マツダのHCCIエンジンの事をブログで書きまして「エンジン=即ち原動機」についてネット徘徊しています(笑)
オーソドックスなエンジン「直列」と「V型」とか「水平対向」とかは当たり前のように接して居る存在ですが所謂「変態な」エンジンという物を色々と見つけ、画面を見ながらニヤニヤしてました(笑)
アラフォーの独身男がそんなの見て深夜にニヤニヤって、傍から見たら「ヤバい」と思いつつ、誰も見ていないので昼間に頂いたパンを齧りながら(笑)
ロータリーエンジンは勿論、ブガッティのW16気筒やチゼータのV16気筒とかも十分に変態ですが、(当然いい意味でですよ)V型とか直列とか水平対向を超越した「ド・変態」なものを。
まずはクライスラー製「30気筒エンジン」

バス用直6を5基繋げた戦車用エンジンだそうです(笑)
解説によると同時代のイギリスの戦車より信頼度は高く、かの有名な「シャーマン」戦車に搭載されたとか。
M4A4「シャーマン」戦車
お次はプロペラ戦闘機用「星型エンジン」

プロペラエンジン時代の戦闘機のエンジンには結構この機構を採用したものが多いようですが気持ち悪い動きだ(笑)
中島飛行機の「紫電改」に搭載された「誉」エンジンはこの星型を重ねた「二重星型18気筒」だったそうです。
流石、戦前の日本の航空技術はすごい。
と思ったら上には上が。
アメリカ・ライカニング社が造った星型エンジン「XR-7755」
星型9気筒エンジンを4基並べた36気筒(笑)
ライカニング「XR-7755」

もうエンジン以外の何かに見える・・・
「スターウォーズ」の「デス・スター」の駆動や「宇宙戦艦ヤマト」の波動砲に使われていそうだ(笑)
列車用「三角形配置ディーゼルエンジン」

クランクシャフトが三本あるのは分かりますがどのように動いて、かつ動力伝達するのか最早理解不能(笑)

一体このエンジンで何両列車を牽引しようとしたんねん(笑)
と思ったら有名な特急「フライング・スコッツマン」の牽引車として時速200キロを誇ったそうです。
ほぼ新幹線デビュー時と同じスピードを内燃機関で出していたというのですから驚きです。
次はナチスドイツで開発された「ロケットエンジン」
ロケットエンジンなんて宇宙に行くロケットに積んでんじゃんというお声もあるでしょう。
しかし、これ「航空機」に積んだという曰く付き。
悪化する戦況打開の為、メッサーシュミットMe163という新型迎撃機に搭載されたそうですが、燃料のヒドラジンがとても有害で乗員が重症を負ったり、速すぎて操縦が難しかったり、ロケット推進なので滞空時間が非常に短かったりと戦況打開にはあまり役に立たなかったようです。
Me163

なんだか愛嬌を感じさせる機体です(と言っても「兵器」ですから・・・)
このMe163とこれまた当時画期的だったジェット戦闘機「Me262」は同盟国「日本」にも技術供与されMe163は「秋水」として帝国陸軍で、Me262は「橘花」として帝国海軍で実験が行われました。
その図面はなんとドイツから日本まで「潜水艦」で運ばれたそうです。
いやはやゲルマン民族と大和民族って本当に真面目というか、常軌を逸した行動をするというか・・・
「秋水」は実験機が出来、いざ初飛行!で墜落、そのままお蔵入り。
「橘花」は1945年8月7日に初飛行に成功・・・って最早手遅れでした。
ドイツから送られてきた図面は潜水艦が途中で撃沈されたりして断片しか届かなかったようですが、中島飛行機ではそれらを補完し完成させたという逸話も残っています。
秋水
橘花
そんなドイツですが戦車用エンジンでも「変態」というか時代を先取りしたエンジンを開発しています。
開発者は「フェルディナント・ポルシェ」。
VK4501戦車(通称ティーガー)に搭載されたエンジン。
Wikipediaより
「(ポルシェ博士は)加速性能に優れ、左右旋回(操行)も容易な電気式駆動装置が適している」との持論を展開し、ガソリンエンジンと電気モーターによる駆動を試みている。これは空冷ガソリンエンジン2基によって直流発電機を回し、その電力で電気モーターを駆動させることによって走行する、“ガス・エレクトリック方式”による電気駆動であった。本車の開発にあたっても、同様の方式が踏襲された。
うーん、どーみても普通の「ガソリン推進」や「ディーゼル推進」の方が信頼度も高いし、適していると思うんだけどなぁ。でもそこは「凡人」の私の考え(笑)
戦車をこのようなシステムで動かそうとしたのは流石「天才ポルシェ博士」ですね。
しかし故障が頻発したようでこちらも通常ガソリン駆動に変更させられたとか。
VK4501戦車(ティーガー)
次の「変態さん」(笑)
原子力飛行機用エンジン「Tory-IIA」

様々な意味で恐ろしいエンジンですね。
これをB-36型爆撃機に搭載する事を本気でアメリカは考えていたとか。
原子力実験機「NB-36」

当時は米ソを中心に西側と東側で核の軍拡競争でしたしICBMやSLBMも海の物とも山の物ともつかぬ物だったでしょうから、爆撃機で敵地へ飛ぶという思想からすれば長距離を飛行可能な原子力飛行機は理想だったのでしょうけど・・・
さすがにアメリカもヤバいと思ったらしく計画中止になっています。
本当によかった・・・
ソ連でも同様の事を考えていたらしくこちらは「実際に飛んだ」そうです。
「Tu-119」(ツポレフ119)に搭載して試験飛行したそうですが・・・
実験に参加した12名のクルーのうち、その殆どの方が数年で亡くなり1990年時点で生存していた方は僅か「3名」だったそうです。
この計画が中止になったのは12名のクルーの尊い命のお陰と言えましょう。
これは「変態エンジン」というより「恐怖」「負」のエンジンですね。
Tu-119
せっかくなので車の世界からも1つ。
「H型エンジン」
もうここまで来ると謎です(笑)
要は水平対向を上下に重ねた構造ですね。
H型エンジン構造gif

このエンジン、かつてイギリスのブリティッシュ・モーターズがF1参戦時に「H16気筒エンジン」として「本当に」搭載したようです(^^)
しかし当時全盛のV8エンジン勢に全く刃が立たず姿を消したとか・・・
それでも一勝を挙げたそうで、それがF1史上「最多気筒エンジン優勝記録」だそうです。
勝利への執念とは言えこのようなエンジンを造ってしまうとは、恐れ入谷の鬼子母神(死語)
本日最後に紹介する「変態さん」(笑)
「スターリング・エンジン」さんです。
もうそのメカニカルな所はよくわかりません(笑)
ただ燃料費が節約出来、静粛性が高い点が長所だそうですが、対費用効果が悪く大きさも相当のものとなる為、その用途は限定されるようで、自動車や航空機などには使われないとか。
しかし、その静粛性という長所に目をつけたある乗り物に採用されていました。
それも我が国「日本」の。
それは海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」です。
海上自衛隊「潜水艦 そうりゅう」(防衛省HPより)
潜水艦は高い静粛性が求められることから「そうりゅう」には「スターリング・エンジン」が搭載されており一部では「世界最強の非原子力推進型潜水艦」と言われているようです。
また静粛性のみならず「非大気依存推進」がスターリング・エンジンでは可能になるので、従来のディーゼル推進潜水艦から見ると浮上する時間が短くて済む=洋上の敵に見つかりにくいという利点があるようです。
原子力推進も「非大気依存推進」と言えますが我が国は持つことが出来ない(というより「むつ」の失敗で国民感情が許さない)でしょうからスターリング・エンジンの搭載は我が国ならではの「エンジニア魂」の結集といってもいいでしょう。
書いていて、あれもこれも複雑すぎて、機構が中々理解不能状態となり自動車のエンジン達が愛おしくなりました(笑)
これら「ド・変態」な機関達もエンジニア達は「より速く、より安全に、より遠くへ」という想いから開発された物達。(一部、戦争用に造られた技術は「勝つため」と言えますが、それらが民生にフィードバックされ、こんにちの技術の1つとなっていることも事実。)
「こりゃあ、いくらなんでもやり過ぎだろう」とか「これは使い物にならん」という物もあった事でしょう。
しかし先人たちの苦労と失敗、戦争という無情が生み出した技術が我々人間にもたらしたものが「今の生活」であるということを忘れてはいけないですね。
台風、過ぎたのかな?
風はあまり吹いていませんが雨が地を打つ音が聞こえます。
このまま何事も起きませぬよう。
本日は短いスパンでの投稿となりました。
最後までお読み頂きありがとうございます。
また、いつも沢山の「イイね!」、誠にありがとうございます。
追記:変態エンジンさん達の動きをCGであらわしたgifを貼り付けましたが、みんカラではgifファイルは動かないようです。
もしご興味が湧きましたらWikipediaで当該項目をご覧頂ければその不気味な動き(笑)を見ることができますので・・・