
国産小型SUVの中でも人気がある、ホンダ・ヴェゼルに試乗しました。
試乗したのは、e:HEV ZグレードのFFモデル。
Zの上位グレードになるPLaYはツートーンボディや専用の加飾があって人気のようです。
唯一パノラマルーフが装備されており、その部品調達ができないことから受注停止になっているようです。
パノラマルーフをオプション扱いにすれば違ったかもしれませんね。
それ以外の装備でいうと、今回試乗したZグレードの方が充実しています。
しかし、こちらも納期は1年待ちだそうです。
どのメーカーも人気車は納期がトンデモなくなっていますね。
全長4,330mm×全幅1,790mm×全高1,590mm
車重:1,380kg
最小回転半径:5.5m
価格:\2,898,500
ボディカラーはプレミアムサンライトホワイトパール(\60,500)。
BMWのブルックリングレーもそうですが、光の入り具合によって見え方が変わります。
なかなかステキな色です。

今日の富士山は稜線がクッキリ♪
裾野に雲をたなびかせ幻想的に見えます。
日本車はモデルチェンジの際、デザインをガラっと変えてしまうことがありますが、ヴェゼルもまた然りかと。
デビュー当初は、マツダとトヨタのパクリでCXハリアーとも揶揄されたエクステリア・デザインでしたが、よく見ればオリジナリティのあるデザインだと思います。
初め違和感のあるスタイリングも見慣れてくるとシンプルなボディラインとクーペスタイルで悪くないと思います。
ただ、このグリルは個人的にはちょっと微妙で・・
ヘッドライトはフルLED。
上部がDRLになっていますが、ボディ末端まで横長にあるせいか、実車を見ると車格よりも大きいクルマに見えます。
リアコンビネーションランプもDRL同様、夜間に見ると存在感があります。
意図的にやっているのだとすると効果アリですね。
アルミホイールは18インチ。
タイヤはミシュラン PRIMACY4、225/50R18。
直4ガソリン 1.5Lハイブリッド
エンジン:最高出力:106PS/6,000-6,400rpm 最大トルク:127Nm/4,500-5,000rpm
モーター:最高出力:131PS 最大トルク:253Nm
モーター出力は、初代:29.5ps/16.3kg-m → 新型:131ps/25.8kg-mへと大幅アップ。
結果、スペック的にはエンジンよりもモーターの方がパワーがあるんですね。
しかし、アクセルを踏み込むとエンジン音が大きくなることと、ドライブフィールとしてパンチ力がないので、エンジン>モーターのように感じます。
エコカーでもありますので、マフラーは目立たないところに。
黒ベースのシックなインテリア。
シンプルでクリーンな雰囲気は好感が持てます。
パワーシートではありませんが、座り心地は良いです。
ステアリングはそつなく良い感じ。ステアリングヒーターまで付いています。
カタログ燃費は24.8km/L(WLTCモード)。
街中を走る試乗車なのであまり良くないですが、、実燃費はもう少し良いでしょう。
メーター左側は様々な情報を表示可能。
センターにはADAS系の情報、その他、時計や外気温等、運転に必要な情報は網羅されています。
日本車らしいマジメなデザインですが、見やすく使いやすいと思います。
9インチのセンターディスプレイ。
もう少し大きいと良いですが、よく使う機能はボタンになっており、時計も付いていて使いやすそうです。
ボタンレスにしてシンプル、カッコ良さか、使いやすさを取るか悩ましいところですが、日本車の場合、最小限のボタンを残す、という解になりそうですね。
クルマのスマホ化とも言われますが、運転しながらの操作になるので、いかに素早く操作できるかは重要なポイントです。
iPhoneフェイスIDのマスク問題のように、結果的に不便になるなら意味がありません。
バックモニターの様子。
左側のビューモードは変更できますが、アラウンドビューは無いようです。
空調関連の操作もわかりやすいデザイン。
USBポートやその横にある収納スペース、その下にはワイヤレス充電とそつなくまとめています。
ちなみにZグレードはエアコンが左右独立ですが、PLaYは左右共通となっています。
上からドライブモード切替、ヒルディセントコントロール、電子ブレーキ。
ブレーキのオートホールドはエンジンを切ってもホールドされるようです。
ただ、ホールドボタンにランプが無いのでわかりにくい。
パワーウインドウは全ドアともワンタッチ式で◎。
日本車だと運転席だけってのも多いですよね。
立派なドアハンドルは使いやすい。
そよ風アウトレット。オープンカーのような爽快感が味わえるようですが、体感するのを忘れていました。。
でも、面白い発想ですね。
派手さはないけど、センス良くまとめたヘッドアップコンソール。
驚いたのがリアシート!
写真ではわかりにくいかもしれませんが、足元が結構広いです。
座面のセンター部分が上がっていることとアームレストが斜めになるところが謎です。
リアシートは6:4の分割可倒式。
トランク容量は不明!?
積載容量ではなく、載せたいものが載ることを第一に荷室空間を設計したそうです。
トランク下にはちょっとした収納スペースあり。
トノカバーはZグレードのみ。
リアシートを倒すとフルフラットに。
なんと190cmの人でも寝れる長さがあるとのこと。
シートが下に沈み込む、ダイブダウン機構でフルフラットを実現。
リアシートの座面を跳ね上げるチップアップ機構で背の高いものも積めます。
ホンダならではのギミックですね。
パワーゲートの右側にあるボタンは、キーが離れてから閉まる予約ボタン。
これはVWでも同じ機能がありますね。
いざ試乗へ。
走りはじめてまず感じたのは、上質で滑らかな乗り心地。
主観的な部分だと思いますが、素直にいいねと思えるような感じです。
これはハイブリッドのモーターが寄与していることもあるのでしょう。
峠道を走りましたが、ホンダ車らしい足回りで粘って踏ん張ります。
峠を走るようなクルマではありませんが、車重が軽いこともあり、楽しく走れます。
ただ、アクセルを踏みすぎるとラバーバンドフィールになるのであまり気持ち良くないですが。
でもまあ、峠を走って楽しくなるクルマはいいクルマですね。
X3に乗り換えた理由の一つもそれでした。
ドライブモードをBモードにすることにより、回生ブレーキが効くようになります。
ただ、あまり制動力はないので、BEVのようなワンペダルは難しいですね。
ADASの性能も確認したかったのですが、適した場所がなく、やむなく一般道で確認することに。
レーンキープアシストがなかなかされなかったのですが、それもそのはず、60km/h以上でないと機能しないようです。
まあ、本来は高速道路等で使う機能ですので、低速では不要かもしれませんが、個人的には残念ですね。
ということで、ACCは体感できましたが、LKAは不明です。
新型ヴェゼルは、ミリ波レーダーを外して前方監視用のADASセンサーを単眼カメラだけにしたそうです。
その代りにカメラを広角化(50度→100度)し、画像処理性能を高めることで、交差点の右折時における直進対向車や横断歩行者に対応できるようになったそうです。
カメラは、フランスのValeo製。
ちなみに日産も別メーカーですが、単眼カメラだけで対応しているようです。
ヴェゼルは性能とデザインを両立させて日常生活を楽しくしてくれるSUVですね。
HONDA SENSINGによる安全性、ハイブリッドで省エネ性も実現しています。
大ヒットを記録した旧型の完成度を高め、車格的にも上になった感もあります。
エモーショナルなクルマではありませんが、何でもこなしてしまうオールマイティさがある、好印象なクルマでした。