
オフロードバイクの競技用エクゾーストシステムで高いシェアを占める米国FMF Racing社。創業は1973年で2023年に50周年を迎えます。旧国内代理店やショップ、ネットにもFMF社自体についての日本語の詳しい情報がまったくと言っていいほど無いので、勝手に50周年記念を祝して公開します。
■ 1973年、元モトクロスライダーのDon Emlerが "Flying Machine Factory" 「ヒコーキ工場」を創業
まず、ずっと気になっていた「FMF」の3文字の意味は、"Flying Machine Factory" つまり「ヒコーキ製作所」。ちなみに"flying machine"は "aeroplane" や "aircraft"と違って、ライト兄弟のライトフライヤーみたいな黎明期の飛行機を指すような、ちょっと古風なニュアンスがあります。
創業当時の開店案内にも使われたイラスト。
創業者は元モトクロスレーサーのDon Emlerさん。現在御年72歳。今もダイノマシンに載せたバイクに跨がって自ら試作品の測定チェックをするなど、主に2スト製品開発に関わるほか、生産設備や工程の改善や導入などで精力的にFMF社を率いています。
Don氏が10代の頃にモトクロスレースを始めた1967年当時、カリフォルニア南部では週末だけでなく毎日のようにレースが開催されるほどモトクロスレースが大人気でした。自身も優秀なライダーでもありながら、小さい頃から機械と工作が好きで探究心が旺盛なDonはレースで勝つために自身のバイクのチューンアップにのめりこみます。やがて周囲の競争相手もDonのバイクの違いに気づきはじめ、次第にライバルのライダーのバイクをいじっている時間ほうが長くなっていきました。自分のマシンを積極的に他のライダーに乗ってもらい、草の根レベルから評判と名声を獲得していったDonは、「Uncle Donny」として慕われ、(まだ21歳そこそこだけど)ついにユーザーからは全米チャンピオンも輩出。人も雇い入れて1973年11月、ロサンゼルス南郊にFlying Machine Factory (FMF : ヒコーキ工場)を開業。時にDon Emler Sr.氏は弱冠22歳。同年には現在FMF社のマーケティングマネージャー兼アパレルマネージャーを務めるご子息のDon Emler Jr.さんも誕生しています。
開業時のフライヤー
FMF Racing社について、まだまだ色々と調べてありますので順次お伝えしていきます。
- 会社名の由来は、裕次郎も出ているあの映画だった…。
- 現在の本拠地はロサンゼルスでも〇〇で有名な××市なのはナイショ。
- 1976年には、「△△△の父」との合弁事業による△△△事業部もあった。
- 創業者は2017年にAMAモーターサイクル殿堂入りを果たした偉人!
- ネジとリベット以外、シートメタルからすべて本社工場で内製&一貫生産。外注はクロームメッキ処理とカーボンパーツのみ。
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FMF Racing | 日記
Posted at
2023/08/12 17:59:42