
エコだエコだと言っていますが,
エコカーに買い替えるのがエコだなんて何も考えずに信じている人がいたらアフォだと思います。
みんな気付いてますよね?
エコカーに乗り換えて,どれだけエネルギー消費が減りましたか?
ガソリンの消費量じゃないですよ。
“エネルギーの消費量”ですよ。
本当に減っていますか?
まぁ,減っているとして,いったいどのくらい減りましたか?
ところで,あなたはその車に何年乗りますか?
前の車は何年乗りましたか?
あなたが前に乗っていた車が1カ月あたりに消費するエネルギーの量を“E1”,排出する有害ガスの量を“G1”とします。
乗り換えたエコカーが1カ月あたりに消費するエネルギーの量を“E2”,排出する有害ガスの量を“G2”とします。
理想的なエコカーであれば
E1>E2 G1>G2
でしょう。
たとえば5年後に車を買い替えるとして,もし前の車にそのまま乗っていた場合と比較してみると・・・
エネルギー消費量と有害ガス発生量はそれぞれ
(E1-E2)×60 (G1-G2)×60
だけ減ったことになります。
よかったですね。
ところで,あなたが買ったそのエコカーを作るのに,どれだけのエネルギーを消費して,どれだけの有害ガスが発生したでしょう?
知らないですよね?
その数値が先に計算した
(E1-E2)×60 (G1-G2)×60
よりも少なければエコといってもいいかもしれませんが・・・
どうですか?
エコカーを作り,それに乗ることは短期的にはあまり大きな効力はありません。
ですが,これだけの車社会ですから,車のエネルギー消費量を抑え,有害ガス排出量を抑えることは意味のないことではありません。
絶対に取り組んでいかなければならない課題です。
長い目で見れば,必ずそれはエコにつながっていくでしょう。
ですが,もっと身近で簡単にできるエコがあるのを,見逃していませんか?
リサイクル,リユースという概念は,車に関しては古くから浸透していた概念です。
それこそ,エコロジーなんていう概念ができるよりもはるか前から“中古車”の売買という形で実践されてきました。
車は,壊れてしまえばただの鉄くずです。
これを処理して新しい鉄やアルミなどに分離,精製するのに,大量のエネルギーを消費します。
そして新しいパーツを作って,車として組み上げ,市場に出てくるまでにさらにエネルギーは大量に消費されます。
そもそも,新車の販売なんていうのは,そういう過程を得て大量のエネルギーを消費しているのですから,新車がたくさんたくさん売れましたということは,たくさんのエネルギーを消費しまくりましたということに等しいのです。
そんなことはわかっていますよね。
だからといって,僕は新車を売るなとか開発するななんて言うつもりは毛頭ありません。
様々な効率を追究して,理想の車を作っていくことは必要です。
それと並行して,もっと力を入れていかなければならない分野があります。
それは,先ほどもちらっと話に出しましたが“中古車販売”です。
中古車はしょせん中古車だから,どこか壊れてたり,不具合があってもしょうがない。
そう思っていませんか?
だから中古車には手を出しにくいですよね。
消費者にそう思わせてしまうという時点で,そもそも間違っているのだと思います。
消費者にそう思わせているということは,これは中古車販売業界の敗北です。
ちゃんと直す力がない。
ちゃんと直す意思がない。
結局はそういうことですよね?
そして,
不具合があっても走れればいいんだから
黙っとけばわからないから大丈夫
壊れても「中古だからしょうがないですよ」って言っとけばいいいんだよ
「知りませんでした」って言っとけば大丈夫
買う前に試乗して確かめたでしょ?
買った後に壊れたんじゃないですか?
とか何とかうまくごまかして買ったユーザーが泣き寝入り。。。
そういう世界だから信用できない!!!
中古車と中古車販売業者にもちゃんとしたランク付けを行うべきだと思います。
車検よりも厳しい基準で車の状態をチェックし,フレームのゆがみのチェック,事故・修復歴のチェック,内装・外装の損傷のチェック,細かいオプションパーツまでもチェックし,新車に近い状態にまで仕上げたものから,とりあえず走行に支障のないレベルのものまでをランク付け。
それも,中古車販売業者が各社が独自の基準でチェックしましたなんていうものは全く当てにならないので,第3者機関のチェックと認定を受けるような制度を作っていけばいいと思います。
そして,国も変なとこに補助金を出すんじゃなくて,こういうところに補助金を出していけばいいと思います。
修理にお金がかかるけど,国から補助が出るのならやってみよう・・・って,思いますよね?
ETCの補助金ごときでこれだけ盛り上がるんですから。
中古車を買う時も,みんなが求めているのは結局は“安心”だと思うのです。
現状ではそれがないからみんな中古車に手を出さないか,あるいは不具合があってもあきらめて泣き寝入りしているか・・・
安心が手に入るなら,多少高くても程度のいい方を選びますよね。
車に関しては,最大のエコ市場であるはずの中古車販売をもっと活性化させ,みなが安心して中古車を買えるように整備していくことが必要と思います。
そういう意味で,業界の担う責任は大きなものがあります。
なんでもいいから売ればいいという時代はもう終わりにしませんか。
その仕事にプライドがあるのであれば,中古車を本当の意味で細部にわたって新車並みに修復してやろうとは思いませんか?
ただ右から左へ流すのではなく,塗装だけきれいに直したりするのではなく,見えないパーツも完ぺきに仕上げてみませんか?
エコカーに買い替えることはエコじゃありません。
買い替えることによって新たな中古車が市場に出てきます。
それをどうするか,そこまで考えてないと,あなたもただの似非エコロジストです。
そして,新車販売にのみ力を入れているディーラーはエコカーを作る資格はないし,エコを語る資格はありません。
そういう観点に目を向けず,エコカーの販売のみに助成金を出したり税金を軽減するような政府も,エコを語る資格はありません。
そして,それよりもさらに有効な本当のエコは・・・
今あなたが乗っている車を,もっと大切に,長く乗り続けることです。