「Vマウントの問題点」で述べてきましたが,エアクリーナーに絞ってシングルカットしますwww
「Vマウントの問題点」を読んだ方には同じ話の繰り返しになります。
純正のエアクリや純正形状のエアクリから,吸気効率を優先してむき出し型のエアクリ,いわゆる“毒キノコ”に交換している人がいます。
某ーシングサクションや某アインクスなんかが有名ですね。
ああいうタイプのエアクリは,確かに吸気効率はアップしますので,それだけでパワーアップもするでしょう。
多くの人はこれに大喜びして飛びつきます。
何の疑問も持たずに・・・
ですがですが,それってどこの空気を吸っていますか?
純正エアクリや純正形状のエアクリはバンパーの開口部から外気を吸いこんでいます。
むき出し毒キノコは?
エンジンルームの中の空気を吸っていますよね。
さて,その温度っていったい何℃でしょう?
何℃だったとしても,インタークーラーで冷やされるから大丈夫?
そうではないことを身をもって証明してくれた方がおられますけど,その結果を見てもなお,あなたは大丈夫と言いきれますか?
一部の人はこう言います。
エアクリーナーの周りにボックスや遮熱板を作ったって,時間がたてばボックスそのものが温まって熱を持つから同じことだ,とか,
温まってしまってからはむしろその熱でエアクリが吸い込む空気が温められて逆効果だよ,とか。
実はこれらの説明は根拠のない真っ赤なウソです。
簡単に説明します。
ボックスの外の空気の温度が200℃だったとします。
ボックスは徐々に温められて,本当に200℃になってしまったとします。
さて,ボックスの中の空気は200℃になりますか?
ボックスの中は,絶えず空気の流れがあり,外気がエアクリに向かって吸い込まれています。
外気の温度が50℃だったとしても,絶えず入れ替わり立ち替わり新鮮な空気がそこを通過しているのですから,一瞬で200℃になるようなことでもなければせいぜいこの空気の温度は70~80℃に温められる程度がいいところでしょう。
もう一つ言えば,この内部に吸い込まれてくる外気は,ボックスを内部から冷やす効果もありますので,ボックスの外壁は200℃だったとしても内壁は200℃まで達していません。
では,このボックスを取り払うとどうなるかというと・・・エアクリは200℃の空気をもろに吸ってしまうことになります。
さぁ,これでもボックスの効果は全くないと言い切れますか?
もちろん,ボックスの存在はそれ自体が吸気抵抗を産み出すことになり,パワーダウンは避けられないでしょう。
ですが,ボックスがない場合にはいきなり高温に熱せられた空気を吸気することによって,結果的にエンジンに吸気される吸気温も上がり,パワーダウンしてしまいます。
どちらがエンジンやタービンにとって優しいでしょう?
吸気効率ばかりに目を向けて宣伝しているむき出し型毒キノコには,このような弊害があるのです。
特に車種によってはエンジンルームのレイアウトの関係上,むき出し型のエアクリに置換した時に,外気の取り入れ口からエアクリまでの距離が遠くなり,その悪影響が顕著に出るものもあります。
なお,ボックスの周りの空気の温度が200℃だなんていうのは例え話ですので,本当に200℃なんだとか思わないようにwww
そこら辺りの問題に気付いているショップであればこういったパーツをただ取り付けるのではなく,取り付ける際にエアクリでの吸気温度をいかにして下げるかの工夫をしてくれています。
ダクトを引いたり,エアクリの接続部を延長してできるだけエンジンルームの前方に近づけたり,遮熱板を設置したり。
そこら辺の理解のないところであれば,ラジエターやインタークーラーへの導風板を設置する際にサイドも完全に塞いでしまってバンパー開口部からエアクリへの空気の流れを遮断する・・・なんてことも平気でやっているかもしれません。
僕のFDはここのところにエアクリに向かうように吸気口を作ってもらっています。
バンパー開口部から覗き込むと,ちょうど黄色い毒キノコが見えますwww
どうなっているのかは整備手帳をご覧になって探してみてください。
むき出し型エアクリの持つもう一つの問題点があるのですが,それは
この方のブログをご覧になってくださればおわかりいただけると思います。
さぁ,これでもあなたは安易にむき出し型のエアクリに交換しますか?
パワーを追求すれば耐久性は犠牲になる・・・なんていう言葉にだまされていませんか?
エアクリ交換したくらいで得られるパワーではエンジンは簡単に壊れません。
いえ,むしろ,全開走行時には吸気温度も上がってしまってパワーすら得られていませんよ。
条件のいい状態でシャシダイでパワーチェックすればパワーが得られたように錯覚しますが,その条件を維持したまま全開走行を行うことなど到底不可能なのですから。
パワーを追求することによって結局パワーも得られず,エンジンブローの危険性を増すだけになっていませんか?
壊れる理由は他にあるのですよ。
もう一度,あなたの車のエンジンルームレイアウト,見直ししてみませんか?
せっかくのむき出し型のエアクリが,本来の性能を引き出せないまま,危険なパーツになりさがっていませんか?