどうかのチェックです。
もちろん,ソレノイドバルブの異常や配管抜け等があれば正常に機能するはずはありません。
それは事前にチェック済みですがw
ブースト計の針が微妙に揺らぐなら,その原因も考えます。
僕の時はバキュームホースの1ヵ所にオリフィスを入れて調整しました。
今の走行状態で確認したことを,いったん戻って設定をし直し,再度確認します。
もちろん,燃料は先ほどよりは薄めになります。
ただし,これは適当に行うのではなく,先ほどの走行時に感じ取ったフィーリングからこれなら大丈夫というデータを入力します。
先ほどのは確認のためのセッティングで,今度のは決めるセッティングですですから。
そして実走行で確認します。
が・・・はて?
やはり高回転でのトルク感が・・・まだ濃い?
ブーストも・・・今一安定しない。
う~ん(@~@;;)
ここからが腕の見せ所です。
いったん戻って再調整です。
で,とっておきの技w
「ブーストプログラムの変更」
実はFDのブーストプログラムは2種類あります。
RS用とRB用。
つまり,280ps用と265ps用です。
この二つはタービンとフロントパイプとブレーキサイズが違うだけじゃありません。
コンピューターも違うのですよ。
それも,データが違うだけじゃなく,プログラムから違うのです。
僕のFDは元々RBですが,RS用タービンにRS用フロントパイプでコンピューターもRS用です。
ですから,最初はRS用プログラムを用いていたのですが,どうもしっくりこないということでこの時点でブーストプログラムをRB用に書き換えました。
パラメーターの変更だけがセッティングではありません。
その車のその仕様に最も適合するプログラムを選ぶこと,これも重要なセッティングの手法です。
合わないプログラムを使っていつまでもデータと格闘するのではなく,合うプログラムをさくっと選べるかどうか,それも匠の技でしょうw
その結果・・・ブーストは狙い通りピタッと揃いましたw
もう一つは燃調。
高回転で今一トルク感がない。
ブーストはきっちりかかっている。
入れただけの燃料が燃えきってなくて,燃料が濃い状態。
そういう状況で,次に行うことは?
燃料をさらに薄くする???
でもね,考えてみてください。
この仕様ならこのデータ!と言えるデータを入力してもなお燃料が濃いとは?
予想されたデータよりもさらに薄めにセッティングしても,まだ濃い???
この段階で,これ以上薄くしていくのは危険だと気付けるかどうか。
燃料が濃い(と感じる)原因が何かあるはずと気付けるかどうか。
そこで踏み留められるかどうか。
燃料が濃い・・・つまり燃えきっていない・・・薄くしても燃えきらない・・・
ここで考えなければいけないのは,
点火系トラブル。
「よい燃焼」に必要な要素・・・「よい混合気」,「よい圧縮」,「よい火花」,この3要素を考えた時,混合気はいろいろとデータを変えて検証し,圧縮は平均9.2ある状態で,疑わしいのは点火。
それに加えて僕のFDの場合には2つの不安要素がある。
一つはエンジンマウント。
いわゆる強化マウントやリジッドマウントとは違い,ハイブリッドで低負荷時には純正に近いフィーリングで,高負荷時にはリジッドに近い挙動をするエンジンマウントですが,高負荷時にリジッドに近くなるということは・・・ノックセンサーがノッキング以外の音を拾ってしまう可能性があるということ。
これはリジッドマウントの弱点とも言うべき点です。
ECUはノックセンサーからの信号を感知して点火リダードを入れた可能性がある。
もう一つはマフラー。
いわゆる砲弾型マフラーの弱点は,消音のために内径を細くせざるを得ないということ。
大きなサイレンサーを付けられないから。
つまり,タービン後にフロントパイプ→触媒と徐々に内径が拡大しているところで,出口付近でマフラーがキュッと狭くなってしまっていては抜けが悪くなってしまう。
ここで損をしている可能性がある。
この時点での最終セッティング内容は
整備手帳を見てください。
次回のセッティングで,答えが出るかもしれません。