洋楽というものに本格的にハマったのは
クラスメイトと当時付き合った彼のお蔭だと思います。
地元では「お嬢様学校」と有名な我が母校。
校則ももちろん厳しくて
帰宅する時にどこかに寄る時は
生徒手帳の中にある
「寄り道許可証」に親と先生のハンコがないと
反省書(いわゆる始末書ですな)を書かされて
校長→生徒指導の先生→学年主任→担任と
謝って回らなくてはいけません。
それも例えば本屋に参考書を買いに行きますとか
病院で診察を受けますとか
そういう理由でなければ×。
ガッコ帰りにマックだケンタだ
タワレコに寄るなんざ、校外指導の先生に
見つかった日にゃ良くて停学、
繰り返しみつかりゃ退学です。
当然「男女交際」なんぞはもってのほかです。
(とか言いつつ担任は新任で受け持った時の生徒と
恋に落ちて結婚しましたが( ̄ー ̄))
たまたま友達に言われるまま入ったオシャレな茶店で
あっしはバイトのお兄さんに一目惚れしてしまったのです。
背が高くて目がぱっちりした人でした。
校則を破ってる上、相手が勤めているのは茶店。
メニューは高校生のあっしには結構なお値段。
その中でも「ブルースカイのソーダ水」は\280。
まぁ、ブルースカイシロップをクラブソーダで割っただけですが
当時のあっしにはお兄さんが作ってくれたそのソーダ水が
この世で一番素敵な飲み物でした。
そのお店は市内にいくつか支店がありまして
彼のお店は女性の店長さんでした。
何度か通ううち、店長さんが
「●●ちゃんは▲くんのこと好きでしょ?
ベタかもしれないけど交換日記とかしてみれば?」
と間に入ってくれました。
その日はせっかく行ったけど
彼はお休みでしたが
代わりに店長さんがいろんな話をしてくれました。
彼が家庭の事情でそこでバイトしながら定時制に通ってることや
バイクが好きなことなど。
いわゆるファンシーショップで
かわいめのノートを買い
あっしがお店に行くのと入れ替わりで
お店を出て学校へ行く彼を待ち伏せして
ノートを渡しました。
自分の事を知ってもらいたくて
何ページもだらだら書いてしまうのに対して
彼はいつも話す時と同じで書くのも少なめ。
あるとき、
「どんな音楽がすきか」と書いたら
その時は珍しくたくさん書いてくれました。
そして「今度俺が好きなライブをダビングしたテープをあげるから」と
初めて彼の方から待ち合わせしようと言ってくれました。
その中にデビュー当時のBON JOVIのRunawayが入っていました。
モトリーとかホワイトスネイクとかAC/DCとか入ってたけど
あっしはBON JOVIが一番気に入って
その事を日記に書いたらすごく喜んでくれました。
次に会ったときは1stアルバムをダビングしてくれて
前より会話が増えました。
きっと有頂天になってて相手の事を考える余裕がなかったんでしょうね、
学祭に来て欲しくて手紙を書いてお店に行ったけど
彼が休みだったんですよ。
で、仲が良さそうなバイト仲間に渡してくれと頼んだのが
いけなかったんですよ。
どうやらその手紙を読んでしまったらしく、
そいつが彼が次の日来た時に冷やかしたそうなんですね。
お店で殴ってしまったらしくて。
店長さんがかばってくれたそうなんだけど
社長さんがお客さんの前で暴力沙汰を起こした、というので
彼をクビにしてしまいました。
店長さんからはケンカした相手は
素行が悪くてクビにしたかったらしいんだけど
社長の知り合いの息子さんということもあって
出来ずにいた挙句そういう事になってしまい
「私がもっと早くあいつをやめさせちゃえば良かったのに
それが出来なかったばかりに▲くんがあんなことになってしまって
申し訳ない」と泣いて謝ってくれました。
いくつかある店舗のうち、バーでの勤務になることで
一旦は収まったようですが
今思えばそういうお店に異動させれば
未成年のあっしがうろちょろしないだろう、という
店側の判断だったんだろうなと思います。
とは言え、定時制に通わなくてはいけない彼にとっては
無理な話で結局すぐに辞めたようです。
連絡が取れず会えない日が続き
修学旅行のお土産を渡したいからと
やっと会うことが出来ました。
喫茶店で無言のまま一時間が過ぎたとき
「もう会うのやめよう」と
彼から言われました。
「そんなのイヤだ」と言いましたが
「やめよう」
そう言って彼は店から出て行きました。
それから一ヶ月、あっしは毎日泣いていました。
人間ってこんなに涙が出るんだなと思うくらい。
それから時が流れて思いもかけない彼との再会。
あっしが勤めていた信金を辞めることになり
同期がお別れ会をやってくれました。
二次会のバーで、店員として働く彼に会いました。
そんなことは知らない同期の仲間たちが
「●●(あっしの苗字)、電車なんだろ?飲め、飲め!」
と大声で言うもんだからあっしの存在がバレバレでした。
せめて一言声を掛けたかったけど
お店を出るときに彼の姿はありませんでした。
いつかどこかで会うことがあるかもしれないけど
あっしは声を掛けません。
それは今のあっしは幸せだからです。
今でもFMなどで流れるたびに
あの時のあっしは何事にもがむしゃらだったよなと
思い出します。
Posted at 2007/11/05 13:59:33 | |
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