
再び怪しげな写真ですいません。
フロントで一通りの悶着を終えた後、部屋に戻って、もう一度給湯の状態を確認したみたのですが、状況はやはり昨夜と同じです。冷水が普通の水に変わるだけです。その時に気が付いたのがこのバスマットの壮絶なカビです。これはバスタブに滑り止めとして敷くマットですが、表もなんだかカビっぽい、裏を返せばこの通り。このマットの上でシャワーを使うと不健康になりそうですね。
感動しつつ記念写真を撮っていると、ピンポ~ンとチャイムがなりました。慌ててマットを投げ捨てドアをあけると、そこには白いツメ襟の制服をパリッと着こなしたホテルマンが立っております。迅速にも部屋のシャワーの状態を確認しに来てくれたのです。感謝。ここでも私は定型句の Are you all right in English? です。彼ははっきり答えました "Yes !" と。おお、安心です。実はこれも束の間の安心だったのですが。
彼は一直線にバスルームに突入し、毅然とした態度で確認作業を開始してくれました。試みること数分、彼の口から出た言葉は、No Problem でした。え、お湯でたの?半信半疑でカランから勢い良くでる水流に手を触れると、それはやはりぬるい水なんです。私が、This is just water, isn't it? と問うと、彼はカランを水の側にグビッと捻り、こちらと比べてみろ、というジェスチャーです。その後またカランをお湯側にして、OK, OK, no problem と繰り返します。
ハイ、確かに触り比べると2~3度は水温は違うのですが、どんなにひっくり返って解釈してもどちらも水です。100人に聞くと100人が水と答える温度です。「あなた、これで身体洗えます?」とか、「これは私にとっては冷たすぎる温度なんですけど」、とか英語で説明したのですが、彼の態度は一貫しております、怯みません。ただ、No problem! の繰り返しです。ハハ^^;。
彼は、中国北部のロシア国境辺りかハルビン辺りの出身であるのかも知れません。零下30度の凍てつく世界では確かにこれはお湯でしょう。しかし、気温が30度のアモイではこれは「水」以外の何物でもありません。それを頑として「お湯だ、問題ない!」と言い切る度胸は見上げたものです。そして、彼が口にした英語は、「OK, OK!」と「No Problem!」だけでした。
世の中には様々な常識のラインがあるものです。彼は私に新種の感動を与えてくれました。私もこれ以上は何をどう説明しても拉致があかないことを悟りましたので、あっさりと笑顔で「OK, I got. メイクァンシー! You can leave, 謝謝!」と返事しました。 私としては一旦、作戦タイムです。彼はどことなく腑に落ちないような表情をしながら部屋を出てゆきました。やっぱり罪悪感あるんやん!
このホテルには4連泊の予定でしたので、さすがに都合5日間もシャワーが使えないと困ります。さて、どうしたものかと思案していると、部屋の電話のベルが鳴りました。よっしゃー、次はこの電話で交渉だ。ということで長くなってきましたので、続きは第3話で。
Posted at 2008/09/09 22:54:55 | |
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