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2015年01月22日 イイね!

リア周りの復元

前回、最後に紹介したグズグズのリアフェンダー。

インナーの穴あき部分は完全に腐食しきっているので、
サビの部分を切除した上で、新たな鋼板を切り出して整形し、溶接。
 



その他の部位に関して、まずは錆を全て落としながら溶接の接合面を均す
 



防錆の為のエポキシプライマーを塗装

プライマーとは、耐腐食性、金属との密着性を向上させるもので
エポキシプライマーはさらに特化した性質をもちます。
但し、この塗膜の上から塗装を行うことはできませんので、乾燥後、下塗り(サフェーサー)塗装を行い、さらに乾燥後、内板下塗り塗色を塗装。

各工程、基本的に全部同系色の塗料なので分かりやすいように塗装途中の写真を・・・
 
ちなみに、プライマーとは
耐腐食性、金属との密着性を向上させるもので、エポキシプライマーはさらに特化した性質をもちます。

サフェーサーは
上塗り塗料の密着や平滑性(仕上がりの良さ)を求めるものです。

プライマー・サフェーサーは
プライマーとサフェーサーの両方の効果を発揮する塗料のことを言います。
便宜上、上記のサフェーサーと同様にサフェーサー(サフ)と呼んでいますが、自動車修理ではプライマーサフェーサーが一般的に使用されていています。
 
 
新品のリアフェンダーパネル
 
リアフェンダーのパネルに関しては車体に溶接してしまうと、内側の処理ができなくなるため
防錆~下塗りまで処理を内側の面のみ先に行います。




車体へ固定し、スポット溶接で接合していきます。
 

新品パネルとと言えども、そのまま塗装はできません。
下処理工程として、まずは塗装の密着を高めるためのサンディング処理を施します。
但し、新品パネルの黒色を研ぎ落としてし鋼板素地を露出させない程度に!
なぜなら、この黒色の正体は亜鉛の電着メッキによる防錆皮膜だから・・・
 

サンディングが終了すると、さらに追い打ちのエポキシプライマー。
t通常なら、この状況からサフェーサーでOK。手抜きならそのまま塗装する所も・・・
しかし、今度は絶対に錆びさせない!

 
新車の場合、この電着メッキ(下塗り)の上から中塗り、そして上塗(ボディー色)の3層。
この車は電着メッキからエポキシプライマー。そして、今後紹介することになるが、プライマーサフェーサーを経て上塗り塗装の4層になる。

それが程々の適当な作業なのか、本気の手の込んだ作業なのか?
それなりに塗装の施されている状況、完成後の外見からはプロでも絶対に判別できない。
また、1年やそこらで明らかな違いが出ることも恐らくないでしょう。
しかし5年~となると、その差は取り返しのつかないレベル、差となって確実に現れる。
作業前の、このリアフェンダーのようにね・・・

これでリアフェンダー部、最低限の外装下地処理が完了。
フェンダーアーチ部のスポット溶接痕もこのとおり。純正、新車みたいに復元できたでしょ?
 
 

作業順は前後しますがリアフェンダーの裏側。つまり、トランク内
今後、外装の処理の入る上で先に処理をしておかなければならないので
この時点で作業を完了させておきます。
 
リアフェンダーが付いていないので、向こう側が見えます。
 

リアフェンダー溶接後。フェンダー裏側はまだ下塗り塗装の状態。
 

内側からのシーラー(防水)処理も補修箇所だけでなく、トランクルーム全体に再施工。
塗装完了後、フロントフレーム同様、隙間という隙間に防錆剤を注入して完了。


工程まだ半ば、やっとボディー本体の形ができました。
Posted at 2015/01/22 20:29:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2015年01月17日 イイね!

リア周りの惨状

年明け最初のブログで後ろ向きな内容は気分的にちょっと・・・
でも、これを書いておかなければ以降の作業について、説明のしようがなくなってしまいます。だから、今回はネガティブな内容のみ。

リア周りにおいてはフロントよりも酷い状況。
マイナスの下限値を振り切った状態からのスタートです(´-ω-`)

まずは作業前の状態、ほぼ真後ろから撮った写真。

ぱっと見はそれなりですが、よく見るとわかるかと思います。
過去の補修においてリアフェンダーを張り替えた形跡があり、右下がりの状態です。
もちろん床は水平。

事故の影響で後部もフレームに歪があるのか?と疑い、計測するも異常はなし。
何が傾きの原因かと言うと、リアフェンダーがズレて溶接されてる・・・


例えば、四角い箱の一面がズレると当然他の3面もズレてくる訳で、リアガーニッシュやバンパーの位置関係も全て狂います。


その影響で、トランク鍵穴の位置も合わなくなったんでしょう。


鈑金修正以外に、帳尻合わせの為に行ったと思われる鍵穴取り付け位置の無理矢理な長穴調整でバックパネルがボコボコ・・・


トランク上部のDHTフックのある近辺。
ベルトラインモールをめくると・・・


パネルのズレから生じた隙間への浸水が収まらなかったんでしょうね。コーキングを充填しまくって無理やり水漏れを止めてます(^_^;)

そして、溶接部位。


塗装がされてないじゃないか!

全くの未処理で放置プレイ・・・・
鉄素地が空気に触れるとどうなるか?なんて小学生の理科で学習するレベルの話で、手抜き云々レベルの問題じゃなく、仕事が未完了の状態。
特に、ドアの開口部位なんてのは塗装完了後、最終仕上げで内張りを組み付ける際にも必ず目に付く場所ですし、ついうっかり忘れる様な場所でもないので
恐らく確信犯。
例えるなら、手術でメスで切開したところを縫合もせずに退院させる感じ?いや、溶接で縫合してるから、再生されない皮膚部分を移植もせずに退院させた感じか?
ま、そんな事はもうどうでもいいや(笑)

ステップ裏側。


明らかに内部から腐食して発生した錆。


リアフェンダー交換。
本来はこんな作業を予定なんてしていなかったが、そうせざるを得ない状況。
例えば、騙し騙しの延命処置でも土台があってこそ出来るもので、その土台が最低な作業で最悪の状態になっている。しかも、パネルを切開すると、さらなる惨状が・・・

まずはフェンダーアーチ部
スポット溶接で接合されている部位ですので、切開の際には溶接部位を剥がす必要があります。
しかし、スポット溶接痕を探すも見当たらない。

違和感を感じながら確認のために塗装を剥いで見ると・・・ロウ付け

溶接とは本来、互いの母材を(電気やガス等で)溶かして一体化させること。ロウ付けとは、母材より融点の低い溶接材(溶接棒)のみを溶かして糊代わりにする接合方法です。

広い意味ではどちらも溶接には違いはないのですが、強度部位にこれは・・・・溶接とは言わんよ。

その他の溶接部位においても
以前に紹介したスポットシーラー等の防錆処理がなされていないので
最も大事な溶接の接合面全て朽ちています。




インナーフェンダーに至っては完全な穴あき状態。

 
あまりの酷さに呆れて物も言えない状況です。


Posted at 2015/01/17 20:53:34 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2014年12月19日 イイね!

フロントフレーム部 塗装作業完了

サビの剥離や防錆処理等、
その他全て処理を終えてフロント部の塗装が完了しました。




流し素麺も余裕で出来ます(笑)




ただ、こんな外見上の見た目に関しては基本的にどこの誰がやっても同じこと。

「本気」で乗っている人達の車に対する気持ち。
個々に多少の違いはあれど、十分に心得ているつもりですので、
車種を問わず同じ姿勢で作業をしてはいます。が、やはりこれも何かの縁。
「ユーノスロードスター」という車に自身も乗っているからこそ分かること、出来ることもあります。そして、色んな意味でそのオーナー達の怖さを知っているからこそ(笑) ビジネスライクでは成し得ない違いも出さなきゃね・・・という訳ではありませんけれど(^_^;) 
個人的な考え方、作業の方針として
レストア=新車、純正の状態に忠実に再現、再生する作業。
という意味合いの観点から言えば非常に邪道な行為なのかもしれませんが、
日常生活に耐えうる車両に仕上げる事を目的とした場合、純正と同じでは意味が無いものと考えています。

例えば、フレーム鋼板の継ぎ目には防水、防錆に為のシーラー処理(コーキング)が施されています。但し、純正の場合は全ての箇所ではなく要所要所のみ。
これをありとあらゆる全ての箇所に施していきます。







アンダー周り、純正では未施工の部位はもちろん
経年によって弾力を失い硬化したシーラーを再度充填


その上からチッピング塗装
チッピングとは、ユーノスの場合、タイヤハウスやボディー腰下部分にある「ブツブツ状」の塗装です。密着力、密閉力が高く、硬化するとゴム状の弾性皮膜になり、飛び石による塗装の剥げ、傷、錆防止を目的とした塗膜です。


ボディー色塗装が完了。



尚、単に見える部分のボディー色のみを塗装したように見えますが
プライマーサフェーサーとは別に、真っ先にアウターに見える下塗り色(グレー)を一旦塗装、乾燥させた上で、さらにその上からボディー色の塗装を行っています。

また、下塗り色の見える部分はフェンダーや外板パーツで隠れる部分とは言え、その上から掛かるボディー色のミストの飛び具合等も純正を再現するように心がけています。
 

 
塗装が完了後、シーラーでの防水処理ができない箇所やフレームの中空部に対して防錆剤を注入。


 
ボルト留めで鋼板同士が合わさる部分には、糊付けのように全ての合わせ面に予め防錆剤を塗布し挟み込む。



このように純正の外観を損ねることなく純正の弱点を補う作業を行いました

 
例えば同じユーノスが2台。
1台は製造ラインから出てきたばかりの新車、もう1台は完成後のこの車両。
両者を並べて放置した場合、新車の方が先に朽ち、この車両は原型をとどめる事が出来るように!
んなアホな・・・(笑)と笑われるかもしれませんが至って大真面目。
本気でそうなれるように細部の作業を徹底的に行っています。

Posted at 2014/12/19 19:55:45 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2014年12月05日 イイね!

フロントフレームの修正

いざ、計測修正をしていくと大雑把ながらも事故当時の損傷入力の仕方が判ります。
ただ、ちゃんと直していたのなら修正痕こそあれど、フレーム寸法通りで当時の状況なんて分かる訳ないはずなんですがね・・・

車高の関係か、急ブレーキによるノーズダイブか?左側先端が潜り込むような形でぶつかったのでしょう。フロント全体が右側に振りながら、左側が大きく垂れ下がっていました。
また、左側ストラット手前は、前端部から押し込まれる形で盛り上がっていましたので、への字に折れ曲がり、完全にフレームのねじれた状態。

こうなると当然、外板パネルの立て付け(各所隙間等のチリ)の帳尻を合わせて組んだだけと言っても過言ではない位ひどい有様で、ストラットの取り付け部分なんて、長穴加工してるし、各所ワッシャーを噛まして無理やり高さや隙間の調整をしていました。

よくまあコレで平気な顔して納車できたもんだ・・・
リア周りの修正の際に改めて掲載しますが、右側リアフェンダーに関してはもっと酷い状態。
まあ、まだまだ長い道のり、こんなネガティブな事ばかり書いても始まりませんので、ポジティブに直していきます。


破損(不要)部分にクランプを掛けて油圧で正規の車体寸法になるように矯正しますが、修正したい箇所へピンポイントで適正に力が掛かるように複数の支点で固定しています。
また、左右のフレームを片側ずつ別々に修正する都合上、コアサポート(フレーム最先端の左右の梁、フードのロックが付く所)は予め切開しています。



但し、バルクヘッドやストラット周辺の根元付近からフレームが動いてしまっては困りますので、クロスメンバとストラットタワー部を固定するために、治具を作成しています。


 コアサポートの仮組みをし、正常な寸法が出ているか最終確認。




これらの部品はスポット溶接で接合していきますが、溶接部位は熱変性等で錆びやすくなる上、互いに重なり、密着し合うパネルの合わせ目を後から処理する事は困難です。
なので、溶接箇所には必ずスポットシーラーと言う、電導性の防錆塗料を塗布しておきます。



溶接が終了しました。






念の為に外装部品の仮組みを行います。
普通に組んで各所の立て付けも全て問題なし!これで普通に直ったというもんでしょ?(笑)

要点のみでかなり端折ってますが、フロントフレーム修正完了!





Posted at 2014/12/05 18:57:16 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2014年11月12日 イイね!

いよいよ本格的に

フレーム修正~の作業の流れは決定事項ですが

エンジン、ミッション、前後クロスメンバー等の足回り全てを取り外した状態で車両全体を細部に至るまで確認。
その上で、改めて作業の方向性についてオーナーと詳細な打ち合わせ。




尚、前回フルレストアと表記しましたが、誤解がありそうなのでちょっと訂正。

日本ではネジの1本に至るまで完全分解での再生じゃないと、そうとは呼ばない風潮みたいなものがありますので、自動車雑誌やTV等で見かける、完全にフレームだけにして、鉄素地まで剥いで、BBQみたいにグリグリ回してみたいな・・・
良くわからない人でも見た目だけでスゲ~!ってなるド派手な作業を連想してしまうかな?と。

でも、そこまでしたら恐らく余裕でNDロードスター
しかもフルオプションが買える金額になるでしょう(^_^;)
だから、そこまでの事はしません(笑)

例えば、もっと古い車で、使用されている塗料が数世代前の物である場合、つまり、現在の塗料との相性が良くない可能性が考えられる場合や、錆や劣化で朽ち果てかけていたり、何度も補修を繰り返した結果、どこが腐っているのか?外観上からは判別が付かない様なボディー(フレーム)であるならそうすべきでしょうが、
このボディーに関しては補修痕や歪はあれど、不良箇所以外は何ら問題なく健在なんです。特に、新車からのワンオーナー、補修履歴も明白ですので不具合箇所の判定も非常に容易。


フロアの裏側
トランク下、何ら問題なく綺麗な状態。もちろん錆も見受けられず。

 
フロアトンネル裏側 ここも同様に綺麗です。

 

まだ生きている部分に必要以上の手を加えることは、逆に車体の寿命を縮めるだけ。
製造ラインで施され、尚且つ現在も機能し続けている塗膜や下地(防錆の亜鉛メッキやプライマー処理層)を剥ぎ落としてまで鋼板の地金を処理するメリットなど何一つ無い。

確かに、そうした方が「見た目」には綺麗に仕上がるのですが
短期間とは言え、わざわざ剥ぎ落とす事で空気中の酸素や水分に暴露させる
(暴露による酸化=錆)リスクを敢えて負うことや、
改めて同等レベルの、但し、もしも作業が甘ければ同等以下にもなってしまう下地処理を施す事など、無駄な費用と手間を掛ける愚かな行為にしかならない訳で・・・。

生きている塗膜や下地に関しては、無駄な事はせずにその機能を活かして
「これから行う下地処理の為の下地」として利用し、
より強力に鋼板を保護する方が全ての面において優れています。

なので、ボディー全体に手を入れると言う行為には違いありませんが、
ショーカー的な「見せる為」のレストアではなく、
「普通の車」として日常使用に耐え続けられるよう、
患部は徹底的に除外する一方、触らなくても良い部分は保護と機能向上目的の為の作業を行う。という方法で作業を行います。

具体的には(多少は行う事になりますが)
基本的には室内やフロア下は剥離を含むような塗装作業は行わず、現状を活かした状況で、フレーム内部や鋼板の継ぎ目に対しての防水、防錆やその他、耐久性向上の為の処理に止めます。

 

 
Posted at 2014/11/12 20:33:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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