
この写真はセッティング後のマップです。
前回のセッティング後のマップに比べて変化が出ています。
このマップの変化からもコイルとエンジンマウントを換えてどこが変わったのかを多少は読みとれますが,実は変化が最も顕著に,そして的確に現れたのはブーストの変化でした。
しかも,試走1本目から。
感動さえ覚えるほどに。
前回あれだけ苦労して,プログラムさえ書き換えてセッティングを詰めていったブーストコントロールを全て書き換える羽目になってしまったのです。
イグニッションコイルのトラブルは症状が出にくく見つけにくいと言いましたが,ここにその症状を早期に発見するためのヒントがあると思います。
なので,このブログとこの続きのブログは本当にみんなに読んで欲しいし,確かめて欲しいし,その結果をぜひフィードバックして欲しい。
そうすることによってみんながハッピー\(^o^)/♪になれるのだから。
例によって濃い目の燃料でセッティングを開始しました。
なので多少のもたつき感はあっても当然。
ここから絞っていくのですから。
で,ブースト計の変化を見ていきます。
マップが500rpm刻みですから,500rpm単位でどの回転域でどういう挙動をするのかを確認していくのです。
シングルからツインへの切り替わりは4500rpm,ツインからシングルへの切り替わりは3000rpmです。
アクセルを踏み込んでいくとスピードメーター,タコメーター,ブースト計の針が上昇していきます。
0.8×100kPaまで上がったブースト圧が4500rpmで一瞬落ちてから1.0×100kPaまでオーバーシュートします。
ツインに切り替わった瞬間です。
そして再び0.8×100kPaになった後,回転数の上昇とともに徐々に0.7×100kPaまで下がります。
これで狙い通り。
さて,この時にもう変化が。
ひとつは,シーケンシャルの谷間が体感できなくなっているという点。
前回あれだけ苦労しても切り替わりのショックが残っていたのに,今回は一発目から全くそれがなくなっている。
もう一つはツインに切り替わる瞬間のオーバーシュート直後にブースト圧が一瞬だけほんのわずかストンと落ちてしまいます(@_@;)
さらには,高回転時にブースト圧が上がりすぎてしまうという状態に。
ひとことで言うなら,前回と逆の症状です。
前回はオーバーシュートがかかりすぎてしまったため,これを抑えるように設定し,高回転でのブースト圧がなかなか上がらなかったので,これを上げるように設定したのですから。
つまり,前回の設定が生きている状態で走行したら前回設定した通りにブースト圧が変化したということです。
下げたところが下がって,上げたところが上がったと。
当たり前じゃんといわれるかもしれませんが,前回はその当たり前の変化が出なくて苦労したのですから。
結果,プログラムまで書き換えてようやく落ち着いたのですから。
なぜそのような変化が生じたのか,わかる人はもうおわかりと思います。
キーワードは二つ。
ノッキングとミスファイヤリング。
前回,高回転でなかなかブーストが上がらなかった理由は,ノックセンサーがノッキングを感知し,ECUがエンジン保護のためにブーストを抑制していたからと考えられます。
ノッキングが出た理由は?・・・エンジンマウントです。
エンジンマウントを強化品に換えたりトルクダンパーを付けたりするとエンジンの振動が室内に響くというのはよく知られていますが,これと同時にノックセンサーがノッキング以外の音を拾ってしまい,実際よりも高い値を示すようになります。
P-FCではこれは問題になりません。
なぜなら,P-FCはノッキングを数値として表示しますが,制御には全く使っていないからです。
ノッキングが出ていてもいなくても,同じようにしか働きません。
純正ECUはノッキングが出るとエンジンを保護するためにブーストを抑えたり点火を遅らせたりします。
エンジンが高回転で回ったり,大きくGがかかった時にリジッドに近い動きをするエンジンマウントを入れていたため,ECUはノッキングが出たと思い,ブーストを抑えてしまっていたと考えられます。
エンジンマウントを純正に戻したことで,ノックセンサーが正常に機能するようになり,高回転時でもブーストの抑制がなくなったというのが考えられます。
純正ECUやROMチューンを行なっている人は,エンジンマウントを強化したり,トルクダンパーを付けていたりするとこのような不利益を被ることになります。
強化品の問題点です。
強化すればすべてが純正より上回るということではないということです。
仕様に合わせて選択しなければ大きな不利益を被ることになります。
え?わかっていてなぜ付けたのかって?
だって,それまではP-FC使っていたからwww
もう一つのキーワード,ミスファイヤリングと聞くと,須藤京一のランエボⅢを連想する人はマニアですw
実はあれと同じようなことが起こっていたと考えられます。
原因は?・・・コイルの劣化による失火です。
失火,まさにミスファイヤリングw
さて,長くなりましたのでこの続きはまた後ほど。