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数日ほど前の話です。山梨の得意先の業務課長さんから電話がありました。
地震の被害で入荷するはずの商品が入らなくなった。どこに問い合わせても、「こういう状況下なんでなんとも…」「天災なんでしかたがない…」と言われる。現在被災地ではどのような状況なのか全く情報が入ってこないし、このままでは自分の会社もかなりの打撃を被ることになる。分かる範囲で被災地の被害状況とこの先の見通しを教えてくれないか。との事。
私もそれほどの情報を入手しているわけではないのですが、関東及び東北にある本社関連の施設が、地震による被害に見舞われ色々話は聞いていたので、可能な範囲で状況を説明させていただきました。
東北では納入先が被害に会い出荷出来ずに工場にモノが余ってしまっていること。逆に関東では工場が被害に会い客先に納入出来ずに困っていること。しかし運送ルート燃料その他の問題から、それらをうまく融通出来ずに困っている事…。なによりも被害状況等の現地での詳しい情報がなかなか入らず、現時点では見通しが全く立たないこと…。
「そうですか…もう少し状況を見てみないと、なんともなりませんかね…」
と残念そうにつぶやき、最後にこう仰いました。

「本当に恥ずかしながら、日本中がこんな大変な時期なのに、私は自分の仕事のことで手一杯なんです」

この課長さんと同じような思いの方がたくさんいらっしゃると思います。

でも私は思うんです。

恥ずかしくなんてありません。
「天災だから非常事態だからしかたがない」という言葉で済ませてしまう人も多い中で、目の前の問題をなんとか解決出来ないか奮闘するあなたは恥ずかしいことなんてありません。
あなたが今努力して市場に送り出すことが出来た商品は、この先、それを必要とする誰かを笑顔にすることができるでしょう。
もしあなたと同じ立場の人が「こんな状況だから」と、みんなで諦めてしまったら、この先、商品が市場に出回らなくなってしまい、困ったり悲しんだりする人が現れるでしょう。
自分のため、会社のために何かをしようと思うと、どこか背徳感を感じてしまいがちな今の状況ですが、仕事というものはそもそも社会に必要とされて成り立っているものです。今出来ることを頑張りましょう。今、目の前にある困難に立ち向かいましょう。頑張って悩んで考え抜いて得た結果は必ず誰かを幸せにすることが出来ます。今すぐには無理でも、それはいつか被災地の皆さんの力になれると信じてます。

本社への支援と通常業務が重なり、今週はかなり慌しく忙しい日々が続きました。
被災された皆様へ直接的な手助けはまだ出来ませんが、復興に向け、その基盤を守るべく社会的任務を全うしていくことが今自分が出来る数少ないうちの一つと信じ頑張っていきたいと思います。



今日もなお厳しい生活を強いられている被災地の皆様に一日でも早く笑顔が戻りますように…