クロスオーバーとタイムアライメントなんて格好の良いタイトルを考えたものの、
現状では大したことはやっていません。
以下、凡人の独り言ですので、音にこだわりのある方はスルーしてください。
クロスオーバーの設定ですが、
セダンの場合は100Hzが耳に届きやすいそうで、バスドラがドンドン五月蝿く感じます。
それを抑えるためか、3wayの場合ウーハーは63Hz、フロントドアのMIDは125Hzあたりが定番のようで、ここは一発で決まりました。
ほとんどのウーハー(弁当箱サブウーハーも含めて)は、100Hzあたりが最も音量が大きいので、63Hzでクロスさせると相対的に50Hz以下の重低音を持ち上げることができました。
最近の車は軽量化のため高張力鉄板で薄く作られています。
フロントスピーカーで低音を鳴らすと、
スピーカーが揺れて中高音が良く聴こえませんので、
クロスは100Hz以下にしない方が無難です。
鉄板の厚い高級車は別ですが。。。
ウーハー

MID
NETの情報では、DEH-P01はローパスの設定をすると遅延が発生するそうで、
カット周波数が低いほど、曲線が急であるほど遅れるそうです。
DSP製造メーカーの仕様らしいのですが、気の利いた機能ですね。
TAなしの場合、MIDとのつながりは-18dB/octの方が良いのですが、
ウーハー左右の位相合わせを優先すると-12dB/octになりました。
ほとんど聴こえない25Hzのハイパスを設定する方法もあるようですが、
音声遅延もありませんし、DSPに不要な処理はさせていません。
ツイーターとMIDの設定は、
以前書いた癖の強いツイーターを使いこなそうと、
3~5kHzを中心に幾度となく繰り返しましたが納得できませんでした。
今考えると方向性がまったく違っていたんですよね。
クロスオーバーの設定で、ツイーターの音を聴きやすくするなんてできません。
これは違うツイーターに換えるしかなかったのですが、
なんとかなるかもしれないと考えていたのですから困ったものです。
こういう場合は、普通イコライザーで聴きにくい周波数を落としますよね。
ですが、当時はイコライザーを触りたくなかったので、回り道をしてしまいました。
そんなわけで、パッシブの自作に挑戦-失敗を繰り返しました。
そこから情報を集めてグラフを書いたり、位相を計算したりして、
やっと、まあまあの物ができたわけですが、1回で成功はないと思いますし、
結果的にはDEH-P01でクロスオーバーネットワークを設定したときと大差なかったです。
パッシブの自作は敷居が高いです。
完璧な設定があれば、高級部品で作り直すと良くなる事もあるでしょうけど、
自分で一からとなると測定機材も必要でしょうし、時間もかかると思います。
特に、バイアンプにしてない場合は、
ツイーターとMIDの音量バランスを変えるたびに部品が変わりますから、
よほどの知識と情報をもっているのでなければ、
投資が無駄になる可能性が高いです。
トライアンドエラーで10kなどすぐに越えてしまうんですよね。
逆に、自分に合ったツイーターに巡り合えてからは、
クロスオーバーの設定はあまり気にならなくなりました。
ツイーターが歪まないところにクロスを設定すれば良いだけです。
(追記)
MID用アンプがよくなってからは、MIDのローパスは、
なしに設定した方がよく聴こえるようになりました。
TWは6.3kHzの-12dB/octですが、
少しハイ下がりで、良い感じのバランスになっています。
音がよく伸びていると、こんな設定でも不自然に聴こえないので
不思議ですね。
(追記 終)
音質的にはパッシブの自作よりヘッドユニットとかアンプにお金をかけた方が効果的でした。
特にアンプの威力は絶大で、換えたときに痛感しました。
パッシブ自作は、ここから更なる上を目指す人が試すのだと思います。
ただし車ですから、クロスオーバーをどう調整してもピーク、ディップは必ず出ましたが、
DEH-P01のイコライザーが案外優秀で、さほど違和感を感じませんでした。
イコライザーの設定の一部です。
3.15kHz
6.3kHz
ディップはおおむね位相が原因ですから、
上げてもモワッとした音が少し大きくなるだけですからあきらめるしかありません。
うちでは、500Hzと1kHzのディップはどうにもなりませんでした。
1kHzは音が汚く聴こえるということで下げ目に作られているパーツが多いですが、
音に迫力を与える帯域ですので、低すぎは良いとは思えないんですよね。
ピークは最もうまく音が伝わっていて良く聴こえることが多いので、
長所を生かす意味で、フラットに向けて半分だけ落として大きめの音量にしています。
この設定方法で良く聴こえない場合は、機材やインストールに原因がありました。
ただし、6.3kHzだけは耳に刺さる周波数(内耳の共振周波数)ですから、
フラット以下になるようにしています。
5kHzは刺さらないはずなのですが、大きいとシンバルがチンチン五月蝿い帯域です。
かといって、ここを抑えすぎると、シンバルがシャンシャン上品になりすぎるので難しいところです。
6.3kHzの倍音の800Hz、1.6kHz、3.15kHz、12.5kHzもピークがあると刺さりますが、
ツイーターとアンプを変えてからは普通の調整で大丈夫でした。
音量は、プロの方なら測定機材を使うでしょうし、iPhoneを使った測定もできるそうですが、
私は音楽計画に入っていた1/3oct毎のモノトーンソースを聴きながら、
自分の耳でピークを判断しています。
自分にとってのフラットに対する調整で良いのではないでしょうか。
次にタイムアライメントですが、
モノトーンソースを聴きながら関係ないスピーカーを消音にして、
各スピーカー毎に設定しました。
設定方法の詳しい情報はネットで簡単に見つかると思います。
いまさらですがDEH-P01の場合、消音はこの状態で行います。
右ボタン下方向に数秒押し下げで消音状態になります。
最初は設定に1時間以上かかりました。
今の設定です。
ツイーターは実測値(右TWは右耳鼓膜まで、左も同様)でほぼOKでした。
ただし、34000cm/秒÷周波数Hz÷2 で逆相になるので、たとえば
10kHzの場合、頭が動いて左右の距離差が1.7cm変わると逆相になり音量が下ります。
つまり、あまり神経質になっても仕方ない周波数です。
逆にクロス付近の2~4kHzは距離差5cm前後なければ逆相になりませんし、
ボーカル(の倍音)が聴こえる帯域ですので、あさっての方向から声が聴こえないように、
意識して合わせた方が良いと思います。
うちでは、DEH-P01のピークと思われる3.15kHzが減るように、
微妙に変えています。
ボリュームは、ヘッドユニットとツイーターの向きによって変わるでしょうけど、
うちの環境では、右ツイーターを-3dBで丁度良く感じました。
人を乗せるときはボリュームも控えめですが、念のため左右同じにしています。
バイアンプにするとヘッドユニットで簡単に変えられるので便利ですね。
フロントドアに設置したMIDの設定ですが、
右MIDと右ツイーターだけ音を出して位相がなくなる距離に設定してみました。
右MIDは実測距離より30cm長くなりました。
中央コンソールで反射している音が大部分を占めていたのだと思います。
↑
実測の方が良いですね。m(_ _)m
次にツイーターの音を消して、左MIDの設定をしました。
MIDどうしの逆位相をなくすべく調整すると、ほぼ実測値になりました。
ところが、ここでツイーター左右の音を追加すると、
4つのスピーカーによるピークとディップが発生してきます。
左MIDで実測±20cm程度まで、色々変えてやってみました。
結局、どれが聴きやすく、良く感じるかは曲によって変わりますね。
これが一番難しいです。
アンプを変えるまでは、刺さりのきつかった3.15kHzのピークが減るように
設定していましたが、今は特に意識しなくて良くなりました。
右MIDはほぼ正面から聞こえますが、左MIDは左横から音が入ってきますので、
ボリュームを少し絞った方が良いかもしれません。
最後にウーハーですが、
右のMIDとウーハーだけにして、位相のないところに調整するのですが、
うちの環境では、30Hz~60Hzか、160Hzか のどちらかを選ぶことになりました。
当然160Hzのディップを我慢することになりました。
右が決まったら、ウーハーだけ音を出して左ウーハーの距離を設定するのですが、
ウーハーの音は回り込むので、設定数値がとんでもない値になりますね。
今は右69cm左327cmになっています。
ボリュームは右のウーハーを-3dBにしていましたが、
これも車によって変わるところだと思います。
いずれも全ての帯域でビシッとは決まらないでしょうから、
どこを妥協するかは、試行錯誤するしかありませんでした。
なんとかしたいなら、MIDのピラー埋め込みしかないと思います。
こんな感じでタイムアライメントを試してみましたが、
結果的に、私はやらない派になりました。
うちの環境では、
良いアンプと
スピーカーに変えると必要なくなりました(笑)
勝手に音場は広がりますし、勝手に前方にフワッと定位します。
スピーカーは全部バイアンプで左右の音量調整をしています。
これだけで、ほぼ正面から音が聞こえています。
タイムアライメントは、確かに音のまぎれがなくなったように聴こえますし、
波長の長い低音には効果が大きく、量感がずいぶん増します。
聴いた瞬間は、はっとしました。
しかし、音が伸びませんし響きませんから、平坦な音になってしまい、
好きだった曲が、特に良いとは思えなくなります。
(音が伸びるとは、鳴るべき音が途切れずに鳴るという意味で、
密度が高い音は、自然になめらかに伸びるのだと思います)
位相が原因で音が伸びるなんてあり得ないことですから、
逆にTAに関係することが原因で音が伸びなくなっているのだと思います。
ヘッドユニットのバランスで左右どちらかの音だけにして、
TAありとTAなしで比べてみました。
TAありにすると音の鮮度が下がり、こもった音になりますし、
定音量のシンセサイザーなどは伸びが悪くなって音が小さくなります。
内部の電源供給電圧が不安定になって波形が乱れている症状です。
小さい箱体で電圧を安定させるのは至難の業でしょうから、
ヘッドユニット内臓のTAでは仕方ないのかもしれません。
外付けなら優秀なプロセッサがあるかもしれませんが、
うちの環境では何度試してもダメでした。
個人的には、クロスオーバーとかタイムアライメントで試行錯誤するより、
高音質なアンプを探した方が何かと良いのではないかと思いました。
*一部の記事を削除させていただきましたm(_ _)m