あまり情報が出ていないようなので、同じ悩みを抱えている誰かの為になればと思い記事にまとめることにしました。既知の事実でしたらすみません、読み飛ばしてください。
===背景===
3年前ぐらいから、発進/後退のクラッチミート時にカキン、パキン、コンといった音がし始めました。
色々調べてS2000では結構起きてる事象ということは分かりましたが、ハブ周辺のスティックスリップ音だろう、ぐらいにしか思っていませんでした。
音が出始めた頃はスピンドルナット新品、ねじ山、ハブ座面清掃、ねじ山、ナット座面にグリスを塗って適切な軸力が出るようにして締結(一応整備書でも再組み付けの時はオイル塗布と書いてある)し、しばらく音はおさまっていました。
が、リフレッシュを兼ねてナックルASSYを新品にしたところ同じ音が出始めました。ハブ含め新品なのに、、、。
気になってGW休みを満喫するどころでは無くなり、本気で調べてみると自動車メーカーの中でも結構有名な事象らしく、次項に簡単にまとめます。
===異音の要因===
ドライブシャフトアウトボードとハブはスプラインで噛み合っている一方、ドライブシャフトアウトボードとの締結という意味で接している面はハブベアリングインナーレースです。
この面は締結摩擦力で滑らないと勝手に思っていたのですがコレが間違いで、そもそも滑りを許容する設計のようです。(アウトボードのスプライン〜インナーレース接触面までの部分が駆動トルクでねじれ、滑る)
そうして滑った時の面の潤滑状態によってスティックスリップ音が出ると、、、。
更にスピンドルナットの締め付けによる軸力過多や、ハブのインナーレースへの過大圧入荷重により不均一な歪みが生じ、ハブとインナーレース圧入面でスティックスリップ音が発生する場合もあるようです。
詳しくは本田技術研究所から論文が発表されています。(https://www.hondarandd.jp/point.php?pid=451&lang=jp)
他にも特許などが複数の自動車メーカーより出ているので、当たり前ですが造っている側はよく知っているみたいです。メーカーって凄い。
===対策===
ハブと圧入面のスティックスリップに関してはなかなか対策が難しいと思いますが、普通に組み付けていればそれほど生じにくいとも思います。
ドライブシャフトアウトボードとハブベアリングインナーレースの面におけるスティックスリップに関しては、論文では二硫化モリブデングリースを塗れと書いてあります、非常に単純です(笑)滑った時にスティックスリップが起きなければいいわけですから、それで良いのですねぇ。
===まとめ===
色々調べて分かったのは、そもそも異音が出る要因自体(面の滑り)は起きていても問題なく、音さえ気にしなければ修理などは必要ないという事です。
この異音は自分がナックルASSY交換を決意したきっかけでもありました。(別の目的がメインでしたが)
リフレッシュを決意できたという意味で要因を詳しく知らなくて良かったとも言えます(笑)が、要因が分かってスッキリし、気持ち良くGWを過ごせそうです。
追記
スピンドルナット組み付け時の注意点をまとめました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755410/car/2344440/6732764/note.aspx
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2021/05/04 21:43:07