前回X-100の音を聴いて、改造版I-K77を圧倒する高音質ぶりにショックを受けました。
あまり多機能ではないので、だからこそ高音質なのかもしれませんが、うちの環境ではヘッドユニットでMIDとウーハーのクロスオーバーをチョチョイと設定したいところ。
今までI-K77をちょこっと改造して満足していましたが、
俄然弄りたくなってきました。
ケンウッドのI-Kシリーズは弄りやすいですし、
設計が良いのか安いパーツであれだけの音を実現しているので、
パーツ交換での音質向上も面白いですよね。
すでに電源部のコンデンサはELNAの4700μFに
その他のコンデンサは東信のUTSJをメインに入れ替えていますが、
ネットの情報では、
ダイオードを高速のものにするとよいそうで。
I-Kシリーズのダイオードはスイッチング電源の帰還に使われていて、
トランジスタがOFFの時にマイナスから電気を送っているようです。
直列のダイオードほどの効果は見込めませんし、
SBDはOFFになった時の逆電流が大きいとのことで、
マイナス要素もありますが試してみました。
秋月でショットキーバリアダイオードを確保。
手前が元ついていた新電元の2SV60(一般整流用600V1.75A)、
奥の方が40V3AのショットキーバリアダイオードパンジットSB340LSです。
なんと、30円/個。
車用はマージンたっぷりが基本ですし、
耐圧が高い方が高音質らしいので、600Vなどの大きめの方が無難だと思います。
コンデンサと違って、ダイオードは壊れるとショートの危険がありますし。
うちでは、もう買ってしまったこともありますし、
温度計で調べましたが発熱はない模様なので、このまま試してみます。
元のダイオードよりかなり小型ですが、データシートではかなり優秀なようで、
スイッチングスピードが元の標準ダイオードの10倍以上とのこと。
リード線が細いので交換も楽でした。
ダイオードを交換して早速聴いてみると、音は伸びるし高音が綺麗になりますね。
今までの改造の中では、一番コストパフォーマンスが高いと思いました。
次はトランジスタですが、あまり情報がありません。
サンケンも良さそうでしたが、無難に東芝の高速トランジスタにしてみました。
左が元付いていたKECのKTA1046Aで、右が東芝TTA1452Bです。
高速といっても、スイッチング速度は元の2倍弱ですので、
聴いたところ大きい違いは感じられませんでした。
(追記)
最後に書いていますが、
スイッチング速度2倍でも大きい効果がありました。
(追記 終)
(追記)
後に他のトランジスタも試してみましたが、
TTA1452Bが一番良かったです。
スイッチング速度が同等の物では良くなりませんし、
スイッチング速度の大きい物は上下が伸びるのですが、
スカスカな音になり微妙にノイズが増えます。
ダイオードとの相性もあるのかもしれません。
(追記 終)
トランジスタから離れなくては、
これ以上の効果は期待できそうもないですね。
MOSFETが使えるならスイッチングスピードを数十倍にできる上、
スイッチングノイズが乗らないということで、
電圧の安定化が期待できそうなのですが、
壊れたI-K77で試してみると、電圧がまったく違います。
電流制御と電圧制御の違い?
回路を弄る必要がありそうで・・・無念。
ここまでやって、X-100を越えられたかというと、
かなり微妙です。
レンジが広く聴こえる点では上回っているのですが、
音の伸びは互角、ノイズとか奥行きとかでは惨敗・・・。
もう一押しです。
コイルの交換もアンプでは効果が高いケースがあるそうですが、
スイッチング電源ですし、敷居も高そうなので見送りとして。。。
次はチップ抵抗を考えたいと思います。
最近は良いのがあるようですので。
水晶発振器の交換は、解像度が向上するとのことですが、
入力電圧に求められる安定度もシビアになるので難しそうです。
そもそも高精度発振器で11.2896MHzなんて売っていませんね。
さて、I-K77の抵抗が到着しました。
YAGEOのAT0603(1.6mm×0.8mm)です。
海外の製品はインチ単位の場合があるので面倒ですね。
この抵抗は有名サイト様が絶賛されていたもので、
高精度と高品質が売りのようで、楽しみです。
邪魔なコンデンサを撤去して
チップ抵抗を撤去
ついでに、チップコンデンサ1.1μFをECPUに交換できないか置いてみましたが、間隔が狭すぎて縦に置いても無理でした。
撤去は楽なんですよね。
全体を暖めると、コテに付いてきますから。
撤去した抵抗が101で、YAGEOが01Aです。
どちらも100Ωです。
交換完了。
ハンダ付けは下手なので形はガタガタですが、
なんとか付いたようです。
期待のYAGEOの音確認ということで、
聴いてみました。
ほんのり音が滑らかになったようにも感じますが、
エージングが終わるのが楽しみです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
50時間以上エージングしました。
かなり音のなめらかさは向上したものの、
高音の透明感とか自然に伸びていく感じが出てきません。
再度見直してみることにします。
(下の再追記に書きました)
(追記)
全て自作でシステムを構築されている方がおられまして、
驚きました。
DACについては、自作キットを買ったので、
じっくり勉強していきたいと思います。
m(_ _)m
それと、以前から気になっていたことがありまして・・・。
ちょうど、DEH-P01、I-K99、X-100を発売していた頃は、
iPodが一番高音質との情報をよく見かけました。
(I-K77はデジタル入力のようです)
アナログ入力が良いとか、個人的には???な感じでしたが、
調べてみるとiPodがclassicになる前のG5.5までは
WolfsonのDACを使っており、それが高音質だったとか。
ネットの情報では、信号の送り方が違うだけで
デジタル入力でもノイズの影響はあるようですから、
CDPを除くと、この時代のヘッドユニットは、
高音質DACからアナログ入力してやった方が
内部のDAC処理がうまくいくのかもしれません。
USBの方がお手軽で好きなのですが、
iPodは改造で容量1TBも夢ではないそうですし、
これは試してみる必要がありますね。
ということで、確保中です。
(追記 終)
(再追記)
I-K77はもう弄るところがないと思っていましたが、
USBの改善を忘れていました。
電源強化は失敗したので、
今度はケーブルを短くすることに・・・。
USBケーブルは1m以内なら大差ないような情報が多いですが、
電源が貧弱な場合は効果があるような気がしますし、
どちらにしろ、うちの環境では長すぎて邪魔だったので
失敗覚悟でやってみました。
端子は、DEH-P01のものと同じだったので、
1時間くらいで簡単に終了。

分かりにくいですが、右が短くしたUSBケーブルです。
肝心な音質ですが、少し解像度が上って良くなっています。
これは、儲けものでした。
ヘッドユニット直挿しで聴いたX-100は、
こういうアドバンテージもあったようです。
今回は、もう一点変えてみました。
I-K77は、内臓アンプを使う場合は、
DACー抵抗ーカップコンーDSPーカップコンー内臓アンプーSPケーブル
ですが、RCA出力の場合は、
DACー抵抗ーカップコンーDSP
ーカップコンー内臓アンプーカップコンー抵抗(直列)ー抵抗(直列)ーRCA出力
になっていて、並列でアースに抵抗とトランジスタが繋がっています。
(合成抵抗の調整と、トランジスタはカットしても鳴るので保護回路?)
前回はDAC直後の抵抗を交換しましたが、
今回は、内臓アンプの後の抵抗を交換してみました。
手前側が330Ωの小さい(1608)チップ抵抗で、
中間に並列の22KΩ(1608)があって、
奥側が180Ωの良さげな大きい(2012)抵抗です。
YAGEO100Ω(1608)があるので、この際ですから
手前の小さい方と交換してハイレベルインプットを試してみることにしました。
(追記)
これは、ハイレベルインプットとは似て非なるものでした。
そもそも合成抵抗(標準で520Ωくらい)が低くなるので、
カップリングコンデンサを大きくしないと、
ハイパスのクロス周波数が上がってしまいます。
スピーカーネットワークの計算で辻褄が合いました。
ここの抵抗が大きいので、
後のアンプ~スピーカーのインピーダンスに左右されずに
ハイパスのクロス周波数が固定できるわけですね。
ザックリ計算すると、3dBのー6dB/octが、
30Hz→50Hzになってしまっていました。
つまり、ただでさえ出にくい50Hz未満が
さらに鳴らなくなっていたということですね。
逆に、カップリングコンデンサを15μFにすれば、
20Hzクロスまで下げられそうです。
・・・後に30Hzの方が良いと分かりました。
ウーハーがまともに鳴らなくなりました。
後にカップリングコンデンサをウーハーのラインだけ
15μFにしたところ、25Hzまで鳴るようになりました。
曲によっては、イメージがガラっと変わりますね。
ついでに、耐入力の高い2012を300Ωにした方が良いと思うので、
2012を300Ωにして1608を180Ωにできないものか検討中です。
・・・これもやってみましたが、変化は感じられませんでした。
(追記 終)
改造前の抵抗
交換終了
改造したI-K77を交換前のI-K77と比べると、
音量レベルでは28の音量が25で得られるように聴こえました。
計算では音量が3倍になるはずですが・・・。
音質は、上が伸びて解像度が上がったように聴こえます。
・・・・・・。
(再追記 終)
(追記)
音が大きくはなりましたが高音の歪みが気になるので、
抵抗は元に戻しておいた方が良いかもしれません。
(一部の文章を削除、書替えしましたm(_ _)m)
ということで、抵抗が到着しました。
前回はYAGEOのAT(車用)でしたが、今回はRTです。
安いので、たくさん買えますね。
進工業のRG100Ωも確保したのでそのうち試してみるとして、
さっそく交換しました。
はんだ付けは今までで一番ひどい出来です。

ここは、難しいんですよね。
試聴したところ、音量は小さくなりましたが、
前より音が太くなっています。
DACの負担が減って、痩せていた音が復活したようです。
やはりRCA周りの抵抗値を変えてはいけませんね。
車載して聴いてみました。
単純に抵抗交換前の音と比較できないのですが、
以前より雄大な音になっていると思います。
さすがYAGEOのRTです。
歪みが減り、インパクト過剰なところも直りました。
思ったより上の伸びが良くないので、
他のI-K77とI-K900も抵抗を交換して確認してみました。
I-K77(並列の22kΩは元のままです)
I-K900(並列の22kΩも替えました)

これも、はんだ付けが酷い出来ですが。。。
やはり、上の伸びが良くないです。
車内で周波数特性を調べてみました。
スクリーンショットを撮るたびに波形が変わるので
2つ貼っています。
前回と音量のスケールを変えたので合わせて並べてみました。
前回、抵抗を100Ωにしたのが左で、今回の330Ωが右です。
上が伸びてないと書きましたが、
そう感じたのは5kHz付近のディップが大きくなったのが原因でした。
10Hz以上はさほど変わっていませんでした。
歪みが減って、音のザラつきが減ったことも関係あるかも。
抵抗を100Ωにした前回よりインパクトが減ったと感じるのは、
500Hz~1kHzのディップが大きくなったからかもしれません。
160Hzの落ち込みは、
MIDのクロスを90Hz→120Hzにしたのが原因だと思います。
90Hzのままだと、100Hzのバスドラがドンドン五月蝿いんですよね。
今後のエージング次第ですが、
個人的には200Hzの音量が一番欲しいところですので、
今後の課題にしようと思います。
(追記 終)
(再追記)
ここでipodを導入してから音質が向上したのですが、
音量を上げても、音がスカスカな感じがしたので、
100Ωの抵抗だけ進工業のRGに交換し、
ニッケミの固体コンデンサ(220μFと100μFだけ)もUTSJに戻しました。
自宅で50時間以上、車で50時間以上はエージングしたと思いますが、
高音の歪みがとれて音の広がりが出てきました。
うちの環境では、これが一番良いですね。文句無しです。
(注)
最終的には全て進工業のRGに変更しました。
以下は、試行錯誤の記録です
(注 終)
もう1台は抵抗をVishay、固体コンデンサをOS-CONにして自宅で100時間エージングしたので車載して試しています。
Vishay
交換前
交換後
今のところは、上下の伸びも音の抜けも悪くホワホワした感じですが、
エージングが進んでどうなるか・・・。
このI-K77はトランジスタをあえて交換していませんので、
エージングで良くならなかったら、そこも確認したいですね。
最後に交換した場合、
トランジスタでも劇的な変化があるかどうかを確認できると思います。
・・・・・・・・・・・・・・
エージングしてもよくなりませんし、
DAC電源部にもコンデンサを追加したのですが
大して変化がありません。
もうやり尽くした感じになったところで、
最後にトランジスタを交換しました。
やはり、劇的な変化がありました。
最近はipodで聴いているのですが、
音の伸び、解像度、高音、低音の伸びが良くなり、
奥行きのある音に変わってきました。
これなら満足です。
最後のウイークポイントを改善すると、
かなり変わるものですね。
UTSJとOS-CONの差は大きく感じませんでしたが、
トランジスタ交換後なら、また違った差が出たかもしれません。
(追記:トランジスタ交換後は、解像度の向上を感じました)
→DACアナログ電源部で交換すると、かなり変わりますね。
(追記 終)
(再追記)
DAC~DSP間ですが、コンデンサ(1.2μF)の交換を試行錯誤してます。
最初に直結しましたが、曲間にポップノイズが乗るので却下です。
次はセラミックコンデンサX7Rを試しました。

音質はかなり向上しました。
次はECPU(1μF)です。
(画像差し替えました。ハンダ溜りは極力少ない方が良いですね)
この効果はすばらしく、DSPの入~切での差がずいぶん小さくなりました。
奥行きが少し失われますが、十分許容できる範囲内です。
この作業は難易度が高いので要注意です。
ちょっとひねると、ECPUの端子や基板の端子がめくれてしまいますし、
端子のピッチが2mm程度ですので、
完璧な位置合わせをして、両面テープで固定してからハンダ付けしないと、
隣の端子とショートしてしまいます。
この時点で薄膜で簡単にめくれてしまうPMLCAPは却下になりました。
すずメッキ線は0.5mmに妥協しないと、うまくいきませんでした。
完成したら、不安定なのでホットボンドで固定したくなりますが、
後でメンテできないので、やめておいた方が良かったです。
何度も失敗しています。
それよりも、基板をしっかり固定することの方が大事でした。
最終段のカップリングコンデンサは、
PMLCAPなら10μFまであるので、色々交換しました。
思ったより大きいので、全部基盤が必要になりました。
(過去の画像です)
100Hz以下の音量が小さくなりましたが、
10μFのPLMCAPが効いたのか、解像度は今までで最高です。
しかし、はんだ溜まりの影響か音がもわっとしてます。
逆に、UTSJはおいしい音をうまく強調して来るんですよね。
今のところは、ECPU+UTSJをメインで使おうと思います。
そのうち、ECPU+KEMETも試したいですね。
(再追記 終)
(再再追記)
エージングでPLMCAPが鳴り出しました。
DAC電源部は、UTSJとOS-CONで比較試聴しています。
ただいま長期エージング中・・・100時間でも足りませんね。
最終段のカップリングコンデンサのうち、
ウーハー用はKEMET KO-CAP 15μFに替えました。
今まで50Hz未満が出てませんでしたが、
10μF→15μFの効果で30Hzまで鳴るようになりました。
分かりにくいですが、こんな感じ
Ko-CAPはこんな感じ(この画像は再最終形ではないですが)
トランジスタ周りもKO-CAPにしました(これはI-K700ですが)
よほど解像度を上げないと重低音は上手く鳴らないので、
現時点で少しボケていますが、許容範囲内です。
まともなサブウーハーではない割りには上出来だと思います。
それにしても、KO-CAPは良い低音を出しますね。
解像度は高いし、4kHz以上の伸びも良いです。
期待以上でした。
背面のセラコンは、例の定数を使わせていただいてます
ついでに、DAC~DSPのカップリングコンデから並列にセラコンが入っていたので
撤去しました。
10pFだったので、DACの高周波フィルターと思われますが、
特にイヤなピークは感じませんし、これを撤去するだけで、
I-K77ではかなりの音質向上になりますね。
撤去前

撤去後
C0H特性のセラミックコンデンサも試しました。
ソースのホワイトノイズを含め、少しノイズが減りますが、
音の伸び、奥行き、解像度、上下の伸びが微妙に悪くなり、
音に閉塞感を感じます。
撤去した方が曲を楽しく聴くことができますね。
最近のヘッドユニットを私が好きになれない理由は、
この高周波フィルターが原因ではないかと感じました。
低ノイズを売りにしている製品が多いですし・・・。
(再再追記 終)
(追記2)
長時間エージングしたので、電源部220μFにKO-CAP、OS-CON(パナソニック)、PSC(日本ケミコン)を使った場合の感想を。
KO-CAP 音が太く低音がバツグンに良い。高音はOS-CONより少し粗い。
OS-CON 高音が綺麗に出るが線が少し細い。低音の解像度はさほどではない。
PSC 高音がシャープで解像度が高い。低音は100HZ未満が出にくい。
これは街乗りの場合の感想で、KO-CAPとOS-CONが良いのですが、高速道路ではかなり変わります。
前にも書きましたが、高速走行では供給電圧のブレが大きいようで、音質の劣化が激しくなっていると思います。(電源に高度な改造をされている方は別です)
低音を中心に音が痩せるため、OS-CONでは聴きづらく、音の太いKO-CAPの方が良く感じました。
一般的に、OS-CONやPSCなどの固体コンデンサ(導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ)の性能はKO-CAPなどのタンタルコンデンサを上回っているそうで、固体コンデンサが開発されてからタンタルコンデンサの需要が減ったそうです。
電気的な性能ではKO-CAP
性能の高すぎるコンデンサが高速で中高音向けに電源電圧を改善するため、波長の長い低音にとっては逆に電圧のブレが大きくなり改悪になるのでしょうね。中高音は性能通りになっていると思います。
ですので、中容量のコンデンサでは、ノイズ対策をしっかりしていて、ほどほどに性能が良いことが大事なのかなあと思いました。
(追記2 終)

