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2009年12月30日 イイね!

現車合わせ後のブースト変化をチラッと見せます

現車合わせ後のブースト変化をチラッと見せますこういうのもなかなか公開してくれるところは少ないですよね。
しかも動画です。
本当はタコメーターとスピードメーターも同時にお見せできればいいんでしょうけどねぇ(´~`)
そこはハードウェアの問題で不可能ですw

2速で加速していき,シングルからツインに切り替わるところ,およびその後一端アクセルを抜いて踏み直しをしてみたところです。
サーキット走行でよくあるシチュエーションです。



狙い通りの完璧な出来栄えですo(^-^)o



ちなみにこれ,実走行です!
決してシャシダイとかじゃありません。
結構レスポンスいいと思いません?

そして驚くなかれ,いわゆるシーケンシャルの谷間を一切感じさせません(≧∀≦)
メーター見ずに乗っていたらシングルからツインに切り替わったのが全くわかりません。

ツインに切り替わって一瞬のオーバーシュート(これも狙い通り)後に0.7位まで下がりますよね。
これも狙い通りです。
詳しくは関連情報をご覧くださいw

Posted at 2009/12/30 22:33:02 | コメント(0) | トラックバック(2) | 現車合わせとは | クルマ
2009年12月09日 イイね!

僕の体験した「実走行による現車合わせ」 その3

僕の体験した「実走行による現車合わせ」 その3前回のブログで終了したと思っている人は大損しましたねw
ここからがいいところなのに(´艸` )プ


前回までに書いたことは総論です。
言ってしまえば,当たり前の話です。
そこは,どんなショップでも,どんなチューナーでもやっていることと思います。
ですよね?www

中村屋の現車合わせは・・・ただ単にデータを打ち込んでいく,それだけの単純な仕事じゃありません。
車の仕様と,打ち込んだデータの整合性を確認していく作業です。
整合性が取れればそれで終わるんです。
何と簡単な話でしょう!・・・と思ってはいけません。
整合性が取れる場合ばかりじゃないのです。
整合性が取れなかった場合・・・ここからが本当の腕の見せ所。
が,それを書く前に,先日受けたセッティングのプロセスの続きを書いていきます。
整備手帳も参考にしてください。
一般的に,セッティングデータはチューナーそれぞれのノウハウが詰まったデータであり,極秘にされることが多いですが,中村屋ではそれを公開することを許可してくださいました。
感謝いたします。
ありがとうございますm(_ _)m
ここに挙げたのはメインマップのみで,これだけ見ただけではECO CPUの全てがわかるわけではなく,このデータをコピーしたらすぐに他の車両にも適合するというものでもありません。
間違ってもこのデータをコピーしたり,データをコピーしただけの偽ECO CPUを大ウソをついて販売しないように!!!
中村屋では業者やショップを通じてのECO CPUの販売は絶対に行っておりません。
ユーザーのみなさんもそういった業者に絶対に騙されないようにしてください!



まず,仕様から想定されるデータより濃い目の燃料噴射量からスタートしていきます。
ECO CPUでは純正のフェイルセーフ機能が活きていますが,いきなりドンピシャのデータ入力は,何かイレギュラーやトラブルがあった場合に危険だからです。
フェイルセーフ機能のないP-FCなどではさらに危険度MAXでつ(@~@;;)
その状態で,実走行を行ないます。
この時,ちゃんと温間モードになっていることを確認します。
(実は第1走目を始めようと思ったらまだ冷間モードでしたw)
つまり,冷却水の水温が80℃を超えていること・・・80℃未満では補正が入ります。
例えば,燃料も濃くなりますし,ブーストカットも入りますよね。
燃費も悪くなりますし,濃すぎる燃料でトルクも出なくなります。
無事暖気が終われば走行テストです。
データが適切に入力されていれば,発進時からトルク感が変わってきます。
坂道発進だって楽になります。
乗った瞬間に違いがわかるということです。
周囲の安全を確認して,アクセル全開!!!
NAなら3000rpmまでをじっくりつ詰めていきますが,FDはターボ車ですからブーストをかけずにセッティングしては意味がありませんw


全開走行でチェックするのは・・・

入れただけの燃料がちゃんと燃えてトルクになっているかどうか。。。
 もちろん最初は濃すぎる量を入れていますから充分なトルクは出ていません。
 薄める方向でセッティングしていきます。
 どの辺がかったるいか,タコメーターとにらめっこです。

各ギアでのブーストコントロールの確認。。。
 狙い通りの回転数でブーストが切り替わるかどうか。
 プライマリーセカンダリーとも,狙い通りの最大ブースト圧になるかどうか。
 狙い通りのオーバーシュートができるかどうか。
 それらを2速3速で確認し,どのギアのどの回転数の時に狙いとずれているかをチェックします。
 もしずれがあればそれも修正です。
 この時,僕のFDはDefiのブースト計なのでデータのロギングができます。
 走行後にもそれをチェックして,そのブーストの変化をチェックします。
 もしここでブーストの変化に不審な点があれば,なぜそれが起きるのかも考えなければなりません。
 タービンやアクチュエーターがちゃんと機能しているかどうかのチェックです。
 もちろん,ソレノイドバルブの異常や配管抜け等があれば正常に機能するはずはありません。
 それは事前にチェック済みですがw
 ブースト計の針が微妙に揺らぐなら,その原因も考えます。
 僕の時はバキュームホースの1ヵ所にオリフィスを入れて調整しました。


今の走行状態で確認したことを,いったん戻って設定をし直し,再度確認します。
もちろん,燃料は先ほどよりは薄めになります。
ただし,これは適当に行うのではなく,先ほどの走行時に感じ取ったフィーリングからこれなら大丈夫というデータを入力します。
先ほどのは確認のためのセッティングで,今度のは決めるセッティングですですから。


そして実走行で確認します。

が・・・はて?
やはり高回転でのトルク感が・・・まだ濃い?
ブーストも・・・今一安定しない。

う~ん(@~@;;)

ここからが腕の見せ所です。

いったん戻って再調整です。
で,とっておきの技w
「ブーストプログラムの変更」
実はFDのブーストプログラムは2種類あります。
RS用とRB用。
つまり,280ps用と265ps用です。
この二つはタービンとフロントパイプとブレーキサイズが違うだけじゃありません。
コンピューターも違うのですよ。
それも,データが違うだけじゃなく,プログラムから違うのです。
僕のFDは元々RBですが,RS用タービンにRS用フロントパイプでコンピューターもRS用です。
ですから,最初はRS用プログラムを用いていたのですが,どうもしっくりこないということでこの時点でブーストプログラムをRB用に書き換えました。
パラメーターの変更だけがセッティングではありません。
その車のその仕様に最も適合するプログラムを選ぶこと,これも重要なセッティングの手法です。
合わないプログラムを使っていつまでもデータと格闘するのではなく,合うプログラムをさくっと選べるかどうか,それも匠の技でしょうw
その結果・・・ブーストは狙い通りピタッと揃いましたw

もう一つは燃調。
高回転で今一トルク感がない。
ブーストはきっちりかかっている。
入れただけの燃料が燃えきってなくて,燃料が濃い状態。
そういう状況で,次に行うことは?
燃料をさらに薄くする???
でもね,考えてみてください。
この仕様ならこのデータ!と言えるデータを入力してもなお燃料が濃いとは?
予想されたデータよりもさらに薄めにセッティングしても,まだ濃い???
この段階で,これ以上薄くしていくのは危険だと気付けるかどうか。
燃料が濃い(と感じる)原因が何かあるはずと気付けるかどうか。
そこで踏み留められるかどうか。

燃料が濃い・・・つまり燃えきっていない・・・薄くしても燃えきらない・・・
ここで考えなければいけないのは,点火系トラブル
「よい燃焼」に必要な要素・・・「よい混合気」,「よい圧縮」,「よい火花」,この3要素を考えた時,混合気はいろいろとデータを変えて検証し,圧縮は平均9.2ある状態で,疑わしいのは点火。

それに加えて僕のFDの場合には2つの不安要素がある。
一つはエンジンマウント。
いわゆる強化マウントやリジッドマウントとは違い,ハイブリッドで低負荷時には純正に近いフィーリングで,高負荷時にはリジッドに近い挙動をするエンジンマウントですが,高負荷時にリジッドに近くなるということは・・・ノックセンサーがノッキング以外の音を拾ってしまう可能性があるということ。
これはリジッドマウントの弱点とも言うべき点です。
ECUはノックセンサーからの信号を感知して点火リダードを入れた可能性がある。
もう一つはマフラー。
いわゆる砲弾型マフラーの弱点は,消音のために内径を細くせざるを得ないということ。
大きなサイレンサーを付けられないから。
つまり,タービン後にフロントパイプ→触媒と徐々に内径が拡大しているところで,出口付近でマフラーがキュッと狭くなってしまっていては抜けが悪くなってしまう。
ここで損をしている可能性がある。


この時点での最終セッティング内容は整備手帳を見てください。
次回のセッティングで,答えが出るかもしれません。
Posted at 2009/12/09 21:15:10 | コメント(3) | トラックバック(2) | 現車合わせとは | クルマ
2009年12月07日 イイね!

僕の体験した「実走行による現車合わせ」 その2

僕の体験した「実走行による現車合わせ」 その2前回のブログを見て,
「何だよ,まだまだ全然本題に入ってないじゃんw」
と思った方はまずはコチラをご覧ください。

車がどういう状態か把握すること,現車合わせはそこから始まるのです。
だからこそ“現車”合わせなのです。


この段階までが完璧であれば,実はそこから先はそんなに時間がかからないこともあります。
仕様に合わせたデータを打ち込み,実走行でそれを確認するだけで済むことだってあり得ます。
ですが,どこかにイレギュラーな仕様があったり,トラブルがあると,ブーストが不安定になったり,レスポンスが落ちたり,トルク感が失われたり,様々な問題を来たします。

 この仕様で - このセッティングなら - こうなるはず!(・∀・)

それが予想通りにならなければ,その原因を探らなければなりません。
予想以上に良かったのか,予想以上に悪かったのか。
そしてそれは仕方ないものなのか,放っておけない事態なのか。
イレギュラーな部分が多ければ多いほど,原因の検索には時間を費やします。
そこに,どこかトラブルが加われば・・・
イレギュラーが1個2個ならまだいいでしょう。
5個にもなれば,それの中でどれが問題の原因になっているのかを探るためには最大で32通りものパターンを試す必要が出てきます。
10個だと1024通りです。
過去のデータと照らし合わせながらの作業です。
マップだって1つじゃありません。
大変な作業でしょ。
トラブルシューティングをやったことがある人なら,これがどんなに大変な作業かお分かりいただけると思います。
時には答えがないことだってありうるのですから。

トラブルシューティングについてはまた今度機会がある時に述べましょうw



いよいよコンピューターのセッティングに入ります。
その前に,まずは試走です。
現在の仕様に対して,今のセッティングでどういう状態になるのか,それを把握しなければそこから先の書き換えなんてできませんよねw
状態を把握している車であれば先に必要最低限の書き換えを行なってから試走っていうこともあるでしょうが。
絶対の自信を持って行うのでなければ,まずは燃料は濃い目からのスタートです。
いきなり薄くすると,下手すればブローの危険性もあるから。
どこにどんなイレギュラーやトラブルが潜んでいるともいないとも限りませんから。
ダイアグでひっかかるような異常であればフェイルセーフが働きますが,全てがそうとは限りませんからね。
ま,走る前に(というより,中村屋に車を持ち込む前に)ダイアグで異常がないことは確認しておかないといけませんがwww

ここから先は仕様とマップやプログラムの内容とを照らし合わせていく作業です。
確認して,書き換えて,確認して・・・
簡単に言ってしまえば,この作業の繰り返しに過ぎません。
っていうか,言葉にするとなんて簡単なんだろう(´・∀・`;)

確認するポイントは大きく2つ。
入れただけの燃料がちゃんと燃えて,そしてトルクに変わっているかどうか。
ブーストの制御が狙い通りにできているかどうか。



を!
ではここでCMの時間ですw
Posted at 2009/12/07 16:23:22 | コメント(2) | トラックバック(1) | 現車合わせとは | クルマ
2009年12月06日 イイね!

僕の体験した「実走行による現車合わせ」 その1

僕の体験した「実走行による現車合わせ」 その1これは僕の体験談です。

これを読んで,現車合わせとは何か,考えてみてください。

コンピューターの現車合わせは,ただ単にコンピューターのパラメーターをいじることではありません。

車にどこか問題はないか,それを見極める力も必要になります。

そしてある時は,車の仕様を変更したり,プログラムさえも書き換えてしまう,その判断力も必要になるのです。



それはまずは車の仕様の確認から始まります。
エンジンは,プラグは,タービンは,エアクリは,フロントパイプは,触媒は,マフラーは・・・
事前にメール等でもやり取りできますが,実際に目で見て確認することも必要です。
思っていたのと違うものが付いていることもあります。
そして,その程度も問題。
新品ならまだしも,中古であれば多かれ少なかれ傷んできています。
傷み方によっては交換を余儀なくされるパーツだってあります。
プラグの焼け具合,エンジンの圧縮も,セッティング前には確認が必要です。
エンジンがどんな状態か把握できていなければセッティングなんてできません。
その他にも,補器類の隅々に至るまでチェックが行われます。
気になる問題点はないか,見落とすと致命的にもなりかねないものだってあります。

ここまでは,どこのショップでもやっていますよね?
当たり前ですよね?

実は僕はこの段階で何度か門前払いを食らっています。
 パワステのオイル漏れ。
 エンジンの圧縮低下。
 エンジンの水漏れ。
 クラッチの異音。
 プラグの焼け具合の前後不均等。
  などなど

中村屋にコンピューターのセッティングに行くと,門前払いを食らうケースは決して少なくありません。
アソコが悪い,ココが問題と,まるで口うるさいガンコ親父のように(w)いろいろと注文を付けられたりします。
これは決していじめとか手抜きとか怠慢とかどSだからとかじゃありませんw
考えてみてください。
みなさん,コンピューターのセッティングを依頼しに中村屋を訪れるわけです。
そして,コンピューターのセッティングとは・・・チューニングの最終作業です。
全てのパーツが有効に機能しているからこそ,セッティングが行えるのです。
どこかに不具合があるのをごまかすのがセッティングではありません。
不具合があるなら,まずそれを直す・・・至極当たり前のことでしょう。
不具合を直すのは誰の役割ですか?
オーナーのみなさんの役割であり,その車に携わってきたチューナーの役割でしょう。
むしろ,不具合を見つけてくれたこと,問題点を指摘してくれたことに感謝しなければなりません。
そうでしょ?みなさん。

でもね,わざわざ遠方から休日を返上して足を運んで来たのに,もう一度出直してこいは・・・
せめてここで何とか直してくれないの?

そうおっしゃられる気持ちはわかります。
ただ,中村屋を訪れたあなたならおわかりでしょう・・・どこにそんなパーツの在庫がありますか???

大手のRE専門店に慣れている人は,行けば必ずパーツがあると思い込んでいます。
そういうところは顧客数も多く,パーツを在庫していてもさばくことができるから在庫をしているのであって,中古パーツの在庫だって持っています。
でも中村屋はそういうところとはスタンスが全く違います。
お世辞にも大きいとはいえない店構えで,在庫をたくさん抱え込むようなスペースもなければ,いろいろパーツを売りさばくような商売の方針でもありません。
コンピューターはいろいろ転がっていますよw
でもそれも何十個も在庫しているわけじゃありません。
必要な時に必要なだけそろえる。
一般の整備工場と同じですよ。

確かにそうなんだ。
顧客の満足度を上げるためには,「行ばすぐ何とかなる」っていうのは重要な要素。
でも,それをするのは大変なことなんだ。
大手のRE専門店は,専門店だからこそ,まだそれを何とかやっていけるのです。
FCとFDしか来ないから,FCとFDのパーツを在庫できるし,顧客が多いから商品の回転も速いから在庫できるし,同じようなショップが立ち並んでいると競争もあるのでそれに勝たなければならない。
「アソコに行けばすぐに対応できるからアソコに行く」
それを大事にしているところもあります。
これはユーザーにとって非常にありがたいことだし,そういうショップはこれからもその方針を存続してもらいたいと思います。
でも,いざそれに慣れてしまうと,どこに行ってもすぐに何でも何とかしてくれると“錯覚”してしまうんですよね,ユーザーって。
チューニングショップのコンビニ化・・・とでも言いましょうか。
どこの業界も同じだなw

中村さんだってね,無下にみんなを断っているわけじゃないのよ。
その場で簡単にできる修理はしてくれます。
平日ならディーラーに在庫がないか確認して,あれば取り付けもやってくれたりもします。
でもね,簡単じゃないものもあるでしょ。
はずしたはいいけど,パーツもないし,時間もないし,このまま置いて帰る?ってことになったらどうします?
中村さんはいつもそれを心配しています。
特に遠方から来てくれた人は,帰る足の心配をしないといけない。
それなら,そのまま戻って修理してから出直してきてもらった方がいいでしょ。

それと,全てが純正の状態であればまだしも,既に誰かの手が入った状態の車をいじるということは,予期せぬところに配線があったり,予想だにしないような付け方をしていたり,ワンオフのパーツであればなおさらで,付けた人にしか触れないようなものもあるし,見てすぐ全てがわかるわけじゃないから,手が出せないものだってある。
そういうものは,やった人が直すのが一番いいのです。

ほかにも,ここに書けないようないろいろな点を心配してくれていて,それであえて中村屋で修理せずに門前払いをして行きつけのショップやディーラーで直してもらうようにしているのです。
結局は,今後も普段はそこのお世話になるのですから。

何にしても,車を万全の状態で持ち込むこと,それがオーナーに課せられた使命とも言えます。
え?大げさ?www
でもそれって,当たり前の話なのよね。
故障を修理に行くんじゃなくて,コンピューターのセッティングに行くのだから。
故障の修理に来たのなら,まずどこに問題があってどうやって直すか,必要なパーツを発注して・・・
それは中村屋に行くまでにやっとかないとね。

だってね,何度も言いますが,修理に来たのではなくてセッティングに来たのでしょう?
そのために必要なことは前もって確認して,準備しておかないと。
そんなのわからないって言うのなら,一度確認してみればいい。
しかも実車を持って。
どこをどうするのがいいか,相談すればいい。
その上でもう一度出直せばいい,ただそれだけの話。
難しいことじゃない。
時間はかかるかもしれないけど,それが一番確実。


長くなったね。
いったんここで切ります。
Posted at 2009/12/06 20:26:58 | コメント(4) | トラックバック(2) | 現車合わせとは | クルマ
2009年12月05日 イイね!

シャシダイによる現車合わせと実走行による現車合わせ

シャシダイによる現車合わせと実走行による現車合わせシャシダイでの現車あわせに疑問を感じている人も多いと思います。
風が吹かない,抵抗がない,縦横のGがない。。。

一方で,100km/hを超えるような高速で実走行での現車あわせは危険だからシャシダイが必要になるのはわかります。
実走行でセッティングすると時間と労力がかかるのもわかります。

一長一短あることは認めます。

究極を言えば,その車の仕様用途に合わせた状況でセッティングは行うべき。
街乗りしかしない車であれば,街乗りでセッティングすればいい。
サーキットを走るのなら,サーキットでセッティングすればいい。
その上で詰め切れないところをシャシダイで補うのならわかります。
あるいは,シャシダイである程度のセッティングをしておき,実走行で最終的な詰めを行うのならわかります。

そもそも,どんなにシャシダイの上でがんばったって,そこで実走行を正確にシミュレートすることなんてできない。

それはみんな感じていると思う。

様々な車種の様々なデータを持っているメーカーですら,テストコースを持っているし,わざわざ外国に行って実走行でテストを積み重ねているのは,シャシダイの上では再現できないあらゆる可能性を想定しなければならないからでしょう。
メーカーはその車にどんな人がどんな風に乗るかわからないから,チューニングカー以上にありとあらゆる状況を想定してテストを積み重ねなければならないというのもありますが。


素人でもわかるシャシダイの問題点を挙げてみましょう。

1.風と熱の問題
シャシダイの上では風は吹きません。
ファンを回すから風は吹くって?
そのファンはどこに当てていますか?
車は,走行中にはいたるところに走行風が当たっています。
しかも,車速に応じて変化します。
その走行風は,ラジエターだけじゃない,インタークーラーだけじゃない,車全体を包み込んで流れます。
シャシダイ上でのセッティングの時,ボンネットは開けたままですよね?
走行時のボンネットによるエアロダイナミクスは無視ですよね?
フロア下のエアロダイナミクスは無視ですよね?
ミッションやデフにも風を送って冷却していますか?
タイヤやブレーキはどうですか?
ファンの数を増やせばいいっていうもんじゃありません。
実走行時には,全ての走行風が同調しているのです。
フロア下に陰圧ができるからこそ,エンジンルーム内の掃気ができ,バンパー開口部から導風ができるのです。
そして,エンジンルームから掃気された空気がミッションやデフを冷却する効果もあります。
しかもそれは走行速度に応じて変化します。
20km/hで走行すれば20km/hの走行風で,50km/hで走行すれば50km/hの走行風で,100km/hで走行すれば100km/hの走行風です。
さらにその風は,ただ単に速度に比例して増減するというものではなく,様々に変化します。
それは,実走行でしか再現できない。
吹く風が違うということは,ラジエターやインタークーラーやオイルクーラーや・・・様々なところの熱に影響を及ぼします。
例えばインタークーラー。
50km/hで走る時と100km/hで走る時ではインタークーラーによる冷却効果は雲泥の差です。
これをシャシダイの上で再現できますか?
もう一つ大きな問題が。
シャシダイがセットされている所ってどんな所ですか?
狭い空間ですよね。
完全に閉鎖された空間・・・っていうことはないでしょうが,多くは後方だけが開かれた半閉鎖空間だと思います。
後方が開かれる理由・・・排ガスと排気音を開放するためです。
その半閉鎖空間で,吸気って,どこから入ってきますか?
室内の生暖かい空気が循環しているだけ?
ちゃんと実走行と同じように新鮮な空気が導入されているかどうか,その点も気をつけてよく見てください。

2.抵抗の問題
車は抵抗に逆らって前に進みます。
エンジンは抵抗に逆らって回転しています。
加速時にも,減速時にも,抵抗は発生します。
その抵抗は,タイヤの回転によるものだけじゃありません。
風圧という抵抗もあります。
多くのシャシダイでは走行時の抵抗を再現することはできません。
いくら抵抗を加えられるシャシダイだといっても,それを正確に再現はできません。
シャシダイでのセッティングやパワー測定を見たことがある人なら,エンジンがストレスなく吹け上がっていくのを目にしたことがあるでしょう。
実走行であんなに簡単にREVまで回転が上がりますか?
まるでアイドリング中にエンジン吹かしたような感覚じゃありません?

3.縦横のGがない・・・
Gがかからない状態で,車の状態を本当に把握できるのかどうか・・・
質量があるものは全てGの影響を受けます。
空気の流れですら。
それを再現できないシャシダイの上で,本当に正確なセッティングができるのかどうか。
特に,マージンを削ってギリギリのところを狙ってのセッティングであればそれを無視していいものか・・・
それと,これはドライバーの感性によりますが,乗った時のフィーリング。
人間の身体にはGセンサーがありますからねw
車の加速感の不調は,かったるい,つきが悪い,重い・・・様々な表現をされますが,それをシャシダイの上で感じ取れるかどうか。
これは絶対にムリですよね。

4.超低速時のフィーリング
セッティングをしたあと,坂道発進がしやすくなったって言う経験,ありますか?
シャシダイではそれをどうやってシミュレートしてチェックするんでしょう。
実走行ならいくらでもできますよねw


「それら全てを経験と豊富な過去のデータで補うのだ」

ごもっともな意見です。
セッティングを行うチューナーの経験を否定はしませんし,過去のデータの否定もしません。
むしろ,それらが非常に重要な要素であることは認識しており,尊重しています。

だからこそ訴えかけたいのです。
ならば,実走行の経験に勝るものがありますか?
実際にシャシダイでセッティングをしているチューナーも多いと思います。
でも,やはりシャシダイの上でのセッティングには不満を持っていると思います。
だからこそ,いろいろな工夫をしているんですよね?
そして,シャシダイがあるのに,実走行でセッティングをしている方もおられますよね。
みんな本当は実走行でのセッティングに勝るものはないと,感じているんじゃないですか?

ならば・・・
もうちょっと,実走行でのセッティングを見直してみませんか?
実走行でのセッティングをしてみませんか?


それと・・・
エンジン,コンピューター以外にも,実走行じゃないとわからないものもたくさんありますよね。
足の動きとか,Gがかかった状態でのミッションの入り具合とか,ブレーキバランスとか,車体の剛性とか,シートポジションとか,ステアリング性能とか,デフの具合のよしあしとか・・・
そういうところにまで目を配ってくれると,ユーザーとしてはうれしいもんですよ。


次回は,実走行による現車合わせの例について書いてみます。
Posted at 2009/12/05 14:48:30 | コメント(4) | トラックバック(1) | 現車合わせとは | クルマ

プロフィール

「電動キックボードは欠陥商品である http://cvw.jp/b/273690/47080557/
何シテル?   07/11 17:42
引っ越しを検討中です。。。 戻ってくるかどうかは・・・みんカラ次第
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